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円高重荷で売り先行も押し目買い意欲は強い【クロージング】


21日の日経平均は反落。111.12円安の37951.80円(出来高概算は13億9000万株)で取引を終えた。米国の利下げ観測から円相場が円高に振れて推移するなか、売り先行で始まり、寄り付き直後には37605.83円まで下落した。ただし、その後は円相場の円高が一服したほか、心理的な節目である37500円を前に押し目を拾う動きなどが観測されるなか、下げ渋る動きとなった。米国で予定されている米連邦公開市場委員会(FOMC)議事要旨や米労働省の労働統計局(BLS)による米雇用者数の基準改定値の発表を控え、模様眺めムードも強まったが、下値の堅さが意識されるなか、終盤にかけて38000円を回復する場面もみられた。

東証プライムの騰落銘柄は、値下がり銘柄数が1100を超え、全体の7割近くを占めた。セクター別では、精密機器、空運、サービス、その他製品、小売など9業種が上昇。一方、石油石炭、保険、非鉄金属、金属製品、電気ガスなど24業種が下落した。指数インパクトの大きいところでは、テルモ<4543>、リクルートHD<6098>、7&iHD<3382>、ニトリHD<9843>が堅調だった半面、東エレク<8035>、アドバンテス<6857>、信越化<4063>、ファーストリテ<9983>、ダイキン<6367>が軟調だった。

前日の米国市場では、8月のフィラデルフィア連銀非製造業景況指数が市場予想を下回ったことから売りが先行した。また、米雇用者数の基準改定では大幅に下方改定されるとの見方から、9月のFOMCで利下げ幅が拡大するとの見方が高まり、為替市場でドルが売られる流れとなった。この影響から東京市場は売りが先行したものの、日経平均は25日線が支持線として意識されるなど、押し目買い意欲の強さが窺えた。23日のカンザスシティー連銀主催の経済シンポジウム(ジャクソンホール会議)でのパウエル米連邦準備理事会(FRB)議長の講演内容を見極めたいとの参加者が多く、積極的にポジションを傾けてくる動きは限られ、短期的な売買が中心だった。

為替にらみのなか、円高基調が強まるようだと、8月上旬の急落が連想される可能性から、売り圧力が強まる展開が警戒されそうだ。ただし、8月上旬の世界株安では円キャリーの巻き戻しが加速し、持ち高解消につながっていた。足もとの急ピッチの上昇局面で、解消前の水準にポジションが積み上がっているとは考えづらく、調整局面での買い意欲は強そうである。商いが膨らみづらいことから荒い値動きになりやすいが、冷静に押し目を狙いたい。

《CS》

 提供:フィスコ

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