欧米為替見通し:ドル・円は底堅い値動きか、年末年始の有事に備えドル買い継続
30日の欧米外為市場では、ドル・円は底堅い値動きを予想する。ウクライナ情勢や中国のコロナまん延などリスク要因が意識され、リスク回避の円買いに振れやすい地合いに。一方で、年末年始の有事に備え、安全通貨のドルが選好されそうだ。
前日発表された新規失業保険申請件数は前回よりも弱い市場予想と一致。それを受け米連邦準備制度理事会(FRB)による引き締め長期化観測を背景とした米10年債利回りの上昇は抑制され、ドル売りに振れた。ユーロ・ドルは1.07ドルを目指す展開となり、ドル・円は132円80銭台に失速した。本日アジア市場は年内最後の取引で、明日からの連休に向けリスク回避的な円買いが先行し、ドル・円は132円半ばに値を下げた。
この後の海外市場は年明けまでのリスク要因が警戒される。明日は中国のPMIが発表される予定で、コロナまん延に伴う制限措置の影響が反映される見通し。また、今後の感染拡大による不透明感も深まるだろう。他方、ウクライナ情勢で戦闘の激化も懸念されているため、安全通貨に買いが入りやすい。アジア市場では本邦勢を中心に円買いが優勢となったが、欧米市場では有事に備えドルが買われ、対円でも下げづらい値動きが続くとみる。
【今日の欧米市場の予定】
・19:00 日・外国為替平衡操作の実施状況(11月29日-12月28日)
・21:00 南ア・11月貿易収支(予想:+100億ランド、10月:-43億ランド)
・23:45 米・12月シカゴ購買部協会景気指数(予想:40.0、11月:37.2)
・米債券市場は短縮取引
《FA》
提供:フィスコ