NY株式:NYダウは140ドル安、インフレ指標控えた調整
米国株式市場はまちまち。ダウ平均は140.53ドル安の39,357.01ドル、ナスダックは35.31ポイント高の16,780.31で取引を終了した。
ソフトランディング期待の再燃で寄り付き後、上昇。その後、イランによるイスラエル報復攻撃が差し迫っている可能性が報じられ地政学的リスク上昇を嫌気した売りが加速し、相場は下落に転じた。値ごろ感から半導体のエヌビディアなどの買戻しに拍車がかかり、ナスダック指数は底堅く推移。一方、ダウは重要インフレ指標発表を控えた調整売りも見られ終盤にかけて、下げ幅を拡大し、まちまちで終了。セクター別では、半導体・同製造装置や食・生活必需品小売が上昇した一方、家庭・パーソナル用品が下落した。
地銀のキーコープ(KEY)はカナダのノバスコシア銀が同行の少数株式を取得することで合意したことを発表し、上昇。コーヒーチェーン運営のスターバックス(SBUX)は物言う投資家のヘッジファンド、エリオット・インベストメント・マネジメントに取締役会の議席を与える方向で協議していると報じられ、上昇した。食品加工会社のクラフト・ハインツ(KHC)はアナリストの投資判断引き下げで、下落。
格安航空会社のジェトブルー(JBLU)は社債発行計画を発表、これを受け、格付け会社のムーディーズやS&Pが同社の格付けを引下げたことが嫌気され、大幅安。公益事業会社のハワイアン・エレクトリック・インダストリーズ(HE)は「継続事業の前提」に関する警告発表を受け、大幅下落した。
連邦準備制度理事会(FRB)のボウマン理事は国内の財政政策や地政学的リスクなどが物価上昇圧力になり得るとし、インフレ上振れリスクを想定していることを講演で明らかにした。
(Horiko Capital Management LLC)
《ST》
提供:フィスコ