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1430 1stコーポ

東証S
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1stコーポ Research Memo(5):23年5月期通期も大型造注案件着工により増益と好調維持を見込む


■ファーストコーポレーション<1430>の業績動向

1. 2022年5月期の業績概要
2022年5月期は、売上高が前期比44.3%増の30,178百万円、営業利益が同15.2%増の1,919百万円、経常利益が同17.6%増の1,891百万円、当期純利益が同12.8%増の1,269百万円と、大幅な増収増益を達成した。増収の主な要因は、計画外の不動産売買が発生したこと。これにより、不動産事業の売上高は同171.0%増の13,431百万円と急伸した。また、売上が拡大する中で販管費率を同マイナス1.8ポイントの4.2%に減少させたこと、利益率の高い造注案件である「バウス藤沢」が着工したことも利益の拡大に寄与している。

期初の計画も大幅に過達した。売上高、営業利益、経常利益、当期純利益はそれぞれ計画比113.9%、111.6%、111.2%、107.4%と揃って計画数値を上回った。さらに、売上高に関しては、前中期経営計画「Innovation2021」で掲げた2024年5月期の目標である30,000百万円を2年前倒しで達成している。

事業分類別の売上高は、完成工事高が前期比7.7%増の16,108百万円、不動産売上高が同171.0%増の13,431百万円、共同事業収入が同54.0%減の317百万円、その他の売上高が同0.3%減の320百万円だった。総利益に関しては、完成工事総利益が同36.7%増の1,719百万円、不動産売上総利益が同3.8%減の1,436百万円、共同事業収入総利益が同82.4%減の18百万円だった(その他の売上に関しては2百万円の損失)。上記からも不動産売上高の伸びが大きく、業績に寄与したことが分かる。

2022年5月期の用地確保に関しては、神奈川県相模原市緑区などを始めとする全5件であった。これら造注案件の工事着工により、今後の利益率向上に寄与することが期待される。新規取引先は、(株)フージャースコーポレーションが新たに加わっている。これにより、取引先は34社まで拡大した。今後も中途採用社員の人脈を活用するなど、新規顧客の開拓を加速させていく方針だ。

2. 2023年5月期の業績見通し
受注については、受注額と件数がそれぞれ31,000百万円、7件と、2022年5月期よりも受注額は増加、受注件数は横ばいを見込んでいる。利益率に関しては、今後も上昇していくことが予想される。2022年5月期に確保した用地に加えて、2023年5月期に計画している9,000百万円分の造注案件が着工から竣工まで高い収益性を維持するためだ。

2023年5月期通期では、売上高が前期比7.2%減の28,000百万円、営業利益が同6.5%増の2,044百万円、経常利益が同5.8%増の2,000百万円、当期純利益が8.0%増の1,370百万円を見込んでいる。売上高は2022年5月期の反動で同マイナスとなっているものの、千葉市中央区の大型案件が着工することから各利益は前期比でプラスを見込んでいる。また、利益率も高まりそうだ。同案件の着工により、営業利益は同プラス0.9ポイントの7.3%に上昇すると見ている。その他の案件も安定した売上を生み出すことが想定される。課題になっていた群馬県前橋市の再開発案件が2021年5月期から寄与し始め、これが2022年5月期、2023年5月期ともに安定した収益源として貢献するためだ。

2023年5月期の業績予想は、現段階で確度の高い情報に基づき設定されている。2022年5月期のような想定外の不動産成約があった場合、売上高が上振れする可能性もあると弊社は考える。

3. 財務状況
2022年5月末の財務状況を見ると、総資産は前期末比383百万円増加の17,811百万円となった。主な増減要因を見ると、当期純利益をしっかりとあげたことにより流動資産の現金及び預金が646百万円、工事代金の計上、回収等により完成工事未収入金が225百万円増加した一方で、不動産の取得・売却等によって販売用不動産が810百万円減少した。

負債合計は前期末比264百万円減少の10,881百万円となった。流動負債では支払手形が503百万円、工事未払金が434百万円増加した一方で、1年内返済予定の長期借入金が819百万円減少した。固定負債では長期借入金が829百万円減少している。純資産合計は前期末比647百万円増加の6,929百万円となった。配当金の支払いにより利益剰余金が469百万円、自己株式の取得により自己株式が165百万円減少した一方で、当期純利益の計上により利益剰余金が1,269百万円増加した。

経営指標を見ると、財務の健全性を示す自己資本比率は38.9%となっており、問題のない水準と言えるだろう。また、1年のうちに返済する必要のある負債に対する1年のうちに現金化される資産の割合を示した流動比率が221.8%、返済義務のない自己資本に対する1年超えにわたって現金化しない資産の割合を示した固定比率が5.4%であり、長短の手元流動性にも問題がないと弊社は考える。さらに、過去の業績が好調だったことも窺える。利益剰余金の負債純資産合計に占める割合は36.9%まで上昇しており、過去の利益がしっかりと積み上がってきたことが見て取れる。

事業の収益性を表す指標に関しては、自己資本利益率(ROE)が19.2%、総資産利益率(ROA)は7.1%となっている。造注方式による高収益体質が高いROEに結実しているほか、資産を効率的に活用し利益をあげていることが窺える。今後も、アクティブシニア向けマンション、再開発事業、分譲マンション自社ブランドなど収益源の多様化を図るなかでROEが向上していくことが期待できると弊社は考えている。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 清水陽一郎)

《ST》

 提供:フィスコ

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