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【市況】伊藤智洋が読むマーケット・シナリオ【週間展望】 8月12日版

日経平均は戻り高値をつけて、再度3万1156円割れを目指す
1. ドル・円相場は9月中旬頃までに137.22円程度まで円高が進む公算か
  ドル・円相場は、日銀の政策転換により120円程度、または120円以上へ円高が進むという見方と、現在も大勢の円安の流れに変化はなく、最近の円高が終息した後、170円以上を目指すという見方に分かれています。
 今回はドル・円相場がどちらへ向かうかについて、チャートから見た場合の判断のポイントについて述べておきます。
 図1は、ドル・円相場の月足です。ドル・円相場は、プラザ合意後の急速な円高局面が1988年1月の高値120.45円を付けた後、いったん終息して、1990年4月の安値160.35円まで円安が進んでいます。
 1988年1月までで一本調子の円高の流れが終わり、1990年4月から2011年10月に高値75.54円を付けるまで、ジグザグに緩やかな円高局面へ入っています。
図1 ドル・円相場(月足)
【タイトル】
 急激で一本調子の上昇の流れが終わり、その後、緩やかな上昇の動きとなった後、戻り高値を付けて、反転下降を開始する場合、反転下降後の下値の目安は急激から緩やかへと変化するきっかけとなった安値になります。
 価格は一気に目安になる安値まで下げた後、さらに下げ余地があるか、押し目をつけて再上昇を開始するか否かの判定の動きへ入ります。
 ドル・円相場の2011年10月以降の円安の動きは、1990年4月の安値160.35円が下値の目安になる地点だと推測できます。
 2024年7月の安値161.95円が押し目になって反転した動きは、依然として2011年10月以降の円安が続いているのか、円安の流れが止まり、1990年以前から始まっている大勢の円高の流れへ再び突入するのかを確認する作業になっていると見ることができます。
 2011年10月以降の円安の流れを継続中なら、2024年7月以降の円高の動きは、2022年10月から2023年1月の円高調整と同程度の値幅(24.73円幅)となる137.22円前後で終了して、その後、再び円安方向の動きへ入ると考えられます。
 1990年以前から続く大勢の円高局面を継続中なら、今後は2023年1月の高値127.21円まで円高が進み、2024年7月の安値を中心とした押し目底のパターンを作る展開になると考えられます。
 どちらの展開になる場合でも、まだ円高へ向かう余地が残されているので、今後も7月からの円高の流れを継続する公算です。
 過去の値動きを参考にするなら(2023年8月20日の記事を参照)、13日から16日の範囲で現在の円安方向の動きが止まり、再び円高の流れへ入る公算です。
 9月中旬頃までの期間で137.22円前後まで円高が進み、大勢円安なら、9月中旬以降、再び円安方向の動きへ入ると考えられます。
 一方、大勢円高なら、9月中旬以降、再び円高が勢いづいて、10月、11月頃までで一気に127.21円を付ける展開になる公算です。
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