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【特集】大塚竜太氏【上値追い続く日経平均、GW前は売りか買いか】(2) <相場観特集>

大塚竜太氏(東洋証券 ストラテジスト)

―2万8000円台半ばで強弱拮抗、決算期突入でどうなる―

 週明け17日の東京株式市場は日経平均株価が前週末終値近辺でもみ合う展開となったが、後場に入ると買いが優勢となり7日続伸となった。ただ、前週末に大幅高に買われ2万8000円台半ばに歩を進めたものの、足もとはやや買い疲れ感も出ている。また、企業の決算発表シーズン突入で、今後は模様眺めムードも想定されるところだが、投資家はこの場面でどう対処すべきか。先読みに定評のあるベテラン市場関係者2人に当面の株式市場の見通しについて意見を聞いた。

●「様子見材料多いも頑強な展開続く」

大塚竜太氏(東洋証券 ストラテジスト)

 東京株式市場は日経平均が2万8000円台で売り買いを交錯させているが、基本的に当面はボックス圏の推移で、上値は限定的ながら下値抵抗力も発揮されやすい地合いを想定している。米国の後を追う形で、国内でも来週後半(4月27~28日)から3月期決算企業の本決算発表が本格化する。今期(24年3月期)の見通しについては総じて保守的な計画が出やすい面もあり、それだけにマーケットには決算内容を確認したいという思惑が漂う。また、今月27~28日の日程で日銀金融政策決定会合、そして5月2~3日の日程で米連邦公開市場委員会(FOMC)と日米で金融会合が相次ぐことも、手控えムードを助長する背景となる。

 とはいえ、ゴールデンウィークを挟んだ向こう1ヵ月でみた場合、全体相場が弱含みで推移するとは考えていない。東京市場はPBRなど相対的に割安感が強く、下値では押し目買いニーズが旺盛である。著名投資家ウォーレン・バフェット氏が日本株への追加投資に言及していることに加え、東証が企業に対し株価を意識した経営を要請していることもあって、足もとで日本株には国内外の投資資金が向かいやすい状況にある。4月は統計的にも外国人が買い越すことが多い月で、そのアノマリーが今回も生きる展開となりそうだ。

 日経平均のレンジとしては2万8000円~2万9000円のゾーンを中心に推移する公算が大きい。基本押し目は強気対処で報われると考えているが、仮に2万7000円台まで売り込まれたら絶好の拾い場となるだろう。一方、2万9000円台に乗せるような局面があれば、そこは吹き値売りのスタンスを念頭に置きたい。物色対象としては、トヨタ自動車 <7203> [東証P]やスズキ <7269> [東証P]など自動車セクターが相対的に割安に放置されていると感じる。また、インバウンド効果への期待から、高島屋 <8233> [東証P]をはじめとする百貨店株には引き続き見直し余地がありそうだ。

(聞き手・中村潤一)

<プロフィール>(おおつか・りゅうた)
1986年岡三証券に入社(株式部)。88~98年日本投信で株式ファンドマネージャーを務める。2000年から東洋証券に入社し現在に至る。

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