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【市況】【杉村富生の短期相場観測】 ─パチンコ・パチスロ関連セクターに妙味!

経済評論家 杉村富生

「パチンコ・パチスロ関連セクターに妙味!」

●全般相場は徐々に上値が重い展開に!

 日米両市場ともに、上値が重い展開となっている。日経平均株価の直近の高値は2月6日の2万7821円(ザラバベース)だ。典型的な「節分天井」である。この日は天底のフシ目になりやすい満月だった。ちなみに、1月4日の瞬間安値は2万5661円だ。一気に2160円、8.4%の急騰劇を演じたことになる。

 実は、ファンダメンタルズは何も変わっていない。むしろ、企業業績は下方修正気味だ。では、なぜ? それは需給要因だ。2022年は外国人が現物株、先物を合わせて4兆8770億円売り越したが、今年は2月第1週までに1兆5000億円買い越している。彼らが買えば上がる。単純である。

 ただ、2月第2週以降は動きが鈍っている。やはり、3月決算期末に向けて法人売りが急増しそうなこと、次期日銀総裁(元日銀審議委員の植田和男氏が浮上)の出方を見極めようとのムードの高まりがあると思う。NY市場は連邦債務上限問題(すでに、31兆4000億ドルの上限を突破)を気にしている。2011年の再現が起こるのだろうか。

 12年前もうさぎ年だった。当時の連邦債務の上限は14兆3000億ドルだったが、現在と同じねじれ議会が引き上げを困難にし、連邦政府の窓口閉鎖、米国債格下げ、さらにはデフォルト(債務不履行)寸前に追い込まれた。「Xday」は6~7月らしい。国債の発行が難しくなると、ウクライナ支援に影響する。

●ダイコク電機、アクセルなどを狙う!

 いずれにせよ、FRB(米連邦準備制度理事会)は「利上げをあと2回(3月、5月)やる」とか、「年内の利下げはない」などと言っている場合ではあるまいと考えるが……。危機対応の備えが必要だろう。これは日銀も同じだ。金融政策の転換は5~6月では遅い。3月に道筋をつけるのではないか、との警戒感が台頭している。

 一方、物色面では企業業績(決算数字)に一喜一憂し、株価が乱高下しているものの、決算プレーは最終局面だ。ここからは選別が重要になる。円谷フィールズホールディングス <2767> [東証P]のほか、好決算のイーエムネットジャパン <7036> [東証G]、大阪油化工業 <4124> [東証S]、大栄環境 <9336> [東証P]は狙える。

 ファナック <6954> [東証P]の3月末割当の1対5の株式分割に続いて、東京エレクトロン <8035> [東証P]、ダイフク <6383> [東証P]が1対3の株式分割を行う(3月末割当)。東証が求めている最低売買単位の引き下げとともに、流動性の向上が目的だ。今後、他の超値がさ株(株価1万円以上)が追随するだろう。

 セクター的には「戦後最大」と形容されるパチンコ・パチスロ業界の大改革(スマート化)のメリットを享受する銘柄群がおもしろい。具体的にはダイコク電機 <6430> [東証P]、ゲームカード・ジョイコホールディングス <6249> [東証S]、アクセル <6730> [東証S]、JALCOホールディングス <6625> [東証S]など。

 ダイコク電機の2023年3月期は23.0%増収、71.0%最終増益が見込まれ、1株利益は142.1円となる。配当は10円増の70円とする。ゲームカード・ジョイコホールディングスの2023年3月期は92.2%増収、2.9倍増益の予想だ。1株利益は252.8円である。事業環境を考えると、この好業績が年内は継続すると思う。

2023年2月10 日 記

株探ニュース

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