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【特集】成長ロードまっしぐら、24年2月期「連続最高益見通し」の6銘柄リストアップ <株探トップ特集>

小売業など内需関連を中心とする2月期決算企業の本決算発表がほぼ出揃った。ここでは前期実績、今期予想ともに過去最高水準にある企業のうち、株主還元の切り口からも魅力のある銘柄をピックアップした。

―2月期の本決算発表出揃う、今期も最高益街道まい進する活躍期待の成長株を追う―

 今週後半から3月期決算企業による23年3月期決算発表が本格化する。東京証券取引所の集計(13日現在)によると、ディスコ <6146> [東証P]が発表する20日から増え始め、月内に約270社、ゴールデンウイーク明けの来月8日以降に1900社を超える企業が決算を発表する予定となっている。今期はコロナ禍からのリオープン(経済再開)の進展や水際対策の緩和に伴うインバウンド消費の復調が内需系企業の業績に追い風になるとみられる。また、中国のゼロコロナ政策撤廃に伴う需要回復への期待も大きい。一方、欧米を中心とする世界的な景気後退懸念や前期に製造業の利益を押し上げた円安の一服など先行きに対する不安材料も多く、企業の業績見通しは保守的なものになりそうだ。

 3月期の決算発表シーズン入りを前に、小売業など内需関連が多くを占める2月期決算企業の23年2月期決算発表がほぼ出揃った。ここでは、同時に発表された24年2月期の業績予想が前期に続いて過去最高益を更新する見通しを示し、かつ株主還元にも積極的な姿勢をみせる銘柄にスポットを当てた。

●コロナ禍からの回復続くも慎重な予想が目立つ

 14日までに23年2月期決算を発表した企業のうち、前期実績とともに24年2月期の営業利益予想を開示した188社を集計したところ、営業利益の合計額は前期に比べ約7%増加する見通しとなった。増益率は20%を超えた前期実績から伸びが鈍化する。前期は新型コロナウイルスの感染状況が落ち着いたことで外出の機会が増加し、百貨店や 外食アパレルなどに業績が回復するものが目立った。今期は増益確保を見込む銘柄は多いものの、インフレの進展や光熱費の高止まりなど収益環境に向かい風も強く、慎重な予想を立てる企業が増えているようだ。

 2月期の本決算発表期間では、好調な業績とともに株主への利益還元を強化する企業にマーケットから高い評価を得るケースが多くみられた。こうしたなか、今回は前期実績と今期見通しがともに過去最高益を示す企業に注目し、24年2月期の営業利益が連続で過去最高を更新する見通しの銘柄のなかから、決算とあわせて増配や自社株取得の方針を打ち出した6社を紹介していく。

●竹内製作所 <6432> [東証P]

 生活インフラ整備を支える小型建設機械メーカーで、欧米向け販売が大半を占める。23年2月期は欧米でミニショベルやクローラーローダーの販売が大きく伸びたほか、急激な円安進行も追い風となり、2ケタ増収増益を達成した。続く24年2月期は欧米で旺盛な引き合いが続くなか、海上運賃の減少や値上げ効果も寄与し、営業利益段階で3期連続の最高益更新を見込む。配当は創業60周年記念配当を含めて115円(前期は98円)と大幅増配する方針だ。同社は期中に業績と配当計画を増額修正するケースが多く、今期も期初予想は保守的なものとみられる。足もとでは昨年4月に取得した米国工場が稼働を開始したほか、国内においても新工場を建設しており、生産能力の増強による中期成長期待も強い。

●ベイカレント・コンサルティング <6532> [東証P]

 戦略立案からビジネスプロセス改革、実行までの一連のサービスをワンストップで提供する独立系の総合コンサルティングファーム。ITを活用した経営支援に強みを持ち、DX(デジタルトランスフォーメーション)化を伴う企業の組織変革ニーズを捉え急成長を遂げている。前期は成長の原動力となるコンサルタント数が前の期比25%増加したほか、プロジェクトの高付加価値化も進み、営業利益は299億1600万円(前の期比39.0%増)と過去最高を大きく塗り替えた。24年2月期はコンサルティング業界への高い需要が継続するなか、2ケタ成長を維持する見込みだ。好決算見通しとあわせて前期配当の増額と今期実質増配、自社株買いの実施も発表している。

●コメダホールディングス <3543> [東証P]

 中京エリアを地盤に郊外型のコーヒー店をチェーン展開。店舗の大半がフランチャイズ(FC)加盟店で、販管費率を抑えることによって外食業界屈指の収益力を誇る。前期は原材料価格やエネルギー価格の高騰を受けてメニューを値上げしたことに加え、季節限定品の投入など集客強化策も奏功し増益を確保した。24年2月期は経済再開の本格化で人流回復が一段と進むなか、2期連続の最高益更新を目指す。あわせて増配方針と自社株買いの実施も発表したほか、中期経営計画における1株あたり純利益(EPS)の年平均成長率を従来の10%以上から13%以上へ上方修正している。

●トレジャー・ファクトリー <3093> [東証P]

 首都圏を中心にリサイクルショップを展開。物価高による節約志向の高まりを追い風に業績は急拡大トレンドにある。前期は3度にわたる上方修正を経て、営業利益25億6500万円(前の期比2.6倍)と7期ぶりの最高益に復活を果たした。外出需要の回復で販売が伸びた衣料を中心に全カテゴリーで増収を達成した。24年2月期はリユースへの強い需要が継続するなか、2ケタ増収増益を計画する。既存店売上高は第1四半期に前年同期比7%増、その後は前期並みと控えめな設定で上振れ余地がありそうだ。配当は株式分割を考慮した実質ベースで13.5%増配の予想とするほか、自社株買いを発表したことも評価され、株価は青空圏を舞う展開となっている。

●クリーク・アンド・リバー社 <4763> [東証P]

 テレビ、ゲーム、Web制作などプロフェッショナル分野に特化した人材サービスが主力。メタバースなど新規事業の展開やM&Aに積極的で活躍領域を広げながら成長を続けている。前期は医師の人材不足を背景に医師紹介を展開する医療分野の引き合いが強かったほか、主力の国内クリエイティブ分野も好調で、営業利益段階で4期連続の2ケタ成長を遂げた。24年2月期はテレビ制作会社の買収効果や既存事業の着実な成長などによって、5期連続の最高益更新を見込む。また、配当性向の水準を従来の20%から30%に引き上げ、今期は年41円配当(前期比14円増)と大幅増配方針を示すなど、株主還元にも注力姿勢をみせる。

●わらべや日洋ホールディングス <2918> [東証P]

 筆頭株主のセブン-イレブン・ジャパン向けを中心に弁当や調理パンなどを製造・販売する中食業界大手。24年2月期は米飯類の国内販売回復や米バージニア新工場の稼働を背景に食品関連事業の収益が伸びる見込みだ。原材料価格の上昇は商品規格の見直しなどで吸収し、営業利益52億円(前期比4.3%増)と2期連続の最高益更新を狙う。また、配当性向を従来の25%から40%を目安とする方針に転換し、配当は前期比5円増の70円に増配する計画を示した。あわせて、米国を中心とする海外食品関連事業の拡大によって28年2月期に営業利益100億円を目指す意欲的な中期経営計画も発表している。

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