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5535 ミガロホールディングス

東証P
1,606円
前日比
+44
+2.82%
PTS
-円
業績
単位
100株
PER PBR 利回り 信用倍率
18.1 2.13 1.74 11.44
時価総額 236億円
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ミガロHD Research Memo(3):DX不動産事業で培ったノウハウをDX推進事業で横展開


■ミガロホールディングス<5535>の事業概要

1. DX推進事業
DX推進事業では、グループ会社を通じて様々な業界向けにDX支援を行っている。顔認証プラットフォーム「FreeiD(フリード)」の展開によるスマートシティAI顔認証事業と、主に「Salesforce」や「Amazon Web Services」を扱っている生成AI/クラウドインテグレーション事業を展開している。顔認証プラットフォームサービス「FreeiD」は、マンションやオフィスの利便性向上とセキュリティの向上、保育園や娯楽施設の安心安全な入退室管理と職員の業務効率化、無人店舗や飲食店の決済機能など、社会の様々な分野への導入拡大が期待されており、競合との差別化と高付加価値化を担う重要な事業であると言える。

同社のDXを支えるIT人員については、役職員423名(2024年3月期末時点)のうち約55%がエンジニア等のIT人員であり、四半期ごとの人員数は増加を続けている。人材確保は新卒採用とM&Aを基本戦略としており、売り手市場である中途採用と比較して、採用コストを圧倒的に抑えられる。DX推進事業は、エンジニア数が売上に直結する領域であるため、同社のIT人員数は今後の事業成長に資するものと弊社では見ている。

2. DX不動産事業
DX不動産事業では、投資用不動産の売買・貸借・管理を通じて顧客の資産形成をサポートしている。開発販売から入居管理、売却相談まで一気通貫型の賃貸管理体制を構築しており、Webマーケティングによる集客支援やAI査定・営業支援システムの最適化といったDXにより生産性向上に取り組んでいる。また、DX技術を活用した不動産投資の小口化による投資家の活性化と顧客資産の有効活用にも取り組んでおり、代表的なサービスとして不動産投資型クラウドファンディング「Rimple」がある。従来の不動産投資では、投資家1名でマンションを購入・運用するのが基本であったが、クラウドファンディングでは、複数名の投資家がマンションに共同出資して運用する。約5,000万円から1億円のファンドを月に2本程度、3%前後の利回りで出資を募っており、1口1万円から投資できる。不動産投資に興味はあるが高額で手を出せないという顧客層にとって、手軽で最適な選択肢となる。対象となる物件は、同社が不動産投資物件を開発してきた実績・ノウハウに基づき選定しているため、信頼性と安全性が担保されている。そのほかにもリアルエステートコインの運用を行っており、他社のサービスで獲得したポイントを「Rimple」内で使用できるリアルエステートコインに交換して投資することができる。

また、2021年に国内で初めてとなる「オール顔認証マンション※」を竣工。以降、自社開発のすべてのマンションにグループ会社DXYZの展開する顔認証プラットフォーム「FreeiD」を標準採用している。エントランス、駐車場などの共用部から、宅配ボックス、メールボックス、エレベーター、住戸ドアに至る専有部まで、すべて顔認証で開錠できる「オール顔認証マンション」は、他社との差別化要因となっている。

※2021年竣工「クレイシアIDZ学芸大学」(同社調べ)


3. 同社の強み
同社の強みは、単なる不動産企業ではなく総合DX企業グループである点が挙げられる。祖業であるDX不動産事業では、都心を中心に投資用の新築・中古マンション、居住用新築マンション、投資用アパートの販売を行い、同社の安定的な収益を下支えしている。DX推進事業ではこれまでに培ってきたCRMやシステム導入ノウハウを外販事業化しているほか、不動産クラウドファンディングや顔認証などの拡張性を持ったデジタルサービスを展開している点に強みがある。不動産購入の見込み客を不動産クラウドファンディング「Rimple」など顧客ニーズに合わせたプラットフォームで集客するなど、DXを生かしたマーケティングを活用することで、ミガログループDX不動産経済圏を構築し競争優位性を確立した。また、従来の不動産に「顔認証」という顧客ニーズを捉えた新たな付加価値をつけることで価値向上と差別化を実現している。

マンションのエントランスだけ顔認証で開錠可能なサービスを提供する事業者は存在するが、同社のように、エントランス、駐車場などの共用部から宅配ボックス、メールボックス、エレベーター、住戸ドアに至る専用部まで、すべて顔認証で開錠可能なサービスをトータルで提供できるのは現時点で同社のみである。また、同社はデベロッパーとして蓄積してきたノウハウを基に、安全性と精度を兼ね備えた顔認証システムを提供できる。加えて、顔認証IDの発行やトラブルへの適切な対処、さらにはシステム導入時のコスト削減なども実現している。さらに同社は、DXという言葉がまだ浸透していなかった2018年半ばからDXを活用した独自のサービスの特許申請を進めており、2019年以降は顔認証や顔認証のマンション、顔認証プラットフォーム関連の特許を次々と取得し、同社のノウハウと技術により他社の容易な参入を許さない仕組みを作り上げた。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 茂木稜司)

《SO》

 提供:フィスコ

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