昭和産業 Research Memo(2):「ワンストップ型」営業体制で穀物ソリューションの進化を図る
■今後の見通し
昭和産業<2004>の2024年3月期は、売上高360,000百万円(前期比7.4%増)、営業利益7,500百万円(同79.2%増)、経常利益8,600百万円(同31.8%増)、親会社株主に属する当期純利益5,500百万円(同29.3%減)とする期首計画を据え置いた。同社は、高値圏で推移する穀物相場やエネルギー価格は為替などに大きな変動がないという前提で計画を策定しており、現在のところ前期のような急激な変動は生じていないため、5月に発表した業績予想は変更していない。
懸念材料として、同社では今夏の猛暑や台風・豪雨などによる影響を挙げている。特に、アイスクリーム、ビールなどに多く使用される糖化製品については、暑すぎると顧客の需要がアイスクリームやビールから水に向かうため、影響は大きい。また、気候変動が海外の作物の生育に与える影響も懸念される。例えば、2023年10月納品分から価格改定を実施するオリーブオイルは、2023年3月期スペインを中心に気候不順で不作であったが、2024年3月期も降雨不足の影響で2年連続の不作であると見込まれ、生産地価格は市場最高値を更新した。一方、好材料として、今夏久々に開催されている各地での花火大会や音楽フェスティバルなど、イベントが増えていることに加え、インバウンド需要の回復とともに外食需要などの本格的な回復を期待している。さらに2023年4月から改編した「ワンストップ型」営業体制によるソリューション営業力にも注目している。
(執筆:フィスコアナリスト 村瀬智一)
《AS》
提供:フィスコ