【材料】ファーマフーズ---3Qは2ケタ増収・大幅な増益、BtoB事業およびBtoC事業が好調に推移
ファーマF <日足> 「株探」多機能チャートより
ファーマフーズ<2929>は5日、2023年7月期第3四半期(22年8月-23年4月)連結決算を発表した。売上高が前年同期比19.3%増の525.33億円、営業利益が同75.4%増の16.34億円、経常利益が同47.0%増の15.82億円、親会社株主に帰属する四半期純利益が10.68億円(同2.84億円の損失)となった。
バイオメディカル事業の売上高は前年同期比501.4%増の2.83億円、セグメント損失は1.77億円(前年同期は1.94億円の損失)となった。創薬事業について、「自己免疫疾患」の抗PAD4抗体は、2022年8月に米国特許庁から特許査定を受領した。本特許査定により、米国でも、「PAD4」を標的とする創薬プロジェクトの知的財産権が強化されることになった。「繊維症」等の各種難治性疾患は、標的分子に対する抗体を取得・精製し、薬効薬理試験等の創薬研究を推進している。研究支援事業について、「Olink Target」サービスは、国内の研究機関、製薬企業等からの受注が順調に伸び、バイオメディカル事業における収益拡大に貢献している。2023年2月には、新サービス「Olink Flex」を開始した。
BtoB事業の売上高は同13.3%増の64.55億円、セグメント利益は同6.5%増の10.69億円となった。機能性素材の売上高は同28.5%増の13.81億円となった。主力商品の「ファーマギャバ」が好調に販売しており、国内市場では、機能性表示食品制度における「GABA(ギャバ)」の届出件数は891件(2023年5月18日時点)で、第1位の採用実績を維持している。海外市場では、骨形成成分である「ボーンペップ」が、海外乳業メーカー向けなどに大きく伸長している。機能性製品の売上高は同84.0%増の12.22億円となった。このうち、OEM事業では、ダイエット食品及び健康飲料並びにプライベートブランド製品が売り上げに貢献した。また、同社ナショナルブランド(NB)製品の販売では、大手コンビニエンスストア向けに機能性を持った新製品を投入した。NB製品第1弾の「明晰(メイセキ)ラボ」(論理的思考力を維持)に続き、「筋肉ラボ」(筋肉量の維持)、「朝ラボ」(活気・活力感)及び「夜ラボ」(睡眠の質)と積極的に新製品の開発・販売に注力した。海外における最終製品の販売では、海外のECプラットフォームや現地代理店向けの販売を強化した。明治薬品の医薬品製造受託の「CMO事業」の売上高は同17.2%増の30.72億円となった。利益率向上を目指し、受注価格への転嫁と受託品目の絞り込みを行ってきた。また、同社の機能性食品・医薬品等をドラッグストアチャネル等での販売を行う「CHC事業」の売上高は同41.7%減の7.78億円となった。ドラッグストア向けに新たな明治薬品ブランド製品の販売を強化している。
BtoC事業の売上高は同19.5%増の457.79億円、セグメント利益は同97.2%増の16.22億円となった。顧客獲得効率指標のCPO及び収益性指標のLTVを重視しながら、新製品へ広告宣伝投資を積極的に行ってきた。同時に、広告宣伝費の適正化を図る取り組みを強化し、2四半期連続で広告費を削減しているにも関わらず、2023年4月末時点のグループ全体の定期顧客件数は、991,535件(前年同期982,458件)と一定水準を維持した。「医薬品・医薬部外品」の売上高は同2.4%増の255.20億円になった。主力の「ニューモ育毛剤」の定期顧客件数は465,285件(前年同期467,335件)と新規獲得及び定期継続率の水準が安定的に推移し、グループ全体の売上及び利益に寄与している。なお、「ニューモ育毛剤」の累計出荷件数は、2023年4月5日時点で2,000万本を突破し、堅調な受注が継続している。また、明治薬品の「ラクトロン錠」や薬用ホワイトニングジェル「DRcula(キュラ)」は、特にWEB広告で受注が増加し、定期顧客件数の増加につながった。「サプリメント」の売上高は同32.3%増の99.36億円になった。「シボラナイトGOLD」をはじめとした明治薬品の機能性表示食品の売上が寄与した。後継の製品として、ブラックジンジャー由来の機能性表示食品「シボラナイト2」の発売を開始している。「化粧品」の売上高は同103.1%増の95.58億円になった。主に「ニューモ」ブランドのまつ毛美容液「WMOA」を、主力製品として育成してきた。2023年5月27日時点で、累計出荷件数は200万本を突破している。また、フューチャーラボの「珠肌ランシェル」及び「ヘアボーテボタニカルカラークリームシャンプー」が前年同期比での増収に貢献した。
2023年7月期通期の連結業績予想については、売上高が前期比18.0%増の710.00億円、営業利益が同10.3%増の11.91億円、経常利益が同0.3%増の12.68億円、親会社株主に帰属する当期純利益が8.86億円とする期初計画を据え置いている。
《SI》
提供:フィスコ