天昇電 Research Memo(6):自己資本比率は33.1%へ改善し、フリーキャッシュ・フローも均衡圏
■天昇電気工業<6776>の業績動向
2. 財務状況とキャッシュ・フローの状況
2024年3月期末の財務状況は次のとおり。流動資産は12,762百万円(前期末比320百万円減)となった。主要項目では現金及び預金が前期末比312百万円減、受取手形及び売掛金(電子記録債権含む)が同50百万円増、たな卸資産が同130百万円増となったことによる。固定資産は15,189百万円(同713百万円増)となった。内訳は有形固定資産が同503百万円、無形固定資産が74百万円、投資その他の資産が同135百万円とそれぞれ増加したことによる。この結果、資産合計は27,951百万円(同392百万円増)となった。
流動負債は10,155百万円(同950百万円減)となった。主な変動要因は、仕入債務(電子記録債務含む)の減少407百万円、1年内返済予定の長期借入金の増加211百万円、未払金の減少1,092百万円である。固定負債は6,865百万円(同66百万円減)となった。主に長期借入金の減少356百万円、リース債務の増加307百万円による。純資産は10,930百万円(同1,409百万円増)となった。主に親会社株主に帰属する当期純利益の計上による利益剰余金の増加898百万円、為替換算調整勘定の増加297百万円などによる。この結果、2024年3月期末の自己資本比率は33.1%となり、前期末の28.8%から4.3ポイント上昇した。財務内容は着実に改善しつつあると言える。
また2024年3月期末の営業活動によるキャッシュ・フローは2,634百万円の収入となった。主な収入は税金等調整前当期純利益の計上1,417百万円、減価償却費2,233百万円で、主な支出は売上債権の増加6百万円、たな卸資産の増加89百万円、仕入債務の減少460百万円であった。投資活動によるキャッシュ・フローは、2,688百万円の支出となった。主な支出は有形固定資産の取得による支出2,733百万円による。財務活動によるキャッシュ・フローは、622百万円の支出となった。主な支出は長期借入金の減少381百万円、リース債務の返済189百万円であった。この結果、現金及び現金同等物は312百万円減少し、2024年3月期末の残高は5,258百万円となった。
以上から、フリーキャッシュ・フロー(=営業活動によるキャッシュ・フロー-投資活動によるキャッシュ・フロー)は54百万円減(前期は1,529百万円減)となり、ほぼ均衡圏となった。今後の設備投資は通常レベルに戻る予定であることから、フリーキャッシュ・フローは早晩黒字化するものと思われる。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 寺島 昇)
《SO》
提供:フィスコ