36000円を挟んだ狭いレンジでの推移【クロージング】
1日の日経平均は4日ぶりに反落。275.25円安の36011.46円(出来高概算17億7000万株)で取引を終えた。米連邦公開市場委員会(FOMC)を受けた前日の米国株の下落を映して、値がさハイテク株などを中心に売りが先行。日経平均は36000円を挟んだこう着が続くなか、後場中盤には35924.60円まで水準を切り下げた。また、円相場が一時1ドル146円台半ばへと円高が進んだため、輸出関連企業への重荷となった。ただ、心理的な節目の36000円を下回ってくると、押し目を拾う動きもみられ、こう着感の強い展開が続いた。
東証プライムの騰落銘柄は、値下がり銘柄が1100を超え、全体の7割近くを占めた。セクター別では、空運、証券商品先物、陸運など8業種が上昇、一方、保険、ゴム製品、機械、輸送用機器など25業種が下落した。指数インパクトの大きいところでは、TDK<6762>、アドバンテス<6857>、第一三共<4568>、日東電工<6988>が堅調だった半面、ファーストリテ<9983>、レーザーテック<6920>、エムスリー<2413>、東エレク<8035>、ファナック<6954>が軟調だった。
注目のFOMCでは、大方の予想通り政策金利の据え置きが決まったが、その後のパウエル米連邦準備制度理事会(FRB)議長の会見で、早期の利下げを牽制する発言が出た。これを受け、米国の主要株価指数は下落。なかでもナスダック指数が2.23%安、SOX指数が1.37%安のなか、東京市場にも波及した。ただ、TDKや日立<6501>など好業績銘柄への資金シフトは続いており、積極的に下値を攻める状況にはならなかった。
日米の中銀イベントを通過したことで、新規材料待ちのムードが拡がりやすく、投資家の目線は再び企業業績に移っていくことになるだろう。足元でテック企業に市場予想に届かず、先行きの業績懸念が台頭する企業が目立つように感じる。来週末にかけて決算発表が本格化するだけに、業績動向を確認したいところだ。このため、目先的には36000円台での値固めと位置づけ、次の相場上昇に向けた準備期間と捉えたい。
《CS》
提供:フィスコ