クオールホールディングス---1Qは2ケタ増収、BPO事業・製薬事業が好調に推移
クオールホールディングス<3034>は2日、2025年3月期第1四半期(24年4月-6月)連結決算を発表した。売上高が前年同期比40.6%増の610.36億円、営業利益が同55.6%増の29.15億円、経常利益が同52.9%増の29.66億円、親会社株主に帰属する四半期純利益が同16.6%減の8.43億円となった。
薬局事業の売上高は前年同期比3.9%増の410.81億円、営業利益は同32.7%減の16.30億円となった。当第1四半期において、出店状況は、新規出店9店舗、子会社化による取得18店舗の計27店舗増加した一方、閉店により1店舗減少した結果、同事業全体で店舗数は946店舗となった。なお、2024年5月に、調剤薬局18店舗を運営するダイナの株式を取得し、この取得をもって山梨県へ初展開となる。業績については、前期に実施したM&Aや新規出店の寄与と在宅・施設調剤の推進等により、受付回数が増加した一方、仕入れや人件費等の運営コストが増加した。また、調剤報酬改定に伴い6月から技術料単価が上昇している。
BPO事業の売上高は同3.7%増の34.64億円、営業利益は同65.1%増の5.75億円となった。CSO事業においては、MR派遣需要の拡大により、派遣数が増加した。紹介派遣事業においては、特に薬剤師の紹介派遣に関して、営業の業務分業化等の各種取り組みにより、生産性が向上し成約件数が増加している。また、前期より新たに開始した医師・看護師事業についても、着実に進捗している。出版関連事業においては、既存の資材制作事業に加え、コンベンション事業やコンプライアンスサービス事業等が拡大している。
製薬事業の売上高は164.90億円(前年同期は5.15億円の売上高)、営業利益は16.05億円(前年同期は0.21億円の損失)となった。第一三共エスファのグループ化に伴い、更なる成長を目指している。供給状況については、AG製品が中心であることから安定しており、医療機関の新規採用数も増加している。また、2024年6月には、ジェネリック医薬品1成分2品目(ゾニサミド)を新発売した。錠剤への両面インクジェット印刷等、薬剤取り違え防止による薬剤師の負担軽減や、患者の飲み間違い等による医療事故防止のために、製剤・包装表示の工夫を行っている。2022年12月に発売を開始した、新型コロナウイルス抗原検査キット「テガルナ(R)スティックSARS-CoV-2 Ag」においても、新型コロナウイルス感染症の感染再拡大を見据えて、販売促進を引き続き行っていくとしている。
2025年3月期通期の連結業績予想については、売上高が前期比50.0%増の2,700.00億円、営業利益が同80.2%増の150.00億円、経常利益が同64.2%増の152.00億円、親会社株主に帰属する当期純利益が同16.8%増の57.00億円とする期初計画を据え置いている。
《SO》
提供:フィスコ