コロナ禍の4-6月期【利益倍増】企業はこれだ!〔第4弾〕 <成長株特集>
本特集では、4-6月期(第1四半期)に経常利益ベースで利益倍増を達成した3月期決算企業を取り上げた「コロナ禍の4-6月期【利益倍増】企業はこれだ!」シリーズの第4弾をお届けします。
今回は時価総額が80億円以上150億円未満(8月20日時点)の銘柄の中から、直近3ヵ月実績である4-6月期(第1四半期)の経常利益が前年同期比で2倍以上に膨らんだ31社をリストアップし、増益率の大きい順に並べた。下表では四半期ベースの「増益連続期数」、4-6月期経常利益の通期計画に対する進捗割合を表す「対通期進捗率」も併せて記した。
増益率トップとなったのは、画像処理や音声出力用ファブレス半導体メーカーのアクセル <6730> 。4-6月期(第1四半期)は主力のパチンコ・パチスロ機向けにグラフィックスLSIの販売が前年同期比4割増の約17万個と急増したほか、メモリーモジュールも採用顧客の旺盛な需要を背景に販売が大きく伸び、経常利益は前年同期の1100万円から4億2500万円に急拡大した。
2位の明和地所 <8869> は新築分譲マンションの引き渡し戸数が343戸と前年同期の158戸から大幅に増加し、4-6月期の売上高197億円(前年同期比2.4倍)、経常利益23.7億円(同22倍)と業績高変化を遂げた。新型コロナウイルス感染症対策として引き渡し時期を前期から今期にずらした住戸があったことも販売増加の要因となった。
続く3位のバルテス <4442> [東証M]は主力のソフトウェアテストサービス事業が前期からの受注や既存顧客との取引拡大で2ケタ増収を達成したうえ、テレワークの進展による交通費の減少や人材採用費の後ろずれも寄与し、4-6月期の経常利益は前年同期比18倍の5400万円に膨らんだ。併せて、非開示だった通期の同利益は前期比33.7%増の4億3200万円に伸び、3期連続で最高益を更新する見通しを示した。
6位に入ったプロパティデータバンク <4389> [東証M]の4-6月期はクラウド型不動産管理ソフト「@プロパティ」が新規顧客の獲得や既存顧客の利用拡大で月額利用料が増加したうえ、ソリューションサービスで複数の大型案件が順調に進捗し、経常利益は前年同期比15倍の1億600万円に拡大して着地。同時に、野村総合研究所 <4307> と不動産投資顧問業務のデジタルトランスフォーメーション(DX)推進で協業すると発表したことも好感され、株価は急騰し8月19日に上場来高値2159円をつけている。
7位にリスト入りしたのは、家庭用ミシン最大手の蛇の目ミシン工業 <6445> 。4-6月期は外出自粛に伴う在宅時間の増加や手作りマスクの浸透でミシン需要が高まり、国内外で家庭用ミシンの販売台数を大きく伸ばした。第1四半期業績の好調に伴い、未定としていた21年3月期通期の経常利益は前期比71.6%増の18億円に拡大する見込みとなった。
10位の総合ディスカウント店「エスポット」や「業務スーパー」などを展開するマキヤ <9890> [JQ]はコロナ禍で加速する巣ごもり需要を追い風に、生鮮食品や加工食品の販売が大幅に増加したほか、消毒・衛生関連商品や生活関連商品なども好調で、4-6月期の経常利益は前年同期比6.5倍の8.9億円と四半期ベースで過去最高を記録した。上期計画の6.5億円を既に大きく上回っており、業績上振れが期待される。株価は8月25日に1998年以来約22年ぶりに1500円台を突破している。
14位のGSIクレオス <8101> は新型コロナウイルス感染症の影響で繊維原料や生地の販売が落ち込んだものの、感染防止用の医療・衛生消耗品の取引を開始したほか、巣ごもり需要を背景にホビー関連商材でプラモデル用塗料・工具の販売が大きく伸び、増収を確保した。また、販管費の減少なども寄与し、4-6月期の経常利益は前年同期比5.1倍の8.7億円に膨らんだ。足もとの好調な業績を踏まえ、21年3月期の同利益は前期比64.9%増の20億円に伸びる計画とし、配当は5円増の50円を実施する方針を示した。さらに、100株以上保有者にクオカードを贈呈する株主優待制度の新設を発表したことも評価材料となり、株価は約2年5ヵ月ぶりの高値圏に急浮上している。
●4-6月期【利益倍増】シリーズ ─────
・コロナ禍の4-6月期【利益倍増】企業はこれだ!〔第1弾〕 26社選出
・コロナ禍の4-6月期【利益倍増】企業はこれだ!〔第2弾〕 28社選出
・コロナ禍の4-6月期【利益倍増】企業はこれだ!〔第3弾〕 29社選出
も併せてご覧ください。
┌ 経常利益 ┐ 増益 対通期 予想
コード 銘柄名 増益率 4-6月期 連続期数 進捗率 PER
<6730> アクセル 3764 425 5 - -
<8869> 明和地所 2082 2378 1 - -
<4442> バルテス 1700 54 2 12.5 48.0
<6616> TOREX 1536 180 3 - -
<2892> 日食品 1450 713 2 95.1 16.7
<4389> プロパテDB 1414 106 1 28.8 45.0
<6445> 蛇の目 1051 1105 2 61.4 10.1
<6137> 小池工 783 159 1 26.5 195
<6331> 化工機 703 538 5 24.3 8.6
<9890> マキヤ 546 891 2 68.5 22.4
<4644> イマジニア 541 455 3 36.4 15.7
<9880> イノテック 491 201 2 11.2 11.5
<6639> コンテック 422 449 1 32.3 10.5
<8101> クレオス 413 872 2 43.6 8.2
<1921> 巴 304 444 2 37.0 20.0
<9380> 東海運 268 151 1 22.0 17.5
<6648> かわでん 255 270 2 38.6 17.2
<6362> 石井鉄 244 358 3 29.8 11.3
<5237> ノザワ 239 390 2 41.1 12.3
<3020> アプライド 232 700 4 38.9 8.6
<6743> 大同信 204 146 2 - -
<8704> トレイダーズ 201 470 1 21.4 8.0
<1450> 田中建設工業 200 303 3 34.0 19.3
<3891> 高度紙 153 615 2 68.3 21.9
<6626> SEMTEC 146 562 2 39.3 12.1
<5445> 東京鉄 143 2544 4 - -
<4364> マナック 142 235 9 44.3 19.6
<4366> ダイトーケミ 139 354 1 59.0 19.6
<1848> 富士PS 124 237 1 24.9 16.3
<7895> 中央化学 121 454 1 45.4 14.6
<4972> 綜研化学 103 636 1 35.3 8.4
※経常利益の単位は百万円。4-6月期の経常利益が5000万円以下の銘柄は除いた。
株探ニュース
今回は時価総額が80億円以上150億円未満(8月20日時点)の銘柄の中から、直近3ヵ月実績である4-6月期(第1四半期)の経常利益が前年同期比で2倍以上に膨らんだ31社をリストアップし、増益率の大きい順に並べた。下表では四半期ベースの「増益連続期数」、4-6月期経常利益の通期計画に対する進捗割合を表す「対通期進捗率」も併せて記した。
増益率トップとなったのは、画像処理や音声出力用ファブレス半導体メーカーのアクセル <6730> 。4-6月期(第1四半期)は主力のパチンコ・パチスロ機向けにグラフィックスLSIの販売が前年同期比4割増の約17万個と急増したほか、メモリーモジュールも採用顧客の旺盛な需要を背景に販売が大きく伸び、経常利益は前年同期の1100万円から4億2500万円に急拡大した。
2位の明和地所 <8869> は新築分譲マンションの引き渡し戸数が343戸と前年同期の158戸から大幅に増加し、4-6月期の売上高197億円(前年同期比2.4倍)、経常利益23.7億円(同22倍)と業績高変化を遂げた。新型コロナウイルス感染症対策として引き渡し時期を前期から今期にずらした住戸があったことも販売増加の要因となった。
続く3位のバルテス <4442> [東証M]は主力のソフトウェアテストサービス事業が前期からの受注や既存顧客との取引拡大で2ケタ増収を達成したうえ、テレワークの進展による交通費の減少や人材採用費の後ろずれも寄与し、4-6月期の経常利益は前年同期比18倍の5400万円に膨らんだ。併せて、非開示だった通期の同利益は前期比33.7%増の4億3200万円に伸び、3期連続で最高益を更新する見通しを示した。
6位に入ったプロパティデータバンク <4389> [東証M]の4-6月期はクラウド型不動産管理ソフト「@プロパティ」が新規顧客の獲得や既存顧客の利用拡大で月額利用料が増加したうえ、ソリューションサービスで複数の大型案件が順調に進捗し、経常利益は前年同期比15倍の1億600万円に拡大して着地。同時に、野村総合研究所 <4307> と不動産投資顧問業務のデジタルトランスフォーメーション(DX)推進で協業すると発表したことも好感され、株価は急騰し8月19日に上場来高値2159円をつけている。
7位にリスト入りしたのは、家庭用ミシン最大手の蛇の目ミシン工業 <6445> 。4-6月期は外出自粛に伴う在宅時間の増加や手作りマスクの浸透でミシン需要が高まり、国内外で家庭用ミシンの販売台数を大きく伸ばした。第1四半期業績の好調に伴い、未定としていた21年3月期通期の経常利益は前期比71.6%増の18億円に拡大する見込みとなった。
10位の総合ディスカウント店「エスポット」や「業務スーパー」などを展開するマキヤ <9890> [JQ]はコロナ禍で加速する巣ごもり需要を追い風に、生鮮食品や加工食品の販売が大幅に増加したほか、消毒・衛生関連商品や生活関連商品なども好調で、4-6月期の経常利益は前年同期比6.5倍の8.9億円と四半期ベースで過去最高を記録した。上期計画の6.5億円を既に大きく上回っており、業績上振れが期待される。株価は8月25日に1998年以来約22年ぶりに1500円台を突破している。
14位のGSIクレオス <8101> は新型コロナウイルス感染症の影響で繊維原料や生地の販売が落ち込んだものの、感染防止用の医療・衛生消耗品の取引を開始したほか、巣ごもり需要を背景にホビー関連商材でプラモデル用塗料・工具の販売が大きく伸び、増収を確保した。また、販管費の減少なども寄与し、4-6月期の経常利益は前年同期比5.1倍の8.7億円に膨らんだ。足もとの好調な業績を踏まえ、21年3月期の同利益は前期比64.9%増の20億円に伸びる計画とし、配当は5円増の50円を実施する方針を示した。さらに、100株以上保有者にクオカードを贈呈する株主優待制度の新設を発表したことも評価材料となり、株価は約2年5ヵ月ぶりの高値圏に急浮上している。
●4-6月期【利益倍増】シリーズ ─────
・コロナ禍の4-6月期【利益倍増】企業はこれだ!〔第1弾〕 26社選出
・コロナ禍の4-6月期【利益倍増】企業はこれだ!〔第2弾〕 28社選出
・コロナ禍の4-6月期【利益倍増】企業はこれだ!〔第3弾〕 29社選出
も併せてご覧ください。
┌ 経常利益 ┐ 増益 対通期 予想
コード 銘柄名 増益率 4-6月期 連続期数 進捗率 PER
<6730> アクセル 3764 425 5 - -
<8869> 明和地所 2082 2378 1 - -
<4442> バルテス 1700 54 2 12.5 48.0
<6616> TOREX 1536 180 3 - -
<2892> 日食品 1450 713 2 95.1 16.7
<4389> プロパテDB 1414 106 1 28.8 45.0
<6445> 蛇の目 1051 1105 2 61.4 10.1
<6137> 小池工 783 159 1 26.5 195
<6331> 化工機 703 538 5 24.3 8.6
<9890> マキヤ 546 891 2 68.5 22.4
<4644> イマジニア 541 455 3 36.4 15.7
<9880> イノテック 491 201 2 11.2 11.5
<6639> コンテック 422 449 1 32.3 10.5
<8101> クレオス 413 872 2 43.6 8.2
<1921> 巴 304 444 2 37.0 20.0
<9380> 東海運 268 151 1 22.0 17.5
<6648> かわでん 255 270 2 38.6 17.2
<6362> 石井鉄 244 358 3 29.8 11.3
<5237> ノザワ 239 390 2 41.1 12.3
<3020> アプライド 232 700 4 38.9 8.6
<6743> 大同信 204 146 2 - -
<8704> トレイダーズ 201 470 1 21.4 8.0
<1450> 田中建設工業 200 303 3 34.0 19.3
<3891> 高度紙 153 615 2 68.3 21.9
<6626> SEMTEC 146 562 2 39.3 12.1
<5445> 東京鉄 143 2544 4 - -
<4364> マナック 142 235 9 44.3 19.6
<4366> ダイトーケミ 139 354 1 59.0 19.6
<1848> 富士PS 124 237 1 24.9 16.3
<7895> 中央化学 121 454 1 45.4 14.6
<4972> 綜研化学 103 636 1 35.3 8.4
※経常利益の単位は百万円。4-6月期の経常利益が5000万円以下の銘柄は除いた。
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