【注目】前日に「売られた株!」総ザライ ―本日への影響は?―
サンリオ <日足> 「株探」多機能チャートより
■サンリオ <8136> 4,416円 (-744円、-14.4%)
東証プライムの下落率トップ。サンリオ <8136> [東証P]が4日ぶり急反落。26日取引終了後、既存株主による2587万1800株の売り出しを実施すると発表。株式需給の悪化を懸念した売りが先行した。政策保有株式を早期に縮減させるとともに、株主層の裾野の拡大と多様化により企業経営に対する規律を一層高めることを目指す。需要状況に応じて上限388万700株のオーバーアロットメントによる売り出しも行う。売り出し価格は12月10日から同月13日までのいずれかの日に決定する。
■フリュー <6238> 1,099円 (-62円、-5.3%)
東証プライムの下落率8位。フリュー <6238> [東証P]が3日ぶり急反落。SBI証券が26日、フリューの投資判断を「買い」から「中立」に引き下げた。目標株価は1260円から1120円に減額修正している。注目の家庭用ゲーム「ベイブレードエックス XONE」の初週の国内販売本数が物足りないと指摘。収益の改善傾向がみられないなか、ガールズトレンドビジネスにおいても本格的な回復フェーズに入るにはあと数年を要するとの見方を示す。同証券はフリューの26年3月期営業利益予想を従来の37億2800万円から32億500万円に見直した。
■アドテスト <6857> 8,506円 (-328円、-3.7%)
アドバンテスト <6857> [東証P]が大幅安で3日続落。9月下旬に25日移動平均線を上回ってから今週明け25日まで同移動平均線を下回ることなく、強力な上昇トレンドを形成してきた。しかし、前日26日に大陰線を示現し終値で約2ヵ月ぶりに下回った。27日は続落し、寄り後も下値模索の動きを強めるなど波動転換の可能性を示唆した。前日26日の米国株市場ではエヌビディア <NVDA> は自律反発したもののわずかな上昇にとどまり、その他の半導体主力株は軒並み下落、フィラデルフィア半導体株指数(SOX指数)も安くなった。エヌビディアと密接な取引関係を持つアドテストも利食い急ぎの動きが表面化している。なお、アドテストの株式需給面に目を向けると、ここ最近は売り残の増加が目立ち、信用倍率は直近22日現在で1.02倍とがっぷり四つの状態にある。前週末時点では投資家の強弱観対立を物語るが、ここからの値動きにマーケットの視線が集まりそうだ。
■トヨタ <7203> 2,571円 (-96.5円、-3.6%)
トヨタ自動車 <7203> [東証P]が続落。トランプ次期米大統領や次期政権での財務長官に指名されたスコット・ベッセント氏などがドル安肯定論者であることで、今後外国為替市場で円高圧力が高まるとの見方が浮上している。また、前日26日発表された11月のFOMC議事要旨は緩和的なスタンスを示す内容であり、これも足もとでドル売り・円買いを誘導した。1ドル=153円近辺の円高を背景に同社株には向かい風が強まった。また、トランプ次期政権下で自動車業界への関税強化に向けた思惑も、目先買い手控え要因となったもようだ。
■安川電 <6506> 4,010円 (-111円、-2.7%)
安川電機 <6506> [東証P]が続落。そのほか、ファナック <6954> [東証P]が軟調となった。米国時間26日、トランプ次期米大統領は米通商代表部(USTR)代表にジェイミーソン・グリア氏を指名したと伝わった。グリア氏は対中強硬派として知られている。米国による対中関税策が前日に伝わっていたが、中国経済の先行き不透明感を一段と強める格好となり、中国関連株と位置付けられる両社の株価の重荷となったようだ。
※27日の下落率が大きかった銘柄を株価変動要因となった材料とともに抜粋
株探ニュース