タナベ Research Memo(7):2023年3月期業績を上方修正、売上高は過去最高を更新見通し
■今後の見通し
1. 2023年3月期の業績見通し
タナベコンサルティンググループ<9644>の2023年3月期の連結業績は、売上高で前期比10.7%増の11,700百万円、営業利益で同24.1%増の1,150百万円、経常利益で同23.4%増の1,150百万円、親会社株主に帰属する当期純利益で同19.1%増の720百万円と期初計画を上方修正した。売上高は過去最高を連続更新することになる。
国内景気の先行き不透明感が強まっているものの、中期ビジョン策定やDX、人材育成・人事制度改革、M&A等をテーマとした経営コンサルティングニーズは旺盛で、戦略策定(上流)からデジタル技術も駆使した現場におけるマネジメント実装・オペレーション(中流から下流)まで、企業経営を一気通貫で支援できる強みを生かして下期も売上拡大基調が続くものと予想される。通期計画に対する第2四半期までの進捗率は、売上高で46.0%、営業利益で52.3%と直近3年間の平均進捗率(売上高43.4%、営業利益30.0%)※を上回っている。同社の業績はブルーダイアリーの売上が集中する第3四半期がピークとなり、例年は下期偏重型の傾向となるが、2023年3月期においては、第3四半期に65周年記念及び純粋持株会社体制への移行に伴うブランディング・プロモーション投資を合わせて70~80百万円投下する予定となっていること、また、人材投資を積極的に進める計画となっていることから、利益ベースでは下期にやや抑えた計画となっている。
※平均進捗率=直近3期間の上期実績合計÷通期実績合計
なお、2022年10月1日付で純粋持株会社体制に移行し、純粋持株会社となるタナベコンサルティンググループがコーポレート本部機能及び内部監査機能を担い、その事業会社としてタナベコンサルティング、リーディング・ソリューション、グローウィン・パートナーズ、ジェイスリーの4社が事業を展開していく体制となった。持株会社化の目的としては、グループ横断での経営資源の最適配分と効率的活用を行い、シナジーを最大限発揮することで収益を拡大し、グループ企業価値の最大化を図ることにある。現在進行中の中期経営計画(2021~2025)「TCG Future Vision 2030」の目標達成に向けて、今後もM&Aを含めた成長戦略を推進し、東証プライム市場上場企業に求められるトップマネジメント体制の構築、並びに各事業会社における次世代経営者やリーダー人材を育成することで、グループ全体の人的資源価値の向上を図っていく方針だ。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲)
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提供:フィスコ