SBSHD Research Memo(5):フリーキャッシュ・フローは3期連続プラスで推移、財務体質の改善が続く
■業績動向
3. 財務状況と経営指標
SBSホールディングス<2384>の2023年12月期末の財務状況について、資産合計は前期末比4,419百万円増加の301,137百万円となった。主な増減要因を見ると、流動資産では現金及び預金が3,005百万円、受取手形、売掛金及び契約資産が3,741百万円それぞれ減少し、棚卸資産が6,849百万円増加した。固定資産は有形固定資産が153百万円減少したほか、のれん及び顧客関連資産等の無形固定資産が1,390百万円減少し、投資その他の資産が1,611百万円増加した。
負債合計は前期末比6,001百万円減少の198,724百万円となった。未払法人税等が3,590百万円増加した一方で、支払手形及び買掛金が7,597百万円、有利子負債が2,501百万円それぞれ減少した。純資産合計は同10,420百万円増加の102,592百万円となった。親会社株主に帰属する当期純利益の計上などにより利益剰余金が7,633百万円増加したほか、その他の包括利益累計額が1,564百万円、非支配株主持分が1,222百万円増加した。
経営指標を見ると、安全性を示す自己資本比率は前期末の23.7%から26.4%に上昇、ネットD/Eレシオは1.01倍から0.90倍に低下するなど、財務体質の改善傾向が続いている。2021年12月期以降は大型投資案件がなく、不動産流動化スキームにより資金効率を高めてきたことで、フリーキャッシュ・フローが3期連続でプラスとなり、財務体質の改善につながった。M&AについてはSBS東芝ロジスティクスのPMIが完了したことで新たな案件の探索準備に入っており、その状況次第ではあるものの、自己資本比率については2025年12月期に30%まで引き上げることを目標に掲げている。
資本収益性についてみると、ROE(自己資本当期利益率)が13.4%、ROIC(投下資本利益率)が6.8%とそれぞれ前期比で低下したものの、ROEについては株主資本コスト(6.6~6.8%)を上回る高いエクイティ・スプレッドを確保しているほか、ROICについてもWACC(加重平均資本コスト、3.5~4.0%)を上回って推移するなど、高い収益性を維持しているものと評価される。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲)
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提供:フィスコ