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【特集】わずか0.5%の「10年上昇企業」をランキング、22年の明暗を分けたのは

10年上昇企業~データ編

登場する銘柄
ライト<1926>、新日空調<1952>、テクノ菱和<1965>、日東富士<2003>、ベネ・ワン<2412>、ダイワボHD<3107>、ULSグルプ<3798>、東映アニメ<4816>、ビーエンジ<4828>、ナガワ<9663>

筆者/真弓重孝 = 『株探』編集部・編集統括プロデューサー
ビジネス誌、マネー誌などを経て、2018年4月にみんかぶ(現ミンカブ・ジ・インフォノイド)に入社。現在に至る

2022年も、残すところ数日。すでに投資家の視線は、来る23年の戦略に移っている。

ただ、先の先を読むゲームである株式投資では、来年に限らず再来年さらにはその次と、目先の1年のみならず5年、いや10年先を見据えることも重要になる。

そこで、株探プレミアム編集部は「10年上昇企業」に注目した。彼らは、暦年ベースの年足で、騰落率を10年の間ずっとプラスに保ってきた企業になる。下に示した10社が、その該当企業になる。

■10年上昇銘柄の概要
銘柄名
<コード>
業種企業概要上場市場22年
時価総額
11年末
時価総額
ライト
<1926>
建設業法面吹付け工事大手。地盤改良・薬液注入工事
に強み。耐震補強に注力。
東証
プライム
1063億円244億円
新日空調
<1952>
建設業三井系、空調設備工事会社。原子力空調、微粒子
可視化など独自技術に力。
東証
プライム
456億円105億円
テクノ菱和
<1965>
建設業三菱重系、空調工事中堅。冷熱機器販売も併営。
医薬品工場設備に強み。
東証
スタンダード
204億円92億円
日東富士
<2003>
食料品三菱商事系の製粉準大手。子会社通じ、ケンタッ
キーなど外食FCも注力。
東証
スタンダード
423億円137億円
ベネ・ワン
<2412>
サービス業パソナG系の福利厚生代行サービス会社。官公
庁や企業への健康サポート事業。
東証
プライム
3055億円120億円
ダイワボ
HD<3107>
卸売業祖業は繊維で、現在は情報システムの卸売が収
益の柱。
東証
プライム
1855億円337億円
ULSグルプ
<3798>
情報・通信業ITシステムの設計・構築・コンサルを展開。流
通・製造・情報サービス業向けが中心。
東証
スタンダード
202億円23億円
東映アニメ
<4816>
情報・通信業東映系のアニメ制作老舗。テレビアニメのヒット
作多数。版権収入も収益の柱。
東証
スタンダード
5471億円244億円
ビーエンジ
<4828>
情報・通信業ERP(統合基幹業務システム)の開発、販売。自
社製品の「mcframe」に注力
東証
プライム
286億円22億円
ナガワ
<9663>
サービス業ユニットハウス大手。工事現場の仮設事務所用
レンタル。大型商業施設や倉庫建築も。
東証
プライム
1201億円151億円
出所:QUICK・ファクトセット。注:12月27日終値時点。時価総額は普通株ベース。

計測期間は22年を終えていないことから、2012年末から21年末としている。つまり10年上昇企業は、11年末から年末終値で購入し、翌年末の終値で手仕舞う作業を繰り返せば、10年の間、着実にリターンを積み上げて来られたことになる。

そんな彼らは、希少な存在だ。今回の母集団は2153社。わずか0.5%の存在だ。ちなみにこの期間で、惜しくも10年に届かず、9年のプラス着地となったのは65社だった。その中には神戸物産<3038>やレーザーテック<6920>といった、個人投資家の注目を集めている企業が含まれている。

10年上昇企業の母集団は、以下の条件としている。1つは、期間中に決算期の変更や決算基準を変更していないこと。これは、後ほど触れる、ファンダメンタルズ分析の精度を上げるのと、決算変更イベントが株価にもたらす影響を排除するためだ。

この条件に合致したうえで、東証プロ市場および金融・不動産セクター以外の企業を対象とし、また直近の通期決算で「継続企業の前提」での注記が入っていないことも考慮している。

非製造業が9社、10年前の時価総額はすべて500億円未満、100億円未満も

ここから上の表をベースに10年上昇企業の全体像を確認していこう。まず東証33業種の分類では「建設業」「食料品」「サービス業」「卸売業」「情報・通信業」の5業種のみとなった。また、日東富士<2003>を除くと、非製造業が占めている。

足元の時価総額では、500億円以下の中小型株が5社、1000億円以上の大型株が5社と二極化している。が、起点となる2011年末時点ではすべて500億円以下で、100億円未満の企業も3社あった。

なお、10社とも決算期は3月となっている。

株価モメンタム――1位はベネ・ワン、2位はULSグルプ、10倍株は5社

10社の株価モメンタム(騰勢)を見たのが以下の表になる。ピンクの字で示したTOPIX(東証株価指数)に対してアウトパフォームする回数の大きい順に並べている。同じ10年上昇企業でも、モメンタムに強弱のあることがわかる。

トップのベネフィット・ワン<2412>は10年のすべてにわたり、TOPIX(東証株価指数)をアウトパフォームし、この期間で株価を74倍ほどに引き上げている。そのほか、2位のULSグルプ<3798>、3位の東映アニメーション<4816>、ナガワ<9663>そしてビジネスエンジニアリング<4828>がテンバガー(10倍株)となっている。

一方で、テクノ菱和<1965>のように対TOPIXのアウトパフォームが3回にとどまり、期間騰落率も+126%とTOPIXの+173%に劣後する企業もある。

また東映アニメーション<4816>とナガワ<9663>、そしてビジネスエンジニアリング<4828>とライト工業<1926>は、2021年末まで10年を超えてプラス着地している。

■10年上昇企業の株価モメンタムの概要
21年末まで22年
順位銘柄名<コード>対TOPIX
アウトP
トータル
騰落率
年間平均
騰落率
連続上昇
年数
騰落率
1ベネ・ワン<2412>10回7293%53.8%10年▲61.7%
2ULSグルプ<3798>9回1243%29.7%10年▲33.8%
3東映アニメ<4816>8回1874%34.8%11年15.8%
3ナガワ<9663>8回1131%28.5%12年▲38.6%
3ビーエンジ<4828>8回939%26.4%13年22.3%
6ダイワボHD<3107>6回426%18.1%10年5.3%
6ライト<1926>6回369%16.7%13年▲3.5%
8日東富士<2003>5回160%10.0%10年14.7%
9新日空調<1952>4回476%19.1%10年▲23.0%
10テクノ菱和<1965>3回126%8.5%10年▲1.7%
参考
TOPIX――173%10.6%▲4.7%
母集団 中央値4回112%7.8%▲3.7%
母集団 最頻値4回50%4.1%――
注:12月27日終値時点。アウトPはアウトパフォームの略。並びは対TOPIXアウトPの大きい順。

ここで気になるのが、表の右端に示した22年の年間騰落率だ。集計時点で、マイナスの企業が6社と過半となっており、連続上昇記録が途絶えようとしている。

この22年の状況や、21年までの10年間で株価モメンタムに差が生じた背景を、ファンダメンタルズ面から確認した。検証は、「成長力」「収益性」「株主還元」の3つについて、モメンタム状況を確認し、それぞれについてランキングしている。

※当該情報は、一般情報の提供を目的としたものであり、有価証券その他の金融商品に関する助言または推奨を行うものではありません。



 

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