【注目】話題株ピックアップ【昼刊】:日産自、川重、マクロミル
日産自 <日足> 「株探」多機能チャートより
日産自動車<7201>が急騰。18日付の日本経済新聞朝刊が、「ホンダと日産自動車が経営統合に向けた協議に入る」と報じた。ホンダ<7267>と日産自は持ち株会社を設立し、将来的には三菱自動車工業<7211>が合流することも視野に入れると伝えている。今年3月にホンダと日産自は、電動化などに向けた戦略的パートナーシップの検討開始について発表していた。国内自動車大手が経営統合となれば、戦後の日本経済にとって大きな転換点となる。経営不振に陥っていた日産自に対しては、統合による相乗効果が期待され、大量の買い注文が集まっている。三菱自もカイ気配を切り上げている。日産自は同日、コメントを開示した。「報道の内容を含めて様々な検討を行っているが、現在決まっていることはない」としたうえで、更新情報があれば適切な時期にステークホルダーに公表する方針を示している。東京証券取引所は同日午前8時20分から55分の間、日産自の株式売買を一時停止した。ホンダも報道に関し、「将来的な協業について報道の内容を含め様々な検討を行っているが、現時点で決定した事実はない」とのコメントを発表している。ホンダは一進一退の動き。
■川崎重工業 <7012> 6,495円 +181 円 (+2.9%) 11:30現在
川崎重工業<7012>が5日ぶり急反発。SMBC日興証券が17日、川重の投資評価を「2」から最上位の「1」に格上げした。目標株価は5000円から8700円に増額修正している。パワースポーツ&エンジン事業の業績下振れの公表で、悪材料をおおむね株式市場は織り込んだと判断。防衛関連銘柄としては同業他社比較で割安感が強いとし、再評価余地は大きいと指摘している。同証券は川重の26年3月期営業利益予想を1362億円から1508億円に引き上げている。
■マクロミル <3978> 1,223円 +19 円 (+1.6%) 11:30現在
マクロミル<3978>が一時7%を超す上昇となった。同社に対しては欧州系投資ファンドのCVCキャピタル・パートナーズ傘下のTJ1(東京都千代田区)が完全子会社化を目的に、1株1150円でTOB(株式公開買い付け)を実施している。TOB期間は11月15日から12月26日までとなっているが、12月17日の取引終了後にアクティビストとして知られる香港の投資ファンドのオアシス・マネジメントがマクロミルの株式を7.12%保有していることが明らかとなった。TOB価格が引き上げられるとの思惑から、買いが集まったようだ。同日にオアシスが提出した大量保有報告書によると、報告義務発生日は13日。TOB期間中に市場内外で段階的に株式を取得した。保有目的は「ポートフォリオ投資および重要提案行為」とし、株主価値を守るため、重要提案を行う可能性についても言及している。
■タムロン <7740> 4,370円 +60 円 (+1.4%) 11:30現在
タムロン<7740>が反発している。17日の取引終了後、24年12月期の期末配当予想を90円から105円に増額修正したことが好感されている。同社は7月1日付けで1株を2株に株式分割しており、株式分割を考慮しない場合の年間配当は280円(前期170円)となる。
■ソディック <6143> 735円 +4 円 (+0.6%) 11:30現在
ソディック<6143>がしっかり。同社は17日の取引終了後、立会外での自社株買いを発表。株価の支援材料となったようだ。取得総数25万株(自己株式を除く発行済み株式総数の0.49%)、取得総額2億円を上限とし、同社は18日に東証の自己株式立会外買付取引(ToSTNeT-3)において、総数24万900株、総額約1億7600万円の買い付けを行った。
■信越化学工業 <4063> 5,214円 +22 円 (+0.4%) 11:30現在
信越化学工業<4063>はしっかり。17日取引終了後、自社株取得を実施すると発表した。TOBの方法により、2006万100株(自己株式を除く発行済み株数の1.01%)を上限に1株4685円で取得する。損害保険ジャパンやあいおいニッセイ同和損害保険などがこのTOBに応募する。
■FJネクHD <8935> 1,187円 +5 円 (+0.4%) 11:30現在
FJネクストホールディングス<8935>が反発している。17日の取引終了後、25年3月期の期末配当予想を24円から26円へ引き上げると発表したことが好感されている。12月15日に上場20周年を迎えたことを記念して2円の記念配当を実施する。なお、年間配当は50円(前期50円)となる予定だ。
■PAコンサル <4071> 1,904円 +6 円 (+0.3%) 11:30現在
プラスアルファ・コンサルティング<4071>が反発している。17日の取引終了後、積水化学工業<4204>の定性データ活用をグループ横断で促進するため、テキストマイニングツール「見える化エンジン」を使った定性分析研修を実施したと発表しており、好材料視されている。定性分析とは、言葉や行動など数値で表すことのできないデータの分析のこと。今回の研修により、集計や施策検討にとどまらず、傾向や要因をテキストから読み取り、定性データの分析活用もできるDX人材育成に寄与した研修として評価され、次のステップとして生成AIを活用した研修も企画されているという。また、この日午前9時ごろにはタレントマネジメントシステム「Talent Palette(タレントパレット)」が、新潟県新潟市に採用されたと発表しており、これも好材料視されている。人事評価業務の効率化と評価結果の分析による人事戦略への活用を図るのが狙いとしている。
■寿スピリッツ <2222> 2,077円 -32 円 (-1.5%) 11:30現在
寿スピリッツ<2222>が反落している。17日の取引終了後、24日を受渡期日とする258万4800株の売り出しと38万7700株を上限とするオーバーアロットメントによる売り出しに関して、売出価格が2045.5円に決定したと発表しており、これにサヤ寄せする格好となっている。
■夢展望 <3185> 176円 +50 円 (+39.7%) ストップ高 11:30現在
夢展望<3185>は急動意。17日取引終了後、中国最大の商戦イベント「W11」で売り上げが拡大したと発表した。マーケティングやSNS連動プロモーションなどを積極的に展開し、中国エリアでの売上高が今年6~9月との期間比で300%以上、越境ECに本格的に参入していなかった昨年同期比では200倍以上を達成したという。これが材料視されている。
■河西工業 <7256> 145円 +37 円 (+34.3%) 11:30現在
内装部品を手掛ける河西工業<7256>とサスペンションのヨロズ<7294>、変速機のユニバンス<7254>が急伸。車体メーカーの日産車体<7222>や車体骨格部品のユニプレス<5949>、外装部品のファルテック<7215>が高く、日産自動車<7201>を主要取引先とする自動車部品メーカーの株価に上昇圧力が掛かっている。18日付の日本経済新聞朝刊が、「ホンダと日産自動車が経営統合に向けた協議に入る」と報じた。経営不振に陥った日産自向けの部品生産の先行きが懸念されていたサプライヤー各社に対しては、経営統合による販路拡大期待に加え、部品業界における再編の可能性も意識され、資金が流入したようだ。ホンダ<7267>を主要取引先とするメーカーでは、シート生産のテイ・エス テック<7313>やプレス部品のジーテクト<5970>、サスペンション部品のエフテック<7212>が上伸。樹脂製部品やエアバッグを手掛け、ホンダと日産自の両社を得意先とする日本プラスト<7291>が株価水準を切り上げている。ホンダのFIチーム向けの試作部品を担当した実績を持つヒーハイスト<6433>にも思惑的な資金が入った。
■倉元製作所 <5216> 244円 +38 円 (+18.5%) 11:30現在
倉元製作所<5216>は大幅高。17日取引終了後、連結決算の開始に伴い、これまで未定としていた通期の連結業績予想を発表した。24年12月期の売上高を16億円(前期単独7億400万円)、営業利益を9000万円(同4億700万円の赤字)とした。連結対象となるアイウイズロボティクスの11~12月の2カ月分の業績予想を織り込んだという。営業黒字見通しを好感した買いが入っている。
■オンデック <7360> 1,075円 +150 円 (+16.2%) ストップ高買い気配 11:30現在
オンデック<7360>がストップ高の1075円でカイ気配となっている。17日の取引終了後、集計中の24年11月期の単独業績について、売上高が従来予想の16億4200万円から16億6500万円(前の期比2.0倍)へ、営業利益が2億3500万円から3億6700万円(前の期2億円の赤字)へ、最終利益が1億6500万円から2億3900万円(同1億5200万円の赤字)へ上振れて着地したようだと発表したことが好感されている。成約件数は当初計画の42件を下回る32件となったものの、手数料単価の大きい複数の大型案件が成約に至ったことから、売上高は過去最高の着地となる見込み。また、従来予想で見込んでいた一部費用が発生しなかったことも寄与した。
■インフォメティス <281A> 1,070円 +53 円 (+5.2%) 11:30現在
インフォメティス<281A>が反発している。17日の取引終了後、フォーバル<8275>と電力関連事業の強化や新規事業の創出に向けて業務提携すると発表しており、好材料視されている。今回の提携により、脱炭素化に資する小規模法人向け(飲食・小売業含む)サービスの共同開発や自治体連携も含めたヘルスケア・見守り関連サービスの共同開発、フォーバルが提供する小規模法人向け経営コンサルティングサービスと連携した小規模法人の経営効率向上に資するサービスの共同開発などを進めるという。なお、業績への影響は軽微としている。
■ライトアップ <6580> 1,330円 +44 円 (+3.4%) 11:30現在
ライトアップ<6580>が反発している。同社は18日、地方中小企業に向けてAIエージェントを活用した業務効率化ソリューションを展開すると発表し、材料視されたようだ。自律的にタスクを実行し、学習や意思決定を行うAIエージェントのパッケージを、中小企業が導入しやすい価格帯で展開する。営業や人事、事務、経営、経理、マネジメントの6つの主要領域に特化した30種類のAIエージェントパッケージを用意。柔軟なカスタマイズ機能を実装するほか、低コストの運用サポートにより持続的な活用を促す。
●ストップ高銘柄
リンカーズ <5131> 200円 +50 円 (+33.3%) ストップ高 11:30現在
ユビキタスAI <3858> 460円 +80 円 (+21.1%) ストップ高 11:30現在
など、4銘柄
●ストップ安銘柄
なし
株探ニュース