前場に注目すべき3つのポイント~個別に決算を評価した物色に向かいやすい~
3日前場の取引では以下の3つのポイントに注目したい。
■個別に決算を評価した物色に向かいやすい
■AGC、23/12下方修正 営業利益1500億円←1900億円
■前場の注目材料:伊藤忠、CTCにTOB、完全子会社へ柔軟な戦略実行加速
■個別に決算を評価した物色に向かいやすい
3日の日本株市場は、売り一巡後の底堅さを見極める相場展開になりそうだ。2日の米国市場はNYダウが348ドル安、ナスダックは310ポイント安だった。格付け会社フィッチ・レーティングスによる米国債の格下げが嫌気され売り優勢の展開。その後も強い雇用関連指標を受けて10年債利回りが年初来で最高水準に達するなど金利上昇に連れ一段安となった。シカゴ日経225先物清算値は、大阪比265円安の32345円。円相場は1ドル143円20銭台で推移している。
シカゴ先物にサヤ寄せする格好から、売り先行で始まることになりそうだ。日経225先物は前日の日中取引で2%を超える下落となり、米国債格下げを織り込む流れだったが、ナイトセッションでも1%超の下げとなっており、リバウンド機運は高まりづらいところだろう。売り方の買い戻しの動きは入りやすいだろうが、買い方は慎重姿勢を崩せないと考えられ、戻りの鈍さが意識される局面においては、改めて短期筋の入り仕掛け的な動きには注意しておきたいところである。
まずは売り一巡後の底堅さを見極めたいところだが、日中は米先物の動向を横目でにらみながらの相場展開になりそうだ。米国が落ち着いた値動きをみせてくるようだと、短期的ではあるが、リバウンドを狙った動きは意識される。ただし、米国では前日の取引終了後に決算を発表し、時間外で5%近く上昇する場面を見せていたAMDは、7%超の下落となっていた。決算が評価される銘柄へも利益確定の売りが強まっており、センチメントを冷ます格好になりそうだ。
昨日は全面安商状のなか、トヨタ<7203>の強い値動きが目立っていた。本日も底堅い値動きが続くようだと、短期資金が集中する可能性はある。また、先物主導によるインデックスに絡んだ商いに振らされやすい需給状況のなか、中小型株などインデックスの影響を受けづらい銘柄などへは、個別に決算を評価した物色に向かいやすいだろう。そのほか、バリュエーション面などで割安感のある銘柄などへの押し目買い意欲は強そうである。
■AGC、23/12下方修正 営業利益1500億円←1900億円
AGC<5201>は2023年12月期業績予想の修正を発表。売上高は2兆1500億円から2兆500億円、営業利益を1900億円から1500億円に下方修正した。コンセンサス(1750億円程度)を下回る修正となった。基礎化学品のカセイソーダや塩化ビニール樹脂の販売価格が当初の想定を下回っている。
■前場の注目材料
・1ドル=143.30-40円
・米国景気は拡大
・日銀は金融緩和を継続
・SUBARU<7270>27―28年めど米でEV生産、電動車に国内外投資1.5兆円
・ダイキン<6367>茨城に空調工場新設、200億円投資
・サントリーBF<2587>豪に清涼飲料の新工場、生産能力増強
・中国電力<9504>関電と、山口・上関町で中間貯蔵施設調査へ
・楽天グループ<4755>オープンAIと協業、最新技術サービス開発
・ニデック<6594>米プレス機周辺装置メーカー3社買収
・伊藤忠<8001>CTCにTOB、完全子会社へ柔軟な戦略実行加速
・三井物産<8031>ショーボンドホールディングスと、米インフラ補修社に出資
・双日<2768>次世代ワクチン新興に出資、治験拠点設立をサポート
・新東工業<6339>5階層で電力ロス把握、分析パッケージ発売
・日揮HD<1963>系統用蓄電池を受注、出光の製油所跡地に設置
・凸版印刷<7911>サステナ事業拡大、軟包装テコに受託5倍
・ENEOS<5020>出光興産など3社、合成燃料の国内生産で協業
・関西電力<9503>スペインの浮体式洋上風力実証プロに参画
☆前場のイベントスケジュール
<国内>
・特になし
<海外>
・10:30 豪・6月貿易収支(予想:+107.50億豪ドル、5月:+117.91億豪ドル)
・10:45 中・7月財新サービス業PMI(予想:52.4、6月:53.9)
《ST》
提供:フィスコ