欧米為替見通し:ドル・円は底堅い値動きか、米大幅利下げもドルに買戻し
20日の欧米外為市場では、ドル・円は底堅い値動きを予想する。日銀の金融正常化は時間を要するとみられ、追加利上げを見込んだ円買いは後退。また、米連邦準備制度理事会(FRB)は今後の利下げに慎重とみられ、ドルに買戻しが入りやすい。
前日発表された米フィラデルフィア連銀製造業景気指数の改善は好感されたが、連邦公開市場委員会(FOMC)での大幅利下げを受けた長期金利の低下でドル売りに振れた。一方、欧米株高を受け円売り主導で主要通貨を支えた。ユーロ・ドルは1.11ドル台半ばに浮上し、ドル・円は142円70銭付近でもみ合った。本日アジア市場は日銀の政策決定を前に日本のインフレ指標が堅調となり、午前は円買い圧力が目立た。
この後の海外市場は日米金融政策が材料視される。日銀は今回の会合で現行の政策を維持しつつ、金融正常化の姿勢を堅持。ただ、早期利上げ期待は弱まり、円売り基調に振れやすい。一方、米FRBは今後の利下げに慎重で、ドル買い地合いが見込まれる。英中銀もややタカ派的で、クロス円は下げづらい展開が予想される。重要イベントの通過に伴い短期的なリスク要因は後退しており、円買い縮小なら主要通貨は下げづらい。
【今日の欧米市場の予定】
・21:30 カナダ・7月小売売上高(前月比予想:+0.6%、6月:-0.3%)
・23:00 ユーロ圏・9月消費者信頼感指数速報値(予想:-13.2、8月:-13.5)
・24:00 ラガルド欧州中央銀行(ECB)総裁講演
・03:00 ハーカー米フィラデルフィア連銀総裁講演(米テュレーン大学)
《CS》
提供:フィスコ