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【特集】リスキリングで学習熱再燃、「英会話」関連株は株高ジャンプ本番 <株探トップ特集>

「骨太方針2023」にも盛り込まれたリスキリングへの関心が高まっているが、なかでも英会話への学習熱が高い。関連銘柄の裾野も広がっており、市場も活性化している。

―英会話ビジネス関連の新たな企業の上場相次ぐ、関連銘柄の裾野も拡大へ―

 経済産業省は6月20日、リスキリング(学び直し)から転職まで最大56万円を支援する新しい制度を発表した。転職を希望する人が自らのキャリアについて相談する費用や、リスキリング講座の受講、転職支援までを一体的に支援する制度で、その一部の費用を政府が負担する。講座はプログラミングや動画編集、医療・介護などの分野で最大56万円補助されるという。

 リスキリングは、「経済財政運営と改革の基本方針2023」(骨太方針2023)にもその支援が盛り込まれた岸田文雄内閣の重点政策の一つだ。関連銘柄の裾野も広いが、今回はそのなかでも英会話ビジネスに注目したい。小学校から英語学習が始まったことで、親世代の学習熱も高まっており、更なるビジネスチャンスの拡大も期待されている。

●語学スキルへの関心高まる

 数あるリスキリングの分野のなかでも、 英会話への関心は高い。ヒューマンホールディングス <2415> [東証S]が今年4月にリスキリングに取り組む意向がある20~39歳の男女1032人を対象に行った調査によると、リスキリングに取り組んだことのある、またはこれから取り組みたいと思っている分野の1位は「英会話(25.4%)」で、2位の「会計・経理・財務(15.0%)」、3位の「ファイナンシャル・プランニング(14.7%)」を大きく引き離している。同社では業務のグローバル化などに対応し、語学スキルを身に付けることで業務範囲を広げる意識などが強く出た結果とみており、英会話への学び直し熱が高いことがうかがえる結果となった。

●大阪万博開催なども後押し

 英会話熱が高まっている背景には、リスキリングだけではなく、英語教育の早期化もあるといわれている。20年度からはそれまで小学5年生から行われていた英語教育が3年生からとなった。中学・高校生については、6月16日に閣議決定された「教育振興基本計画」で、中学卒業段階で英検3級相当以上、高校卒業段階で英検準2級相当以上の技能を身に付けた生徒の割合を5年後に「6割以上」にするとの目標が掲げられている。特に小学校の英語教育の早期化は、親世代にも刺激を与えており、子育てに忙しいさなかにあってもオンラインなどで英語を学び直す人が増えているという。

 これに加えて、インバウンド需要再拡大の影響で接客業での英会話の必要性が改めて認識されていることや、25年の大阪・関西万博開催なども英会話ビジネス活発化への刺激となっている。オンラインの発達により英会話学習が身近になったこともこれに拍車をかけているようだ。

●英会話ビジネス=「英会話教室」ではない

 「今さら英会話ビジネス」と思われる人もいるかと思うが、株式市場ではここ数年、英会話ビジネス関連の新たな企業の上場が相次いでいることにも注目が必要だ。昨年9月には、英語学習者を支援するコーチングサービスを提供するプログリット <9560> [東証G]が東証グロース市場に上場。今年3月にはビジネス分野に特化したオンライン英会話を展開するビズメイツ <9345> [東証G]が東証グロース市場に上場した。

 直近では6月14日にオンライン英語学習プラットフォームの開発・運営を行うGlobee <5575> [東証G]が東証グロース市場に上場し、公開価格1150円に対して初値は2.3倍の2666円をつけ、その後も順調に上昇している。以前の英会話ビジネス=リアルの「英会話教室」というイメージはもはや通用しなくなり、関連銘柄の裾野は広がり続けている。

ChatGPTを活用した英会話学習も

 関連銘柄では、かつては英会話教室を展開するノヴァやGABAといった企業が上場していたものの、今ではリアルに英会話教室を展開する上場企業は少なくなっている。

 そのうち英会話教室「イーオン」を展開しているのがKDDI <9433> [東証P]で、18年にイーオンホールディングスを買収し教育分野に進出した。現在では中学生以下を対象としたこども英会話やオンライン英会話レッスン、法人向け英語研修サービスなどにも注力している。

 ヒューマンHDは、グループ会社が小・中学生向け英語教室や社会人などに向けたオンライン英会話レッスン「産経オンライン英会話Plus」を展開している。同レッスンは、さまざまなニーズに合わせたカスタマイズが可能で導入企業も多い。

 レアジョブ <6096> [東証P]は、社会人向けオンライン英会話でトップクラス。足もとでは競争激化などもあり、オンライン英会話サービスの需要は縮小しているが、一方で法人向けが順調に伸びており、成長牽引役として期待されている。

 メタリアル <6182> [東証G]は、子会社MATRIXがメタバース空間共有プラットフォーム「どこでもドア」でChatGPTと英会話の練習ができる「AI先生」を公開している。AI相手のため気楽に練習できることなどが特徴で、新しい英会話学習として注目されている。

 全研本社 <7371> [東証G]は、英会話を軸とした語学事業を展開している。なかでも法人向け語学研修事業では、1700社以上の企業や公的機関などに向けてクラス型、eラーニング、オンラインなどさまざまな形態でサービスを提供し、利用者も増加中だ。

 このほか、前述のグロービー、ビズメイツ、プログリットなどにも注目。また、AI通訳機「ポケトーク」を活用した語学学習を提案するソースネクスト <4344> [東証P]、幼児から社会人までを対象としたマンツーマン英語スクールを展開するリソー教育 <4714> [東証P]、オンライン英語学習サービス「Kimini」を展開する学研ホールディングス <9470> [東証P]なども関連銘柄として関心が高い。

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