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【市況】株価指数先物【寄り前】 米CPI通過でショートカバーが入りやすい


大阪12月限ナイトセッション
日経225先物 32650 +200 (+0.61%)
TOPIX先物 2366.5 +12.0 (+0.50%)
シカゴ日経平均先物 32635 +185
(注:ナイトセッション、CMEは大阪の日中終値比)

 13日の米国市場は、NYダウが下落した一方で、 S&P500ナスダックは上昇。米当局が金融政策の判断材料とする8月の米消費者物価指数(CPI)は、コア指数が前月比0.3%上昇し市場予想を上回った。総合指数は同0.6%の上昇となり予想と一致した。インフレへの警戒は拭えず、景気敏感株を中心に売りが優勢で、NYダウの重荷となった。ただし、金融引き締め長期化に大きく傾く内容ではないとの見方から米長期金利が低下したため、ハイテク株などを買い戻す動きが見られた。S&P500業種別指数は小売、自動車・同部品、公益事業が上昇した半面、テクノロジー・ハード・機器、資本財、不動産が下落。

 シカゴ日経平均先物(12月限)清算値は、大阪比185円高の3万2635円だった。日経225先物(12月限)は日中比70円高の3万2520円で始まり、その後は軟化し、3万2440円と下落に転じる場面が見られた。ただし、同水準での底堅さが意識されるなか、米国市場の取引開始後にはリバウンド基調が強まり、中盤にかけて3万2710円まで買われた。買い一巡後は3万2580円まで上げ幅を縮める場面も見られたものの、終盤にかけて切り返しており、3万2650円でナイトセッションの取引を終えた。

 シカゴ先物にサヤ寄せする格好から、買い優勢の展開になりそうだ。米CPIの内容については、来週の米連邦公開市場委員会(FOMC)で利上げに向かわせるほどではないといった見方となり、東京市場でもアク抜けの動きが意識されよう。また、ナスダックに新規上場(IPO)する英アームは、売り出し価格が仮条件の上限近辺に決まったと報じられており、指数インパクトの大きいソフトバンクグループ <9984> [東証P]が日経平均株価を牽引する可能性がある。ナスダックの上昇を受けた値がさハイテク株のリバウンドも意識されるため、やや日経平均型優位の展開となろう。

 日経225先物は足もとでボリンジャーバンドの+1σを挟んで推移を見せている。+1σは3万2620円辺りに位置しているため、まずは同水準での底堅さを見極めることになりそうだ。そのため、オプション権利行使価格の3万2625円を中心に上下の権利行使価格である3万2500円から3万2750円のレンジを想定しておきたい。14日の米国市場では8月の米小売売上高、米卸売物価指数(PPI)の発表が控えていることから積極的にポジションを傾けてくる動きはなさそうだが、CPI通過によってショートは仕掛けづらくなったと考えられる。

 そのため、スキャルピング中心ながら、3万2625円辺りで底堅さがみられるようだと、権利行使価格の3万2625円から3万2875円のレンジに切り上がる展開も意識されよう。来週にFOMCおよび日銀の金融政策決定会合を控えるなか、ポジションをニュートラルに戻す過程でのショートカバーも入りやすい。

 VIX指数は13.48(前日は14.23)に低下した。CPIの発表を受けて一時14.68まで上昇する場面もあったが、同水準に位置する75日移動平均線が抵抗線として機能する形で、その後低下している。リスク選好に向かわせるなか、買い戻しを誘い込む流れが意識されそうだ。

 なお、昨日のNT倍率は先物中心限月で13.78倍と小幅に低下した。米国の流れを受けたハイテク株買いとソフトバンクグループの上昇が見込まれるなか、ややNTショートを巻き戻す動きがありそうだ。もっとも、方向性としては2月22日の13.70倍のほか、1月16日の13.62倍が視野に入っているため、大きなトレンドは出にくい。

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