【市況】やや利食い優勢ながら底堅い相場展開、金融セクターの買い戻しは継続/オープニングコメント
NYダウ <日足> 「株探」多機能チャートより
20日の日本株市場は、やや利食い優勢ながら底堅い相場展開になりそうだ。19日の米国市場はNYダウが79ドル安だった半面、ナスダックは小幅に上昇した。3月の英消費者物価指数(CPI)が予想を上回り、金利上昇を警戒した売りが先行した。預金の流出が警戒されていた地銀のウエスタン・アライアンスの決算が予想を上回ったことが材料視されたが、年内の利下げ観測が弱まり戻りも鈍く、終日軟調推移だった。シカゴ日経225先物清算値は大阪比30円安の28550円。円相場は1ドル134円60銭台で推移している。
シカゴ先物にサヤ寄せする格好から、やや利食い優勢の相場展開が見込まれる。日経225先物は一時28400円まで下げる場面が見られたものの、ボリンジャーバンドの+1σが支持線として意識される格好から、下げ渋る動きとなった。英CPIを受けた欧米の金融引き締め継続といった見方は重荷となろうが、ウエスタン・アライアンスの大幅上昇のほか、モルガンスタンレーも売り先行後はプラス圏を回復。さらに前日に予想を下回る決算が嫌気されたゴールドマン・サックスも反発するなど、米国市場は落ち着いた動きである。そのため、売り圧力が強まるといった流れにはならないだろう。VIX指数は低下傾向を継続していることからリスク選好の流れは継続している。
取引終了後に決算を発表したテスラが時間外で下落していることが重荷となろうが、本格化する決算発表のなかで仕掛け的な動きも入りづらく、日経平均は28500円辺りでの底堅さが意識されそうであり、押し目待ちの買い意欲は依然として強そうだ。また、米国ではアップルやアマゾンなど大型テック株の一角も買われており、下支えにつながりそうである。物色の流れとしては、ウエスタン・アライアンスの大幅上昇など金融セクターを買い戻す動きは継続するとみておきたい。
全体としては利食い優勢の展開が意識されるものの、底堅さがみられるなかでは、バリュエーション面での割安感がある銘柄やセクターへ資金が向かいやすいだろう。また、日経平均はこう着ながらも底堅さが意識されるなか、個人主体の資金は直近IPO銘柄やテーマ性のある材料株にシフトしやすい。ただし、IPO銘柄については一部の銘柄に資金が集中しやすいことから、流動性が高い銘柄での短期的な値幅取り狙いに向かわせそうだ。
《AK》
提供:フィスコ