【特集】利益成長“青天井”銘柄リスト【総集編】第2弾 45社選出 <成長株特集>
SWCC <日足> 「株探」多機能チャートより
今回は14日に配信した総集編 第1弾(時価総額2500億円以上)に続き、14日時点の時価総額が700億円以上2500億円未満の銘柄を対象に、23年10-12月期に四半期ベースの過去最高益を更新し、かつ今期も最高益を見込む、いわゆる利益が“青天井”状況になっている銘柄をリストアップした。
下表では、本決算月にかかわらず、23年10-12月期に経常利益が全四半期ベースの過去最高益を3%以上、上振れて更新した銘柄をピックアップ。さらに、会社側が今期(通期計画)も過去最高益見通しを示している45社を選び出し、10-12月期の過去最高益に対する上振れ率が大きい順に記した。
上振れ率トップとなったのは、あい ホールディングス <3076> [東証P]。23年10-12月期(第2四半期)の経常利益は84億円とこれまでの過去最高を2.9倍も上回って着地。昨年12月に岩崎通信機 <6704> [東証S]を持ち分法適用関連会社化したことに伴い、持ち分法による投資利益が大きく膨らんだことが利益拡大の要因となった。
2位には人工知能(AI)を活用したマーケティングソリューションを提供するAppier Group <4180> [東証P]が入った。10-12月期(第4四半期)はEコマースやデジタルコンテンツ領域の顧客によるプロダクト利用量が増加したうえ、北東アジアや中華圏で新規顧客の獲得が進み、4四半期ぶりの最高益更新を果たした。為替影響が改善したこともプラスに働いた。同時に発表した24年12月期の税引き前利益は前期比88.4%増の20億円と3期連続で過去最高益を更新する見通しだ。
4位に入った電線・ケーブルメーカーのSWCC <5805> [東証P]の10-12月期(第3四半期)は、産業機械向けや国内家電需要は低迷したものの、エネルギー・インフラ事業で建設関連や電力工事関連の高収益案件が集中した。また、コスト上昇分の販売価格への転嫁や原価低減も進展し、売上高、経常利益ともに過去最高を更新した。好調な業績を踏まえ、24年3月期通期の利益見通しと配当予想を上方修正したことも好感され、株価は約26年8ヵ月ぶりの高値圏を快走する展開となっている。
6位にリスト入りした電設資材大手の未来工業 <7931> [東証P]は10-12月期(第3四半期)の経常利益が25億円(前年同期比68.5%増)と実に17年ぶりに過去最高益を塗り替えた。主力の電材及び管材事業と配線器具事業において価格改定を進めたことが収益を押し上げた。併せて、24年3月期通期の10期ぶり経常最高益予想をさらに上乗せするとともに、配当も増額修正した。好決算を受けて、株価は2月26日に上場来高値5570円まで上値を伸ばす場面があった。
9位の昭和産業 <2004> [東証P]は食品事業における製粉、製油、糖質の各カテゴリーで製造コストなどの上昇を踏まえた適正価格での販売を推進し、10-12月期(第3四半期)は3四半期連続の最高益更新を遂げた。業績好調に伴い、24年3月期通期の同利益を従来予想の120億円→160億円に大幅上方修正し、配当も従来計画の70円→80円に増額修正している。
選出リストには値上げに伴う採算向上によって利益を伸ばした企業が目立つ。ニップン <2001> [東証P]、日清オイリオグループ <2602> [東証P]、理研ビタミン <4526> [東証P]といった食品株のほか、接着剤大手のコニシ <4956> [東証P]、船舶用塗料の世界大手である中国塗料 <4617> [東証P]もコスト上昇に対する販売価格への転嫁を進めたことが奏功した。いずれも業績上方修正したことなどが評価され、株価は決算発表後に昨年来高値をつけている。
┌─ 四半期 経常利益 ─┐ ┌── 通期 経常利益 ──┐ 予想
コード 銘柄名 上振れ率 10-12月 過去最高 上振れ率 今期予想 過去最高 PER
<3076> あいHD 193 8409 2873 45.6 15800 10848 8.5
<4180> Appier 89.3 634 335 88.4 2003 1063 81.7 *
<4051> GMO-FG 37.6 483 351 25.0 1392 1114 85.4
<5805> SWCC 34.1 4707 3509 13.5 11800 10393 12.8
<4206> アイカ 29.6 8525 6576 15.4 25500 22088 15.8
<7931> 未来工業 28.7 2506 1947 30.6 6764 5181 15.4
<9229> サンウェルズ 27.8 823 644 140 2738 1140 45.0
<6457> グローリー 27.0 18345 14443 42.6 46000 32267 5.6
<2004> 昭和産 23.5 5579 4516 57.5 16000 10160 9.8
<4956> コニシ 23.1 3436 2792 38.8 11000 7927 15.6
<4617> 中国塗 22.3 4218 3450 10.4 11500 10416 12.6
<2001> ニップン 22.0 8160 6687 45.1 21500 14816 7.6
<7148> FPG 21.9 8595 7049 5.6 19000 17989 12.0
<7283> 愛三工 20.6 6070 5032 20.7 17000 14083 8.5
<2160> ジーエヌアイ 20.4 6236 5181 23.3 15552 12612 20.7 *
<9090> AZ丸和HD 19.2 4522 3793 25.5 15000 11949 19.8
<9744> メイテックG 18.7 5710 4812 5.2 17400 16540 19.2
<6287> サトーHD 18.5 3460 2919 4.8 9500 9068 13.3
<6088> シグマクシス 18.2 1284 1086 28.6 4200 3265 23.3
<9069> センコーHD 18.0 10686 9054 13.6 29700 26151 10.1
<4559> ゼリア新薬 17.7 3949 3355 18.7 9000 7579 13.7
<3962> チェンジHD 17.6 5906 5023 85.6 10970 5911 11.5 *
<9919> 関西フードM 17.3 3166 2698 52.2 8150 5355 20.4
<2602> 日清オイリオ 15.6 7579 6554 20.1 19500 16242 12.1
<9068> 丸全運 15.4 4317 3740 8.8 15000 13781 8.6
<9267> Genky 15.2 2406 2089 20.4 8520 7079 17.7
<8242> H2Oリテイ 15.1 13255 11513 7.1 26000 24272 12.2
<6036> KeePer 15.1 2143 1862 20.7 6602 5470 30.5
<5331> ノリタケ 14.0 4046 3550 7.9 13500 12509 11.0
<9869> 加藤産 12.8 5824 5165 0.1 18520 18501 10.5
<7451> 三菱食品 12.0 10984 9804 23.0 31000 25199 10.7
<9757> 船井総研HD 11.3 2326 2089 7.6 7900 7343 20.7
<2154> オープンUP 11.3 4550 4087 6.1 13900 13103 16.1 *
<1885> 東亜建 11.3 5664 5090 25.7 15100 12013 10.2
<9037> ハマキョウ 9.9 4083 3716 4.0 12800 12306 9.1
<3950> ザ・パック 9.8 3336 3039 4.2 8400 8063 10.7
<8771> イー・ギャラ 8.5 1292 1191 15.8 4900 4231 27.5
<7071> アンビスHD 7.2 2577 2404 20.7 10309 8541 32.2
<9025> 鴻池運輸 6.9 4738 4433 16.2 16600 14281 10.1
<4526> 理ビタ 5.9 3176 2998 25.6 9700 7723 9.7
<4373> シンプレクス 4.7 2360 2254 18.8 8667 7298 28.0 *
<7552> ハピネット 4.1 3056 2935 38.8 8600 6194 10.5
<8014> 蝶理 3.9 4174 4016 12.6 14000 12437 8.7
<6544> Jエレベータ 3.6 1767 1705 29.4 6600 5100 52.7
<7105> ロジスネクス 3.1 11788 11431 192 40000 13714 6.1
※ 2023年1月以降に上場した企業と今期見通しを開示していない企業は除いた。四半期の過去最高益は原則、四半期決算の開示が本格化した03年4-6月期以降の業績に基づいたものです。
※過去最高益は同一会計基準内が対象。「*」は国際会計基準を採用する銘柄。通期の経常利益予想が1億円未満の企業は除いた。
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