前場に注目すべき3つのポイント~米CPIの結果や米銀大手決算を材料視~
16日前場の取引では以下の3つのポイントに注目したい。
■米CPIの結果や米銀大手決算を材料視
■奥村組、2Q営業利益 87.7%減 7.91億円
■前場の注目材料:三菱電機、産学官研究開発費1000億円に、国内外で幅広く連携
■米CPIの結果や米銀大手決算を材料視
16日の日本株市場は、買い優勢の相場展開になりそうだ。15日の米国市場は、NYダウが703ドル高、ナスダックは466ポイント高だった。2024年12月の米消費者物価指数(CPI)は、コア指数が予想外に鈍化したことで、過度なインフレ警戒が和らいだ。また、ゴールドマン・サックスなど米銀大手の決算が好感された。イスラエルとハマスが停戦で合意との報道で中東情勢の改善期待を受けた買いも強まり、一段高となった。シカゴ日経225先物は大阪比365円高の38755円。円相場は1ドル156円30銭台で推移している。
日経平均株価はシカゴ先物にサヤ寄せする形から、買い先行で始まることになりそうだ。注目された12月の米CPIは、前日の卸売物価指数(PPI)同様にインフレリスクを後退させる形となった。東京市場においても直近の下落に対する自律反発の流れが強まりやすいだろう。米銀大手の決算反応が好感されるほか、エヌビディアが6営業日ぶりに反発したことで、指数インパクトの大きい値がさハイテク株への手掛かり材料になりそうだ。
日経225先物はナイトセッションで一時38230円まで売られた後の切り返しで200日線を上回って終えた。39000円近辺に位置する75日線が意識されやすく、同水準を捉えてくるようだと、押し目待ち狙いの買いに勢いが付きそうである。昨日の日経平均株価は200日線を回復して始まったものの、その後の弱い値動きで前日の終値水準で終えていた。下へのバイアスが強まりやすいなか、再び同線を上回ってくるようだと、センチメントを明るくさせそうである。
一方で、20日にトランプ次期米大統領の就任式を控えており、就任式後の関税政策への警戒は根強い。200日線突破から75日線に接近する局面においては、強弱感が対立しやすいだろう。物色はアドバンテスト<6857>などハイテク株のリバウンド狙いのほか、決算を受けた米銀大手の強い上昇を受けて、メガバンクなどへの資金流入が意識されやすいところである。また、ナスダック指数が6営業日ぶりに反発したことで、中小型株への物色も強まりやすいだろう。
■奥村組、2Q営業利益 87.7%減 7.91億円
奥村組<1833>が発表した2025年3月期第2四半期業績は、売上高が前年同期比2.7%増の1393億3900万円、営業利益は同87.7%減の7億9100万円だった。土木事業の売上総利益率が悪化したことにより、営業利益は減少。子会社である石狩バイオエナジー合同会社が運営する発電施設において発生した爆発事故に起因する商業運転の停止により、同社が適用していた為替予約にかかるヘッジ会計を中止したことに伴い、営業外費用に為替予約評価損を計上したことにより、最終損益は赤字、経常損益は赤字となった。
■前場の注目材料
・NYダウは上昇(43221.55、+703.27)
・ナスダック総合指数は上昇(19511.23、+466.84)
・SOX指数は上昇(5153.67、+107.71)
・シカゴ日経先物は上昇(38755、+365)
・VIX指数は低下(16.12、-2.59)
・米原油先物は上昇(80.04、+2.54)
・米長期金利は低下
・活発な自社株買い
・東証による企業価値向上の要請
・三菱電機<6503>産学官研究開発費1000億円に、国内外で幅広く連携
・コーセー<4922>インド社に出資、化粧品新ブランド視野
・伊藤忠<8001>英グリーン水素製造に出資
・横河電機<6841>洋上風力向けシステム発売、海底ケーブルを常時監視
・コニカミノルタ<4902>保護具不備をAIで検出、国内・アジア市場投入
・ミネベアミツミ<6479>ボールベアリング、大塚ローテック製腕時計に採用
・Jパワー<9513>石炭火力効率化、LNG並み低炭素狙う
・カネカ<4118>東亞合成との塩ビ樹脂の製造委託契約を終了
・旭化成<3407>EV向け提案加速、電子部品、共創に手応え
☆前場のイベントスケジュール
<国内>
・08:50 12月国内企業物価指数(予想:前年比+3.8%、11月:+3.7%)
<海外>
・09:30 豪・12月失業率(予想:前年比+2.6%、11月:+2.6%)
《ST》
提供:フィスコ