貸借
証券取引所が指定する制度信用銘柄のうち、買建(信用買い)と売建(信用売り)の両方ができる銘柄
日経平均株価の構成銘柄。同指数に連動するETFなどファンドの売買から影響を受ける側面がある
株価15分ディレイ → リアルタイムに変更

5411 JFEホールディングス

東証P
1,671.0円
前日比
+3.0
+0.18%
PTS
1,670.4円
13:05 12/18
業績
単位
100株
PER PBR 利回り 信用倍率
8.2 0.42 5.98 10.90
時価総額 1685億円
比較される銘柄
日本製鉄, 
神戸鋼, 
大同特鋼

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【和島英樹のマーケット・フォーキャスト】─波乱の後の物色は基本に帰る


「波乱の後の物色は基本に帰る」

●戻り待ちの売り圧力大も、順調な業績進捗が下値サポートに

 9月の東京株式市場は、基本的にはもみ合いとなりそうだ。8月5日までの暴落の要因となった日銀の超タカ派への転換懸念や米国景気失速に対する警戒感は後退し、為替市場では日米金利差縮小に伴う円売りポジションの巻き戻しも一巡したとみられる。9月の米利下げは織り込みが進んでいる。

 日経平均株価の予想レンジは3万7500円~3万9500円。

 市場関係者によれば日経平均株価で3万8000円台の累積売買代金は230兆円、3万9000円台でも110兆円前後あるという。3万7000円台の44兆円と比べると、戻り待ち売りの圧力は大きい。

 通過した第1四半期決算はおおむね順調な内容だった。決算発表の集中期間直前に日経平均株価の予想1株利益は2367円だったが、終了直後には2427円まで上昇している。大手調査機関によれば通期に対する純利益の進捗率は30%程度。期初の予想は保守的だったとの見方が裏付けられた格好だ。下値のサポート要因となろう。

 スケジュールでは、米国で3日にISM製造業景況指数、6日に雇用統計、10日に大統領候補者テレビ討論会、11日に消費者物価指数(CPI)、17日小売売上高、18日にFOMC(米連邦公開市場委員会)結果発表、27日に個人所得・個人支出(PCE)などが予定されている。なかでは雇用統計が最も注目される。また、FOMCでは利下げ幅が0.25%なのか、あるいは0.5%であるのかに関心が高い。

 日本では12日に自民党総裁選が告示、13日に先物・オプションの特別清算指数算出(SQ)、20日に日銀金融政策決定会合の結果発表、27日に自民党総裁選投開票など。日銀は内田副総裁が金融波乱の中では利上げしないとコメントしており、今回は利上げ見送りだろう。同日の植田総裁の会見が注目される。

●PBR1倍割れの高利回り、AIデータセンター関連などが柱に

 物色面ではまず、波乱の後だけに基本に帰ることが重要となる。7月までの株価上昇の根幹は、東京証券取引所が継続的に働きかけてきたPBR(株価純資産倍率)1倍割れからの脱却だ。PBR=PER(株価収益率)×ROE(株主資本利益率)で表されるため、企業は自社株買いや増配を積極化させている。主力企業では1倍を超えるようになったところが少なくないが、今回の株価下落で仕切り直しになっている。

 PBRが1倍を割れ、配当利回りが3%以上でみると、金融では三菱UFJフィナンシャル・グループ <8306> [東証P]、三井住友フィナンシャルグループ <8316> [東証P]、鉄鋼で日本製鉄 <5401> [東証P]、JFEホールディングス <5411> [東証P]、海運の日本郵船 <9101> [東証P]、商船三井 <9104> [東証P]など。そのほか、ホンダ <7267> [東証P]、NIPPON EXPRESS ホールディングス <9147> [東証P]、INPEX <1605> [東証P]、三菱ケミカルグループ <4188> [東証P]などが挙げられる。このうち、日本郵船、商船三井、INPEXは直近で配当を増額修正している。9月は3月期決算企業の中間配当権利付きの月でもある。権利付き最終日は26日となる。

 為替の円安が一服となっている。米国など主要国が利下げ方向、日本が徐々に利上げ方向にあり、円高傾向が継続する可能性がある。円安がデメリットになっていた家具のSPA(製造小売り)であるニトリホールディングス <9843> [東証P]をはじめ、輸入が多い良品計画 <7453> [東証P]、セリア <2782> [東証S]、エービーシー・マート <2670> [東証P]、神戸物産 <3038> [東証P]、ニチレイ <2871> [東証P]などは追い風になりそう。海外旅行関連のエイチ・アイ・エス <9603> [東証P]、オープンドア <3926> [東証P]、エアトリ <6191> [東証P]、ベルトラ <7048> [東証G]にも関心が向かう可能性がある。

 注目されたAI(人工知能)半導体首位のエヌビディア<NVDA>の2024年5-7月期決算については評価の分かれるところだが、事業別で データセンター向けの売上高は前年同期比2.5倍と絶好調だった。AIデータセンターでは処理能力を高めるために 光ファイバーの重要性が増す。多芯化(一本のケーブルに光ファイバーをたくさん詰める)や細径化(なるべく細く)向けではフジクラ <5803> [東証P]の世界シェアが高い。また、電力消費が多いデータセンターでは、静電容量の範囲が広く、ノイズ除去などに使われる積層セラミックコンデンサ(MLCC)の需要も増加傾向にある。MLCCの世界首位は村田製作所 <6981> [東証P]で、太陽誘電 <6976> [東証P]、TDK <6762> [東証P]も世界大手だ。AIサーバー向けスペシャルガラスの日東紡績 <3110> [東証P]、光トランシーバ用レンズのエンプラス <6961> [東証P]、子会社でAIデータセンター向けエネルギーソリューションを手掛ける武蔵精密工業 <7220> [東証P]などにも妙味がある。

(8月29日 記/次回は9月29日配信予定)

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