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【注目】話題株ピックアップ【昼刊】:信越化、出前館、スズキ

信越化 <日足> 「株探」多機能チャートより
■インパクト <6067>  4,485円  +340 円 (+8.2%)  11:30現在
 インパクトホールディングス<6067>は大幅高。26日の取引終了後、米ベインキャピタル系のファンドと組んでMBOを実施すると発表した。同ファンドがインパクトに対して1株4500円でTOBを行うことから、この価格にサヤ寄せする格好となっている。買い付け予定数は605万3385株(下限358万9100株、上限設定なし)で、買い付け期間は1月27日から3月10日まで。TOB成立後に同社株は上場廃止となる見込みで、これを受けて東京証券取引所は26日付で監理銘柄(確認中)に指定している。あわせて22年12月期見通しの下方修正を発表したほか、インドでのコンビニエンスストア事業からの撤退や、双日<2768>との資本・業務提携の解消などを明らかにした。

■信越化学工業 <4063>  18,210円  +625 円 (+3.6%)  11:30現在
 信越化学工業<4063>が5連騰している。26日の取引終了後、23年3月期の連結業績予想について、売上高を2兆7000億円から2兆7800万円(前期比34.0%増)へ、営業利益を9400億円から9950億円(同47.1%増)へ、純利益を6800億円から7080億円(同41.6%増)へ上方修正し、あわせて期末配当予想を225円から275円へ引き上げたことが好感されている。主力の塩化ビニールは22年末に市況は概ね底打ちしたとみており、生活環境基盤材料事業が好調に推移していることが寄与する。また、半導体市場は昨秋以降調整局面に入ったものの、シリコンウエハー、フォトレジスト、マスクブランクスなどの半導体材料をほぼ計画通りに出荷しており、電子材料事業の堅調も貢献する見通しだ。なお、年間配当予想は500円(前期400円)としている。第3四半期累計(22年4~12月)決算は、売上高2兆1632億円(前年同期比45.8%増)、営業利益8082億2700万円(同68.3%増)、純利益5785億1900万円(同63.8%増)だった。同時に、3月31日を基準日として1株を5株に株式分割するほか、上限を34万株(発行済み株数の0.08%)、または70億円とする自社株買いを実施するとあわせて発表しており、これらも好材料視されている。自社株の取得期間は1月27日から3月31日までで、ストックオプションの行使に充当するためとしている。

■出前館 <2484>  433円  +9 円 (+2.1%)  11:30現在
 出前館<2484>は反発している。午前10時ごろ、次世代ドローンの研究開発型スタートアップであるエアロネクスト(東京都渋谷区)とドローンを活用した新しい商品流通の仕組みの構築に向けて業務提携したと発表しており、好材料視されている。両社は、人やモノの移動に関するさまざまな課題を抱える地域社会の課題解決に向けて横須賀市や敦賀市でドローン配送実証実験をしているが、今回の業務提携により出前館の展開エリアの拡大を図るとともに、エアロネクストのドローン配送の確立及びドローンを活用した新スマート物流の普及を目指すという。また提携を皮切りに、新スマート物流の導入を予定している自治体において、出前館アプリと連携した空輸と陸送のハイブリッドによるデリバリーサービスの地域導入を共同で推進するとしている。

■JFEシステムズ <4832>  2,510円  +45 円 (+1.8%)  11:30現在
 JFEシステムズ<4832>が8日続伸している。26日の取引終了後、23年3月期の連結業績予想について、営業利益を56億7000万円から60億7000万円(前期比8.2%増)へ、純利益を37億4000万円から41億円(同10.1%増)へ上方修正し、あわせて期末配当予想を45円から50円へ引き上げたことが好感されている。売上高は550億円(同9.1%増)の従来見通しを据え置いたものの、第3四半期において開発生産性の向上並びに経費支出の抑制がみられたことが利益を押し上げる。なお、年間配当は90円(前期75円)となる予定だ。同時に発表した第3四半期累計(22年4~12月)決算は、売上高411億6100万円(前年同期比10.8%増)、営業利益45億7700万円(同9.9%増)、純利益30億5900万円(同10.1%増)だった。製鉄所システムリフレッシュの本格化に伴う鉄鋼部門の売り上げ増などが業績を牽引した。

■スズキ <7269>  4,834円  +58 円 (+1.2%)  11:30現在
 スズキ<7269>が6日続伸している。26日の取引終了後、「2030年度に向けた成長戦略」を発表しており、31年3月期に連結売上高7兆円(22年3月期3兆5683億円)を目指すとしたことが評価されている。四輪車で国内向けとして23年度に軽商用バッテリーEVの投入を行い、これを皮切りに小型SUV・軽乗用などの投入を予定しており、30年度までに6モデルを展開するという。また、欧州では24年度からバッテリーEVを投入し、SUV・Bセグメントなどに広げていき、30年度までに5モデルを展開。更にインドでは、「AutoExpo2023」で発表したバッテリーEVを2024年度に投入し、30年度までに6モデルを展開するという。このほか、バッテリーEVだけではなく、ハイブリッド車・CNG・バイオガス・エタノール配合の燃料などを使用したカーボンニュートラルな内燃機関車も継続的に投入するとしている。

■ロート製薬 <4527>  2,370円  +28 円 (+1.2%)  11:30現在
 ロート製薬<4527>が8日続伸している。26日の取引終了後、動物用再生医療支援サービスを提供するJ-ARM(大阪市阿倍野区)と資本・業務提携を締結したと発表しており、好材料視されている。伴侶動物(コンパニオンアニマル、CA)の治療では、ヒトと同様に神経・脊髄疾患や心疾患、肝疾患、腎疾患、自己免疫疾患など今の技術では治療が難しい病気がまだまだ存在していることから、ロートの再生医療に関する技術とJ-ARMが取り組む動物の再生医療を連携させることで、このような疾患に対する有効な治療法開発などの課題解決を図るのが狙い。また、資本面ではJ-ARMが新規に発行する株式を取得する形で出資予定という。なお、同件が23年3月期業績に与える影響は軽微としている。

■三菱UFJ <8306>  961.4円  +9.4 円 (+1.0%)  11:30現在
 三菱UFJフィナンシャル・グループ<8306>などメガバンクや第一生命ホールディングス<8750>など大手生保株が買い優勢の展開で始まった。ここ米長期金利はFRBによる利上げ打ち止めに向けた思惑から3%台前半での低調な推移が続いているが、前日は米10年債利回りが3日ぶりに上昇に転じ終値ベースで3.495%まで上昇した。これを受けて米国株市場では、ゴールドマン・サックス<GS>やJPモルガン<JPM>など大手金融株が総じて買われており、東京市場でもこの流れに追随する形となっている。国内でも日銀の政策修正に対する思惑から長期金利が再び上昇傾向にあり、前日は10年債利回りが取引終了時点で0.460%まで上昇、今月行われた日銀の金融政策決定会合後の最高を更新している。銀行や生保にとっては運用環境の改善が期待され、株価にプラス材料となっている。

■Gセキュリ <4417>  4,700円  +30 円 (+0.6%)  11:30現在
 グローバルセキュリティエキスパート<4417>が反発している。同社は26日取引終了後、ユービーセキュア(東京都中央区)及びNRIセキュアテクノロジーズ(東京都千代田区)と、クラウド型Webアプリケーション診断ツールの開発で連携すると発表。これが材料視されているようだ。3社は互いが持つノウハウやリソースを持ち寄り、機械学習や動的解析の活用による自動診断を可能にし、かつWebサイト群の探索から診断結果を一覧で管理できるツールを協力して開発する計画。今年4月をメドに、ユーザー企業への提供を予定している。

■日本製鉄 <5401>  2,734.5円  +13 円 (+0.5%)  11:30現在
 日本製鉄<5401>やJFEホールディングス<5411>といった鉄鋼株が高い。中国の経済再開に伴う鉄鋼需要の増加に対する期待が膨らむなか、日本製鉄の場合で株価は今期予想連結PERで3倍台と割安感が強い鉄鋼株に対する見直し機運が強まっている。特に、米国で26日に発表されたニューコア<NUE>の決算が市場予想を上回り、同社株のほかユナイテッドステイツスチール<X>など米鉄鋼株が値を上げたことも追い風となっている。

■東邦チタニウム <5727>  2,408円  -287 円 (-10.7%)  11:30現在  東証プライム 下落率2位
 東邦チタニウム<5727>が急落している。26日の取引時間終了後、23年3月期第3四半期累計(4~12月)の連結決算を発表した。経常利益は前年同期比92.0%増の73億8800万円と大幅増益となったが、通期の計画に対する進捗率は約74%にとどまった。10~12月期では大幅な経常減益となっており、これらを嫌気した売りが膨らんだようだ。4~12月期の売上高は同44.1%増の584億7800万円。航空機向けなどが堅調だった一方、中国向けの需要の減少や円安の進行が響いた。

■JIA <7172>  1,125円  -76 円 (-6.3%)  11:30現在  東証プライム 下落率3位
 ジャパンインベストメントアドバイザー<7172>が反落している。26日の取引終了後、集計中の22年12月期連結業績について、売上高が従来予想の194億円から187億円(前の期比32.6%増)へ、営業利益が30億円から12億9000万円(同65.8%減)へ、純利益が64億円から44億9000万円(同53.7%増)へ下振れて着地したようだと発表したことが嫌気されている。航空機を中心とした日本型オペレーティング・リース(JOL/JOLCO)に関して金利上昇に伴う自社保有リース付き機体の評価損を計上したことに加えて、サプライチェーンの停滞により機体の納品が遅れ、22年内に販売する商品の組成が計画通りに進まなかった影響が大きかった。

■ゴールドクレスト <8871>  1,630円  -103 円 (-5.9%)  11:30現在  東証プライム 下落率5位
 26日に決算を発表。「4-12月期(3Q累計)経常が4%減益で着地・10-12月期も96%減益」が嫌気された。
 ゴールドクレスト <8871> [東証P] が1月26日大引け後(15:00)に決算を発表。23年3月期第3四半期累計(4-12月)の連結経常利益は前年同期比4.1%減の102億円に減ったが、通期計画の105億円に対する進捗率は97.7%に達し、5年平均の77.3%も上回った。
  ⇒⇒ゴールドクレストの詳しい業績推移表を見る

■日本郵船 <9101>  3,018円  -147 円 (-4.6%)  11:30現在  東証プライム 下落率7位
 日本郵船<9101>が大幅続落した。節目の3000円を割り込み、下落率は一時5%を超えた。コンテナ船のスポット価格の下落が今後の収益に悪影響を及ぼすとの懸念が海運株の重荷となるなか、この日は外資系証券による国内海運大手各社に対する投資判断の引き下げも相まって、売り圧力が強まったようだ。商船三井<9104>や川崎汽船<9107>も大幅安となっている。

■富士電機 <6504>  5,140円  -170 円 (-3.2%)  11:30現在
 富士電機<6504>は売りに押される展開。同社が26日取引終了後に発表した22年4~12月期の決算は営業利益が前年同期比30%増の424億3400万円と大幅な伸びを確保した。世界的な電気自動車(EV)シフトの流れを受けてパワー半導体関連事業が拡大し業績を押し上げている。また、世界的な半導体設備投資需要も旺盛で、データセンター向け電源システムの好調も収益に寄与した。ただ、今回の決算で通期業績予想の上方修正期待もあっただけに、足もとは利食い急ぎの動きを誘発した。

■トヨタ自動車 <7203>  1,892円  -1 円 (-0.1%)  11:30現在
 トヨタ自動車<7203>は一進一退の動き。26日の取引時間終了後、佐藤恒治執行役員が4月1日付で社長に就く人事を発表した。豊田章男社長は代表権を持つ会長となる。内山田竹志会長は退任する。14年ぶりの社長交代の発表をサプライズと受け止める向きは多かったが、EV(電気自動車)化への対応など今後の戦略の変化を見極めたいとのムードは強く、積極的に上値を追う姿勢は限られた。取引開始後にドル円相場が1ドル=129円台後半でやや円高方向に振れたことが重荷となって、トヨタ株は一時下げに転じる場面もある。

■ナノキャリア <4571>  232円  +50 円 (+27.5%) ストップ高買い気配   11:30現在
 ナノキャリア<4571>はストップ高カイ気配。26日の取引時間終了後、アクセリード(東京都港区)とmRNA医薬品の研究開発・製造に関する包括的協業関係に関する契約を締結したと発表。これを材料視した買いが集まったようだ。アクセリードは武田薬品工業<4502>の創薬プラットフォームを承継して事業を開始したAxcelead Drug Discovery Partnersなどを傘下に持つ。ナノキャリアはmRNA医薬品の技術、知的財産(IP)の創出などを通じた新たなビジネスを展開するうえで、外部リソースを最大限活用していく。

■ミナトホールディングス <6862>  523円  +80 円 (+18.1%) ストップ高   11:30現在
 ミナトホールディングス<6862>が急騰。同社は26日取引終了後、23年3月期から27年3月期までの中期経営計画を発表、最終年度となる27年3月期に売上高480億円(前期実績は245億7800万円)、営業利益25億円(同7億8300万円)を目指す。またROEは15%以上、自己資本比率は30%以上を目標に置いている。この野心的な経営計画を評価する買いが集中した。時価予想PERが8倍台でPBR0.8倍前後と現状でも割安感が強いだけに、株価の水準訂正余地に着目した投資資金を誘導している。

■トラースOP <6696>  523円  +80 円 (+18.1%) ストップ高買い気配   11:30現在
 トラース・オン・プロダクト<6696>がストップ高カイ気配。同社は26日取引終了後、自社開発した人工知能(AI)による電力削減ソリューション「AIrux8」の国内最初の販売パートナーとして、今月から加賀電子<8154>に提供を開始すると発表。これが材料視されているようだ。「AIrux8」は、人感センサーを組み込んだ「Node(ノード)」と呼ばれる集中コントローラー装置を通して、施設内の混雑状況や不在状況などのデータを取得し、AIで解析。状況に応じて、施設内に設置されたIoT照明設備と通信し、各照明のエリアグループごとに時間帯、営業稼働日、季節により照明の明るさを自動制御する。既に東南アジアを中心にDBS銀行、ホテル・オフィスビル・商業施設などへの導入を進めており、日本市場に向けた展開も検討していた。

●ストップ高銘柄
 エコモット <3987>  566円  +80 円 (+16.5%) ストップ高   11:30現在
 など、4銘柄

●ストップ安銘柄
 なし

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