クリーク・アンド・リバー社---23年2月期は増収・2ケタ増益、過去最高の実績に加え期末配当金の増配を発表
クリーク・アンド・リバー社<4763>は6日、2023年2月期連結決算を発表した。売上高が前期比5.6%増の441.21億円、営業利益が同16.0%増の39.56億円、経常利益が同17.0%増の40.02億円、親会社株主に帰属する四半期純利益が同30.4%増の28.99億円となった。
「収益認識に関する会計基準」(企業会計基準第29号 2020年3月31日)等を当年度の期首から適用しており、2023年2月期に係る各数値については、当該会計基準等を適用した後の数値となっている。なお、対前期増減率は、当該会計基準適用前の2022年2月期と比較している。
クリエイティブ分野(日本)の売上高は前年同期比3.1%増の303.59億円、セグメント利益(営業利益)は同10.9%増の27.49億円となった。映像・TV・映像技術関連分野は、TV局各局の番組制作需要を的確に捉え成長した。また、子会社のウイングは、同社の持つ幅広いネットワークとの融合により業容拡大をはかっている。動画配信サービスへの取り組みについては、YouTubeクリエイターをサポートするMCN「The Online Creators(OC)」が、拡大している他、企業やTV番組のYouTubeチャンネルの企画・開発・運用の受託が増加している。ゲーム分野は、開発スタジオでの制作受託や、IP(知的財産)を活用した自社開発を推進している。XR(VR/AR/MR)への取り組みに関しては、ハードからコンテンツまで一貫したソリューションの開発・販売実績を積み重ねている。Web分野は、Webクリエイティブやデジタルマーケティング、さらにDXにおけるプロフェッショナルのネットワーク拡充をはかっている。出版分野では、電子書籍取次が引き続き順調に増加した他、発掘した漫画家や作家の作品を企画開発・収益化する「漫画LABO」は、累計222タイトル配信までに業容を拡大し、収益モデルの多様化を進めている。建築分野では、一級建築士やBIMエンジニアの紹介等のエージェンシー事業や設計・建築の受託案件が堅調に拡大している。その他、特徴的な賃貸物件プロデュースの「CREATIVE RESIDENCE(R) SERIES」、VR空間で建築家やハウスメーカー、工務店が顧客に住宅をプレゼンテーション・販売できるサービスVR建築展示場「XR EXPO(R)」に加え、2022年11月より住宅展示場プラットフォーム「超建築メタバース」の提供を開始した。新たな分野として、AI等コンピュータサイエンスの技術者や博士号取得者、ライフサイエンスの研究開発者や研究開発補助者、料理人、企業における業務や機能の最高責任者であるCXOのエージェンシー事業等を展開し、今後の成長に繋がる取り組みを積極的に展開している。
クリエイティブ分野(韓国)の売上高は同0.3%減の34.58億円、セグメント損失(営業損失)は0.16億円(前年同期は0.00億円の利益)となった。当年度においては、新型コロナウイルスの感染再拡大等の影響により派遣稼働数が減少したが、事業回復へ向けて体制の再構築を進めている。一方、コンテンツ事業では、デジタルコミック(Webtoon)や動画の独自開発を行ない、収益向上へ繋がる新たな仕組み作りに取り組んでいる。
医療分野の売上高は同18.6%増の52.26億円、セグメント利益(営業利益)は同54.1%増の13.39億円となった。主軸の医師紹介事業は、全国17拠点を通じて医療機関、自治体、企業への医師紹介を行なう他、スポット及び定期非常勤医師のマッチングシステム「民間医局ポータル」の開発と提供により業務の効率化を進める等、長年培った医療業界での経験と信頼を活かし、順調に事業を成長させている。
会計・法曹分野の売上高は同9.4%増の23.06億円、セグメント利益(営業利益)は同34.4%増の1.59億円となった。当年度における業績は、人材紹介事業において、クライアントの管理部門の採用選考遅延や採用計画の見直し等、コロナ禍の影響を強く受けた前年同期の状況から徐々に回復し、登録者及びクライアント双方に対するきめ細やかな対応を徹底することで、前年同期を上回って推移した。
その他の事業の売上高は同16.8%増の27.69億円、セグメント損失(営業損失)は2.75億円(前年同期は0.32億円の損失)となった。当年度における売上高は前年同期を上回って推移したが、セグメント利益は事業拡大に向けた積極的な投資により、前年同期を下回って推移した。
2024年2月期通期の連結業績予想については、売上高が前期比13.3%増の500.00億円、営業利益が同13.7%増の45.00億円、経常利益が同12.4%増の45.00億円、親会社株主に帰属する当期純利益が同3.5%増の30.00億円を見込んでいる。
また、2023年2月期の期末配当金については、業績が順調に推移し、親会社株主に帰属する当期純利益が期初予想を上回ったことを踏まえ、1株当たりの配当金を前回予想より4.0円増配し、27.00円とすることを発表した。
《SI》
提供:フィスコ