貸借
証券取引所が指定する制度信用銘柄のうち、買建(信用買い)と売建(信用売り)の両方ができる銘柄
日経平均株価の構成銘柄。同指数に連動するETFなどファンドの売買から影響を受ける側面がある
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8316 三井住友FG

東証P
3,645.0円
前日比
-39.0
-1.06%
PTS
3,641.1円
14:18 12/18
業績
単位
100株
PER PBR 利回り 信用倍率
12.3 0.96 3.29 11.10
時価総額 143,049億円
比較される銘柄
三菱UFJ, 
みずほFG, 
ゆうちょ銀

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【北浜流一郎のズバリ株先見!】 ─ 難局乗り切りへ企業価値の向上力にフォーカス!


「難局乗り切りへ企業価値の向上力にフォーカス!」

●期待外れの6月相場、新NISA主力株も失速

 6月相場も間もなく終わる。まだ一週間残しているので月間の正確な騰落率は算出できないのだが、これまでのところは正直、期待外れの動きだ。月初に3万8734円だった日経平均株価は、21日は3万8596円で終えた。月初めよりわずかに下げた水準で、今週140円ほど株価が上がれば、月足は陽線で終えることになる。そして、そうなる可能性は十分ある。

 しかし、140円、いや300円ほど上げたところで1カ月のパフォーマンスとしては物足りない。5月までに一巡した3月期決算企業の多くは増収増益予想であったのだから、個々の銘柄、そして日経平均株価も力強く上昇して当然ともいえたからだ。しかし、残念ながらそうはならずに、6月相場は保ち合いのまま月を終える可能性が高い。

 米国市場でエヌビディア<NVDA>の時価総額が世界首位へと躍進し、「エヌビディア株祭り」状態になった時も、東京市場はそれについて行けず、梅雨模様が続いてしまった。

 その要因としては、後講釈的には次のようなものがある。

(1)米国の金利が下がらず、利下げ後退観測が強い
(2)日本の金利がなかなか上がらない
(3)その結果、円安が止まらない
(4)フランス政局が極右政党の躍進により混乱に陥っている
(5)その結果、欧州系投資家が日本株への投資を手控えている
(6)回復基調だった上海市場が6月に入り下げ続けている

 他にもあるかもしれないが、ともかく以上のようなネガティブ材料が山積し、これらが総合して東京市場の足を引っ張っていることになる。こんな状況にあるため、年初に人気を集めた新NISA(少額投資非課税制度)成長枠投資の対象となった人気銘柄群も、芳しい動きではない。

 年初多くの投資家の期待を集めて買われたのは、JT <2914> [東証P]、NTT <9432> [東証P]、三菱商事 <8058> [東証P]、アステラス製薬 <4503> [東証P]、トヨタ自動車 <7203> [東証P]、武田薬品工業 <4502> [東証P]、三菱UFJフィナンシャル・グループ <8306> [東証P]、三井住友フィナンシャルグループ <8316> [東証P]、日本製鉄 <5401> [東証P]、SBIホールディングス <8473> [東証P]など。

このうち、最強と見られていたJT株が6月12日以降、失速してしまっている。昨年の25分割で買いやすくなって人気を集めたNTT株も、2月以降ずっと下げ続けてしまっているし、比較的手堅く上昇すると見られていた三菱商事株も6月に入って失速した。自動車販売台数世界一で期待を集めたトヨタ自動車株も、認証不正発覚でこれまた下落が止まらない状態にある。

●くら寿司、TDK、大日精化などが魅力的

東京市場を代表する銘柄がこんなことになっている事実は、スルーするわけにいかず、投資する立場としてはこの難局をどう乗り切るかが問われることになる。私の対処法としては、ただただ安定配当に頼るのではなく、企業価値の向上力(期待値)がアップする銘柄に投資する――この実行がお勧めであり、具体的には次のような銘柄が対象となる。

 まずは、くら寿司 <2695> [東証P]だ。多くの回転寿司チェーンが回転レーンを止めてしまう中、同社はこのシステムを維持している。インバウンド客が回転寿司に興味を持つことを考えると、回転方式を残していることは高く評価でき、株価は続伸が見込める。

 コンデンサーなど電子部品のうち受動部品と呼ばれる製品に強いTDK <6762> [東証P]は、高値圏ながら続伸力は強いと見る。この会社はスマホ向けなど二次電池にも強いが、このほど全固体電池向け新素材を開発したと発表した。蓄電池のエネルギー密度を100倍高められるとのことで、今後の製品化により収益向上が見込め、株価の支援材料となりそうだ。

 合成樹脂着色剤で首位の大日精化工業 <4116> [東証P]も、有望度の高い銘柄になる。自動車用やディスプレー向けなどの着色剤需要が伸びるだけでなく、2027年3月期まで総還元性向40~50%、配当下限100円、加えて工場譲渡益77億円のうち税控除した4割相当額で4期にわたり30円の特別配当を行うというのだ。しかも、自社株買いも考えているというのだから、株主想いの会社ということになる。投資を考えてみてもいいのではないだろうか。

 収益増が継続していても、それが評価されない銘柄もある。その一つが寿スピリッツ <2222> [東証P]。全国のターミナル駅や百貨店、空港売店などで地域限定のお菓子を販売、収益増を続けているにしては、株式市場ではスルーされている。しかし、前述したように主力株が不振である状況の中、その真価が評価される流れに変わることが考えられる。この点から要注目だ。

 最後に、アシックス <7936> [東証P]を。これまで幾度か触れてきた銘柄で、すでに株価は新値水準にあるが、ここで改めて取り上げたい。インバウンド需要が旺盛でシューズ販売の拡大が続いていることに加え、信用取引の買い手と売り手が(売り残33万4100株、買い残32万8100株)とがっぷり四つに組む形で、いわゆる好取組になっているのが興味深い。

2024年6月21日 記

株探ニュース

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