DDグループ Research Memo(8):2024年2月期も既存店の本格回復により、増収及び大幅な増益を見込む
■業績見通し
1. 2024年2月期の業績見通し
2024年2月期の連結業績予想についてDDグループ<3073>は、売上高を前期比5.8%増の34,092百万円、営業利益を同225.9%増の1,524百万円、経常利益を同78.3%増の1,495百万円、親会社株主に帰属する当期純利益を同28.7%増の1,126百万円と、引き続き増収及び大幅な増益を見込んでいる。
売上高は、引き続きコロナ禍からの本格的な回復が増収に寄与し、既存店売上高全体(通期平均)はコロナ禍前の2020年2月期比80%水準(前期は同72.3%)を想定している。ただ、回復ペースが鈍い2次会需要をターゲットとしているアミューズメント事業の既存店売上高については同75.0%とやや保守的な水準を見込んでいるようだ。なお、既に予算に見込んである通り新型コロナウイルス感染症の軽症者受け入れ施設としての提供(ホテル1棟有償貸し)は2023年5月末に終了したため、「ホテル・不動産事業」はその分がマイナス要因(第2四半期以降)となる。
損益面でも、売上高の回復に加え、これまで取り組んできた原価高騰対策や損益分岐点の引き下げ効果により大幅な増益を見込んでおり、営業利益率も4.5%(2023年2月期は1.4%)に大きく改善する見通しである。
2. 弊社の見方
弊社では、不安定な経済情勢等による影響については引き続き慎重に判断すべきと考えているが、コロナ禍からの回復が本格化してきた現状を踏まえれば、既存店売上高の前提(コロナ禍前の約80%)に無理はないと評価している。また、大幅な増益を見込んでいる利益面についても、これまでのコスト構造改革を通じて収益体質の強化が図られてきたことから、既存店の回復とともに十分に達成可能と見ている。一方、前述のとおり、第2四半期以降、新型コロナウイルス感染症の軽症者向け施設としての提供(ホテル1棟有償貸し)による業績寄与ははく落する(公表予算には見込み済み)。それに伴って四半期業績が一旦停滞するような出方となる可能性もあらかじめ念頭に置くべきであろう。最大の注目点は、新中期経営計画(詳細は後述)の初年度として、コア事業におけるブランド強化に向けた新規出店や業態変更をはじめ、事業領域の拡大に向けた新規事業投資(M&Aを含む)、やDX投資など、将来を見据えた成長投資をどのくらいの規模とタイミングで投入していくのかにある。依然として不確実性が高い環境のなかで、攻めと守りのバランスをいかにとっていくのか、今後の動向を見守りたい。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 柴田郁夫)
《SI》
提供:フィスコ