トリプルアイズ Research Memo(9):既存事業の回復に加え、買収したゼロフィールドの業績寄与が開始
■今後の見通し
1. 2024年8月期の業績見通し
トリプルアイズ<5026>の2024年8月期の連結業績は、売上高4,045百万円(前期比72.4%増)、営業損失96百万円(前期は269億円の営業損失)、経常損失は86億円(同290百万円の経常損失)、親会社株主に帰属する当期純損失は87百万円(同825百万円の当期純損失)と同社では見込んでいる。部門別に見ると、SI部門の売上高が1,872百万円(同8.8%増)、売上総利益が399百万円(同5.0%増)、AIZE部門の売上高が684百万円(同17.7%増)、売上総利益が211百万円(同22.0%増)と既存事業の業績回復を見込むことに加え、買収したゼロフィールドの新規連結効果が売上高では大きく、新たに設けられたGPU部門の売上高が1,447百万円、売上総利益が620百万円(決算期変更により前期との単純比較はできない)となっている。コロナ禍からの経済正常化に伴い、AIZE部門では成長の踊り場を迎えていると見られ、今後はゼロフィールドの業績動向及び中長期でどうシナジーを発揮するかが同社経営のカギとなるであろう。
2. ゼロフィールド買収による財務インパクト
ゼロフィールドは2023年9月より同社の連結子会社となったため、2024年8月期の期初から決算数値が取り込まれることになる。買収に伴う株式取得価格は1,199百万円、アドバイザリー費用概算額が65百万円であり、買収対価である約12億円は全額が三菱UFJ銀行からの融資により調達された。借入金の返済スケジュールとしては、7年間の3ヵ月毎元金均等弁済となっており、2024年8月期から2030年8月期まで毎年171百万円ずつ返済する計画である。また、ゼロフィールドは従来、2月末決算であったが、同社と決算期を統一し、2024年8月期から8月末決算として連結決算上、取り込まれることとなった。なお、買収に伴うのれん金額及び毎期の償却額については引き続き監査法人と協議中であるため暫定値ではあるが、同社の2024年8月期の業績予想上、のれん償却費として120百万円が織り込まれている。これは借入金の返済期間と同様の7年間での償却期間を想定したものと見られ、バランスシート上ののれん代は840百万円程度を想定しているものと推測される。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 永岡宏樹)
《SI》
提供:フィスコ