貸借
証券取引所が指定する制度信用銘柄のうち、買建(信用買い)と売建(信用売り)の両方ができる銘柄
日経平均株価の構成銘柄。同指数に連動するETFなどファンドの売買から影響を受ける側面がある
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8316 三井住友FG

東証P
3,663.0円
前日比
+64.0
+1.78%
PTS
3,673円
00:57 11/23
業績
単位
100株
PER PBR 利回り 信用倍率
12.4 0.97 3.28 12.48
時価総額 143,756億円
比較される銘柄
三菱UFJ, 
みずほFG, 
ゆうちょ銀

銘柄ニュース

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23年に含み損が最大の銘柄のトップは「ニ」で始まる、では含み益は?

24年の日本株戦略はこれだ(データ分析編~その1)

真弓重孝、高山英聖(株探編集部)

個人投資家は2024年の相場をどのよう見ているのか。
キャピタルゲインやインカムゲインで期待する銘柄はなにか。
そして使い勝手が改善された新NISA(少額投資非課税制度)は、どのように利用するのか。

これらを探るため『株探』編集部は、個人投資家にアンケート*を実施し、約3300人から回答データを得た。その中身を、これから3回に分けて、紹介する。

*アンケート名は「調査!24年の日本株戦略」。実施期間は2023年11月27日から12月10日。アンケートの告知は『株探』および兄弟サイト『みんなの株式』のウェブサイト、メールマガジン、公式ツイッター、公式フェイスブック等で実施。

億り人は全体の2.7%、上級者は8.8%

初回は、23年の運用成績や、含み益そして含み損の大きい銘柄などについて見ていく。株式投資は先の先を読み解くゲームだが、先を見るにも、まず現状を正しく理解することは欠かせない。

自分の状況をより正しく理解する一助としてもらうために、全回答者のデータを、億り人と上級者と比較しながら読み進められるようにした。

なお億り人は日本株の運用資産が1億円以上の人で、全回答者の2.7%にあたる89人となり、上級者は同じく8.8%の288人になる。

上級者とそれ以外のレベルの定義は、下の表に示しているように、投資に必要な知識、投資法の完成度、満足いく成果を上げているかなどの状況で回答者が選択した分類で分けている。

では、23年の運用成績から見ていこう。

■日本株投資のレベル別の定義と回答割合
レベル知識投資法成果割合
初心者×――17%
初級者――37%
中級者32%
上級者9%
注:回答は3273。上記の選択肢以外に「その他」が5%

■日本株の運用額の動向
順位全体割合上級者割合億り人割合
1位100万円~300万円未満18.8%5000万円~1億円未満19.4%1億円~3億円未満82.0%
2位500万円~1000万円未満17.2%3000万円~5000万円未満18.4%3億円~5億円未満7.9%
3位1000万円~2000万円未満14.8%1億円~3億円未満13.5%10億円以上5.6%
4位300万円~500万円未満14.1%1000万円~2000万円未満12.8%5億円~10億円未満4.5%
5位100万円未満13.4%2000万円~3000万円未満12.5%
6位2000万円~3000万円未満6.8%500万円~1000万円未満7.3%
7位3000万円~5000万円未満6.6%300万円~500万円未満5.2%
8位5000万円~1億円未満5.0%100万円未満3.1%
9位1億円~3億円未満2.2%100万円~300万円未満2.8%
10位不明0.6%3億円~5億円未満2.1%
11位3億円~5億円未満0.2%5億円~10億円未満1.4%
12位10億円以上0.2%10億円以上0.7%
13位5億円~10億円未満0.1%不明0.7%
注:回答は左から順に3273、288、89

約70%の投資家が儲かる中で、億り人と上級者はほぼ全員がリターン獲得

まず、運用成績は全体では68.4%が「利益・含み益」があるとの回答だった。その中で、億り人と上級者は、ほぼ全員がリターンを手にしている状況だった。

■2023年の運用成績の動向
順位全体割合上級者割合億り人割合
1位利益・含み益68.4%利益・含み益97.6%利益・含み益97.8%
2位損失・含み損29.5%損失・含み損2.1%損失・含み損2.2%
3位不明2.2%不明0.3%
注:回答は左から順に3273、288、89

絶好調の背景にあるのが、良好な相場環境。23年の日経平均株価とTOPIX(東証株価指数)は、2000年以降で3番目の上昇率を見せた。

この上昇相場の波を、上級者も億り人もほぼ全員が乗りこなすことができた。

■日経平均株価とTOPIXの年間騰落率のトップ10(2000年以降)
順位日経平均TOPIX
騰落率騰落率
1位201356.7%201351.5%
2位0540.2%0543.5%
3位2328.2%2325.1%
4位0324.5%0323.8%
5位1222.9%1719.7%
6位1719.1%1218.0%
7位0919.0%1915.2%
8位1918.2%2110.4%
9位2016.0%0410.2%
10位159.1%159.9%


上級者も億り人も、市場平均をアウトパフォームする

では、23年に勝っていると回答した人は、どれくらいの上昇率だったのか。逆に負けている人は、どれくらいの凹みとなっているのか。

まず上昇率は、以下のようになる。全体・上級者・億り人とも、日経平均やTOPIXの年間騰落率の範囲にある「10%~30%」が最も多い。ただ2位と3位の上昇率が、全体と上級者・億り人と異なった。

全体の2位は「5%~10%未満」と市場平均をアンダーパフォームしたのに対して、上級者・億り人の2位は「30%~50%未満」で市場平均をアウトパフォームしている。

上級者と億り人の場合、日経平均とTOPIXの年間騰落率を上回る「30%以上のリターン」を上げた人は、どちらも4割近くになる。一方、全体では、2割に満たない水準にとどまった。

■23年のプラスパフォーマンスの動向
順位全体割合上級者割合億り人割合
1位10%~30%未満43.3%10%~30%未満49.5%10%~30%未満44.8%
2位5%~10%未満24.0%30%~50%未満24.6%30%~50%未満20.7%
3位5%未満12.5%5%~10%未満7.5%5%~10%未満10.3%
4位30%~50%未満11.9%50%~80%未満7.1%5%未満5.7%
5位50%~80%未満3.0%2倍~5倍未満3.9%80%~100%未満5.7%
6位不明2.5%80%~100%未満3.6%50%~80%未満4.6%
7位80%~100%未満1.4%5%未満2.8%2倍~5倍未満4.6%
8位2倍~5倍未満1.1%不明0.7%不明2.3%
9位5倍~10倍未満0.2%5倍~10倍未満0.4%5倍~10倍未満1.1%
10位10倍~20倍未満――10倍~20倍未満――10倍~20倍未満――
11位20倍以上――20倍以上――20倍以上――
注:回答は左から順に2238、281、87

下落率は以下のようになる。

■23年のマイナスパフォーマンスの動向
順位全体割合上級者割合億り人割合
1位▲10%~▲30%未満32.2%▲10%~▲30%未満50.0%▲5%~▲10%未満50.0%
2位▲5%~▲10%未満27.9%▲5%未満16.7%▲10%~▲30%未満50.0%
3位▲5%未満17.6%▲30%~▲50%未満16.7%▲5%未満――
4位▲30%~▲50%未満11.5%不明16.7%▲30%~▲50%未満――
5位▲50%~▲80%未満4.1%▲5%~▲10%未満0.0%▲50%~▲80%未満――
6位不明3.6%▲50%~▲80%未満0.0%▲80%~▲100%――
7位元本を超える減少2.1%▲80%~▲100%――元本を超える減少――
8位▲80%~▲100%0.9%元本を超える減少――不明――
注:回答は左から順に964、6、2

上級者・億り人の4割超が「バリュー」重視

この差はどこから生まれたのか。その参考になるのが、

「投資戦略」
「投資対象の銘柄サイズ」
「平均的な保有期間」

――のデータになる。なお、銘柄サイズと保有期間の区分は下記の通り。

■銘柄サイズと区分の定義
サイズ時価総額区分期間
超大型株1兆円以上超長期3年以上
大型株3000億円~1兆円未満長期1年以上~3年未満
中大型株1000億円~3000億円未満中長期3カ月以上~1年未満
中型株300億円~1000億円未満中期1カ月以上~3カ月未満
小型株100億円~300億円未満中短期1週間以上~1カ月未満
超小型株100億円未満短期1日以上~1週間未満
超短期1日未満


まず投資戦略を見ると、3カテゴリーとも「バリュー」がトップで、次に「グロース」、3位が「不定」、4位が「テクニカル・需給」の順番は同じだった。

顕著な違いは、トップのバリュー派の割合。全体では30%強だが、上級者と億り人は40%を超えている。

■投資戦略
順位全体割合上級者割合億り人割合
1位バリュー31.9%バリュー45.8%バリュー42.7%
2位グロース26.6%グロース22.9%グロース23.6%
3位不定13.5%不定8.3%不定19.1%
4位テクニカル・需給13.2%テクニカル・需給7.3%テクニカル・需給6.7%
5位株主優待狙い6.3%株主優待狙い6.9%その他3.4%
6位テーマ3.9%その他3.8%テーマ2.2%
7位その他2.3%テーマ3.5%株主優待狙い2.2%
8位イベント1.2%イベント1.0%イベント―― 
9位オプション・先物0.6%オプション・先物0.3%オプション・先物――
10位不明0.5%不明――不明――
注:回答は左から順に3273、288、89

次に投資対象にする銘柄サイズを見ると、3カテゴリーとも「大型株」がトップ2以内に入っている点で共通しているが、その割合が違う。全体と比べると、上級者と億り人が多くなっている。

■投資対象の銘柄サイズ
順位全体割合上級者割合億り人割合
1位大型株28.5%大型株39.9%不定37.1%
2位不定28.0%超大型株29.5%大型株34.8%
3位中型株27.1%中型株24.3%超大型株24.7%
4位小型株22.7%不定24.3%中型株21.3%
5位中大型株21.8%中大型株19.8%小型株15.7%
6位超大型株15.9%小型株14.9%中大型株12.4%
7位超小型株4.6%超小型株3.1%超小型株2.2%
8位不明0.9%不明――不明0.0%

注:回答は左から順に4893、449、132。回答は2つまで。割合は回答人数ベース
訂正:上記の表で「億り人」について集計ミスが判明したため、表と関連する文章を修正しました。


保有期間は、投資戦略や銘柄サイズと比べて、より差が鮮明になった。上級者と億り人は1位「超長期」、2位「長期」で共通し、どちらも両方を合わせた割合は80%を超えている。

これに対して全体については、1位は「長期」だが、その割合は30%未満に留まり、「超長期」は3位で割合は20%強となっている。長期と超長期の割合の合計も50%を超える程度になっている。

■平均的な保有期間
順位全体割合上級者割合億り人割合
1位長期29.3%超長期47.9%超長期43.8%
2位中長期28.7%長期36.5%長期31.5%
3位超長期23.6%中長期20.5%不定23.6%
4位中期17.8%不定14.2%中長期16.9%
5位中短期16.7%中期8.7%短期9.0%
6位短期12.7%短期8.3%中短期9.0%
7位不定12.7%中短期6.9%中期9.0%
8位超短期4.6%超短期2.4%超短期2.2%
9位不明0.2%不明――不明――
注:回答は左から順に4788、419、129。回答は2つまで。割合は回答人数ベース

上級者と億り人は、「バリュー」「大型株」「長期保有」の割合が高かったことが、先に見たパフォーマンスの違いをもたらした可能性がある。

これは、23年の日本株市場をTOPIXのスタイル別指数で見ると、大型&バリュー優位の展開だったことと一致する。上級者と億り人は、この波にうまく乗れたことが、高パフォーマンスを上げる原動力となった可能性がある。

■23年のTOPIXのスタイル別パフォーマンス
【タイトル】
出所:QUICK・ファクトセット

上級者・億り人の基本データ、そして含み損益の大きい銘柄は?

最後に、回答時点での含み益および含み損の最大の銘柄を紹介する。その一覧表は、次から示す回答者の属性情報の後に掲載している。

■年齢
順位全体割合上級者割合億り人割合
1位50代26.4%60代28.8%60代29.2%
2位60代26.2%50代28.5%50代28.1%
3位40代18.8%70代以上25.3%70代以上24.7%
4位70代以上16.7%40代11.8%40代13.5%
5位30代9.3%30代4.2%30代3.4%
6位20代2.5%10代0.7%10代1.1%
7位10代0.2%20代0.7%20代――
注:回答は左から順に3273、288、89

■性別
順位全体割合上級者割合億り人割合
1位男性87.0%男性94.1%男性93.3%
2位女性12.7%女性5.9%女性6.7%
3位その他0.3%その他――その他――
注:回答は左から順に3273、288、89

■職業
順位全体割合上級者割合億り人割合
1位会社員等41.4%会社員等48.1%会社員等28.1%
2位定年退職後22.5%定年退職後48.1%定年退職後28.1%
3位自営業10.9%会社役員等15.3%専業投資家13.5%
4位パート・派遣社員等6.5%自営業11.6%会社役員等9.0%
5位会社役員等5.8%専業投資家9.5%自営業9.0%
6位専業主婦・主夫3.7%パート・派遣社員等7.9%専門職3.4%
7位専門職2.8%専門職3.7%専業主婦・主夫3.4%
8位専業投資家2.4%専業主婦・主夫3.7%パート・派遣社員等2.2%
9位その他2.0%その他2.6%その他2.2%
10位求職中1.1%学生1.1%学生1.1%
11位学生0.7%求職中0.5%求職中――
注:回答数は左から順に3273、288、89

含み益と含み損が最大の銘柄のランキングは

含み益の大きい銘柄のトップ5は、三菱UFJフィナンシャル・グループ<8306>、日本たばこ産業<2914>、トヨタ自動車<7203>、三菱商事<8058>、レーザーテック<6920>となった。

トップ10で見ても、レーザーテック<6920>を除くと、バリュー系銘柄で、配当利回りが高水準の銘柄が占めた。

一方の含み損の大きい銘柄の上位5はニデック<6594>、ソシオネクスト<6526>、日本M&Aセンターホールディングス<2127>、エムスリー<2413、楽天グループ<4755>と、グロースないしは時価総額がそれほど大きくない銘柄が多く、また業績がさえない銘柄が多くなっている。

上級者と億り人の含み損益の銘柄については、次ページの株探プレミアム会員専用ページで閲覧可能となっている。

次回は2024年の日本株市場の見通しと攻め方、キャピタルゲインやインカムゲインの期待値が高い銘柄ランキングを紹介する。

■含み益(左)と含み損が最大の銘柄ランキング(30位以内)
順位銘柄名<コード>順位銘柄名<コード>
1位三菱UFJ<8306>1位ニデック<6594>
2位JT<2914>2位ソシオネクス<6526>
3位トヨタ<7203>3位日本M&A<2127>
4位三菱商<8058>4位エムスリー<2413>
5位レーザーテク<6920>5位アステラス<4503>
6位INPEX<1605>6位楽天グループ<4755>
7位三井住友FG<8316>7位Aバランス<3856>
8位NTT<9432>7位住友化<4005>
9位丸紅<8002>9位アンジェス<4563>
10位オリックス<8591>9位日産自<7201>
10位三菱HCキャ<8593>11位SBG<9984>
12位イオン<8267>12位QDレーザ<6613>
13位野村マイクロ<6254>12位WSCOPE<6619>
14位伊藤忠<8001>14位ヤクルト<2267>
15位トリドール<3397>14位IHI<7013>
15位カバー<5253>16位円谷フィHD<2767>
15位三井物<8031>17位INPEX<1605>
18位海帆<3133>17位CAICAD<2315>
18位信越化<4063>17位ライオン<4912>
18位三菱重<7011>17位レーザーテク<6920>
18位ゼンショHD<7550>21位ミンカブ<4436>
22位OLC<4661>21位サイバー<4751>
23位霞ヶ関C<3498>21位神戸鋼<5406>
23位日本製鉄<5401>21位ホンダ<7267>
23位東京海上<8766>21位NTT<9432>
26位ソシオネクス<6526>26位フロンテオ<2158>
26位ルネサス<6723>26位ギグワークス<2375>
26位スクリン<7735>26位Eインフィニ<7692>
26位郵船<9101>29位モノタロウ<3064>
30位みずほFG<8411>29位チェンジHD<3962>
注:回答数は左から3022、2981

※当該情報は、一般情報の提供を目的としたものであり、有価証券その他の金融商品に関する助言または推奨を行うものではありません。



 

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