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【市況】【和島英樹のマーケット・フォーキャスト】 ─ 存在感強める、日本を牽引する“500型”企業

株式ジャーナリスト 和島英樹

「存在感強める、日本を牽引する“500型”企業」

◆バリューとグロースの循環物色を想定

 9月中旬までの東京株式市場は、堅調な展開が想定される。新型コロナワクチンの開発進展期待や、米国をはじめとした経済の先行き回復観測などが引き続き手掛かり材料。米連邦準備理事会(FRB)が8月27日に金融緩和の長期化を示唆する指針を公表したことも下支え要因となりそう。一方、米中対立の激化や、米大統領選をめぐる動きが波乱要因になる可能性がある。安倍首相の辞任は想定外だが、短期的には新型コロナ対応や経済運営などで次期政権に大きな変化はないとみられ、当面の下値は限定的とみられる。

 日経平均株価の予想レンジは2万2000円~2万4000円。需給面では9月11日の先物・オプションのSQ(特別清算指数)算出日に注目。SQ後に需給が変わる可能性に注意したい。このほかの注目スケジュールは9月1日の米ISM製造業景況指数、4日の米雇用統計、15日のFOMC(~16日)、16日の日銀金融政策決定会合(~17日)など。総裁選の行方にも関心が集まる。

 基本的にはバリューとグロースの循環物色が想定される。8月は高値警戒もあり、半導体5G関連などのグロース系の主力銘柄の調整が目立ったが、休養は十分で押し目は妙味がある。半導体ではレーザーテック <6920> 、東京エレクトロン <8035> 、アドバンテスト <6857> 、5Gではアンリツ <6754> 、ソニー <6758> 、アルチザネットワークス <6778> [東証2]など。バリューでは9月末の配当権利取りを意識し、三菱UFJフィナンシャル・グループ <8306> 、三井住友フィナンシャルグループ <8316> をはじめとする金融株、三菱商事 <8058> などの商社株のほか、オリックス <8591> 、ソフトバンク <9434> といった高利回り銘柄にスポットが当たりそうだ。

◆出番巡ってくるか自動車株、押し目に妙味

 中期的には日経500種平均に採用されているような銘柄群に注目したい。日経平均は1989年末の最高値3万8915円からまだ距離があるが、日経500の最高値は同時期の2406円。今年8月25日には2347円と高値に肉薄しつつある。ドル建てでは既に最高値を更新している。日経500は過去3年間の売買高(出来高)、売買代金、時価総額の3つだけを基準に採用されるため、連続性などが加味されず、市場の人気や産業構造の変化を反映しやすい。日経平均は古い企業が残りがちになる。

 225不採用・500採用銘柄にはキーエンス <6861> やSMC <6273> 、ダイフク <6383> といったFA関連の代表銘柄、任天堂 <7974> やシマノ <7309> 、村田製作所 <6981> のハイテク、神戸物産 <3038> やパン・パシフィック・インターナショナルホールディングス <7532> など小売りの勝ち組などが含まれる。旧態依然とした銘柄が多い日経平均よりも、500型の企業が日本をけん引しているさまが指数にも表れているのではないか。

 このほか、コロナが最悪期を脱したとの観測から、米国では航空機メーカーやエアラインが物色され始めている。この流れからは 自動車株の出番が回ってくる可能性がある。中国では既に生産が正常化しているが、日米欧でも回復への期待感がある。トヨタ自動車 <7203> 、ホンダ <7267> 、SUBARU <7270> の押し目には妙味がありそう。

 マザーズ市場は先週末の急落で短期的なしこり感を残した。ただ、第1四半期決算ではテレワーク オンライン診療、EC支援など、コロナ禍をこなして堅調に推移した銘柄が多かった。業績の評価がベースにあり、押し目買いが入りやすい。9月下旬以降はIPOが多く出てくることで、需給がやや悪化することを想定する。短期狙いでエドテック(教育+テクノロジー)関連のEduLab <4427> [東証M]、すららネット <3998> [東証M]、医薬・バイオでメドピア <6095> [東証M]、モダリス <4883> [東証M]などか。

(2020年8月27日 記/次回は9月27日配信予定)

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■和島英樹(Hideki Wajima)

株式ジャーナリスト
日本勧業角丸証券(現みずほ証券)入社。株式新聞社(現モーニングスター)記者を経て、2000年にラジオNIKKEIに入社。東証・記者クラブキャップ、解説委員などを歴任。現在、レギュラー出演している番組に、ラジオNIKKEI「マーケットプレス」、日経CNBC「デイリーフォーカス」毎週水曜日がある。日本テクニカルアナリスト協会評議委員。国際認定テクニカルアナリスト連盟認定テクニカルアナリスト(CFTe)。

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