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1717 明豊ファシリ

東証S
862円
前日比
-3
-0.35%
PTS
-円
業績
単位
100株
PER PBR 利回り 信用倍率
13.4 2.05 4.12
時価総額 110億円
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決算発表予定日

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明豊ファシリ Research Memo(6):CM事業とDX支援事業が増収増益に


■業績動向

2. 事業セグメント別の動向
(1) オフィス事業
オフィス事業の売上高は前年同期比10.2%減の456百万円、営業利益は同49.4%減の37百万円となった。景気の先行き不透明感が強まるなか、民間企業における投資判断は慎重な傾向が続いており、明豊ファシリティワークス<1717>が得意とする大規模オフィスの竣工時同時入居プロジェクトが減少した。また、リモートワークの普及により、移転案件の規模(床面積)が縮小傾向にあることも影響した。

ただ、大企業のグループ統合やリモート環境整備をはじめとした働き方改革支援、オフィスの再構築など、難易度の高いプロジェクトの引き合いは増加傾向にあるほか、大企業からの受注を獲得した。2023年度は都心で複数の大規模ビルの竣工が予定されていることもあり、2024年3月期に向けて収益は回復すると予想される。

(2) CM事業
CM事業の売上高は前年同期比19.7%増の1,321百万円、営業利益は同54.9%増の341百万円と2ケタ増収増益が続いた。CMサービスの導入メリットが大企業や地方自治体などを中心に認識されはじめ、既存顧客だけでなく新規顧客からの引き合いが増加している。公共分野では、地方自治体庁舎や国立大学の学舎整備プロジェクトなどが増加した。民間分野ではJR東日本の大規模プロジェクトのほか、グローバル企業の大型研究施設や生産工場、商業施設、私立大学、大手IT会社等の保有施設の電気・空調・衛生設備更新案件などが増加した。また、脱炭素化支援コンストラクション・マネジメントサービスの引き合いも増加した。営業利益率は、既述のとおり上流工程から参画する付加価値の高い案件が増加し、前年同期の19.9%から25.8%に上昇した。

なお、第三者機関からの評価として、日本コンストラクション・マネジメント協会が主催する「CM選奨2022」において、同社がCM業務を行った「中野区 みなみの小学校他2校校舎新築工事に伴うCM業務」「(株)資生堂 那須工場新築工事 CM業務」「タカノフーズ(株) 水戸第三工場新築計画 CM業務」の3件で「CM選奨」を受賞し、6年連続の受賞となった。

「中野区 みなみの小学校他2校校舎新築工事に伴うCM業務」については、3校同時の整備事業を、品質の平準化と個別事業対応のバランスを取りながら、円滑かつ効率的に運営管理できた点が評価された。また、「(株)資生堂 那須工場新築工事 CM業務」については、資生堂<4911>にとって36年ぶりの国内新工場建設プロジェクトとなり、設計着手から工場稼働まで最短納期の実現を目標に掲げたプロジェクトであった。同社は意思決定を加速させるため、施主側との「協働プラットフォーム」の仕組みを提案すると同時に、日々変動するコストをタイムリーに可視化する予算進捗管理を行い、総工費で当初目標予算比22%減を達成し、プロジェクト期間25ヶ月という短納期を実現したことが評価された。「タカノフーズ(株) 水戸第三工場新築計画 CM業務」については、20年後を見据えたスマートファクトリーの建設をテーマとした基本構想段階からのプロジェクトとなり、品質だけでなくコスト及びスケジュール管理においてすべての関係者に納得感のあるプロジェクトを推進できたことが評価された。

(3) CREM事業
CREM事業は特定顧客の大型プロジェクトが一巡し、売上高は前年同期比6.7%減の347百万円、営業利益は同28.8%減の74百万円となった。ただし、多拠点展開している金融機関や大企業からの継続受注に加え、新規顧客も獲得していること、公共施設の維持保全・老朽化対策としての需要増加や、既存施設の脱炭素化ニーズの増加が見込まれていることから、先行きは明るいと弊社では見ている。

(4) DX支援事業
DX支援事業の売上高は前年同期比54.1%増の50百万円、営業利益は同126.9%増の9百万円となった。大手企業や官公庁に対して「MPS」「MeihoAMS」の導入が進んだ。これらは顧客要望に合わせて社内で開発するが、開発作業については外注している。契約件数がまだ少ないこともあり、新規導入件数の多寡により収益が変動する傾向にあるものの、これらのサービスはもともと社内用に開発したシステムで10年以上の運用実績があることから、契約件数が積み上がってくれば安定収益基盤になると考えられる。

「MPS」はCREM事業のプロジェクトで利用するため、新規顧客が増えれば「MPS」の導入も連動して増えることが見込まれる。一方、「MeihoAMS」はオフィス事業での営業活動と合わせて行うことが多く、同事業の多くの新規顧客は、「MeihoAMS」を仮導入している。これは、「働き方改革」をテーマにしたオフィスの再構築の際には、生産性の可視化や効果検証ができる「MeihoAMS」の利用価値が高いためだ。これらの機能の一部を利用したいという要望も増えていることから、サービスメニューを細分化して販売することを検討している。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲)

《SI》

 提供:フィスコ

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