ナガイレーベ Research Memo(5):「ナガイズム」の下、CSRに取り組む(2)
■事業概要
【社会的責任への取り組み】
(5) 環境
a) 事業を通じた環境負荷低減
ナガイレーベン<7447>製品の多くは枯渇性資源に由来する素材を使用している。繰り返し長く使用できる商品として企画・製造・販売することで、限りある資源の有効活用、環境負荷の低減につながると同社では考えている。具体的には、2005年にISO14001の認証を取得し、原材料の裁断くずを再利用したルーフ材加工などの取り組みを実施している。また、リユーザブル感染対策商品の開発や、病院の手術現場向けにリユース商品「コンペルパック」を開発・販売している。使い捨て材料が多く使われる手術現場に、繰り返し洗濯・減菌して使用できるウェアを提供することで、医療廃棄物の削減を実現している。このほかにも、営業車にハイブリッド車の導入や本社社屋に太陽光発電パネルの設置を行っている。
b) 気候変動問題対応
TCFD(気候関連財務情報開示タスクフォース)に準じた気候変動開示として、気候変動問題に対する緩和と適応の取り組み、機会とリスクの洗い出しなど、シナリオ分析に向けた策定プロセスの実施を予定している。
(6) 社会貢献
a) 感染対策商品を医療機関などに寄付等
新型コロナウイルス感染対策として、再利用可能なリユーザブルマスク(4万枚)、リユーザブルアイソレーションガウン(1万枚)を寄付した。また継続的に医療従事者への応援メッセージを発信するほか、ナースのための詩集を定期発行し、病院や看護師に無料で贈呈している。
b) 障害者雇用支援
2016年9月に障害者の積極的な雇用・促進に貢献した優良事業所として子会社のナガイ白衣工業(株)が選ばれ、厚生労働大臣から表彰を受けた。
c) 災害時支援
SARSやインドネシア大地震、阪神・淡路大震災、東日本大震災、熊本地震、コロナ禍などの災害発生時に、日本看護協会や日本赤十字社を通じた寄付や白衣・マスクの提供、車椅子の寄贈などを実施している。
d) 「未来の授業」に掲載
SDGs(Sustainable Development Goals)の授業に使用される教材として全国の小中学校に配布される「未来の授業」に、同社の取り組みが紹介された。
e) そのほかの支援
国連の食糧支援機関「国連WFP」への支援のほか、「南三陸 復興桜植樹」をサポートしている。日本大震災の津波到達地点に桜を植える活動「海の見える命の森」を、被災地である宮城県南三陸町の有志らと行っている。なお、代表取締役社長の澤登一郎(さわのぼりいちろう)氏が秋田県美郷町産業大使に就任している。このほか、(公財)日本チャリティ協会が普及活動を行っている障がい者支援「パラアート活動」のオフィシャルサポーターを務めている。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 寺島 昇)
《AS》
提供:フィスコ