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【注目】前日に「買われた株!」総ザライ ―本日につながる期待株は?―

エーザイ <日足> 「株探」多機能チャートより

■エーザイ <4523>  6,784円 (+1,000円、+17.3%) ストップ高

 東証プライムの上昇率トップ。エーザイ <4523> [東証P]がストップ高。同社は28日、米バイオジェン <BIIB> と開発するアルツハイマー病の治療薬候補「レカネマブ」に関して、1795人の早期アルツハイマー病当事者を対象としたグローバル大規模臨床第3相臨床試験(CLARITY AD試験)で統計学的に高度に有意な臨床症状の悪化抑制を示し、主要評価項目を達成したと発表した。同社では、本試験結果をもとに22年度中の米国フル承認申請、および日本、欧州での承認申請を目指すとしている。

■タカトリ <6338>  3,255円 (+385円、+13.4%)

 タカトリ <6338> [東証S]が続急騰。28日午前10時ごろ、海外企業からパワー半導体向けSiC材料切断加工装置の大口受注を獲得したと発表しており、これが好感された。受注金額は約26億3700万円で、23年9月期及び24年9月期上期に売上計上する予定としている。

■シスメックス <6869>  8,383円 (+738円、+9.7%)

 東証プライムの上昇率2位。シスメックス <6869> [東証P]が続急伸。一時800円を超える急騰をみせ8475円まで上値を伸ばす場面があった。検体検査機器の大手でグローバル展開しており、海外売上比率は8割を超えるなど世界を舞台に活躍している。27日、尿検査装置の新モデルを発売したことを発表、旗艦モデルの小型機種で、新興国や先進国の中小規模病院向けの需要獲得を見込んでいる。同社は1995年に世界で初めてフローサイトメトリー法を活用した尿中有形成分の自動定量分析を実用化し、以降は尿沈渣検査分野の技術進展に大きく貢献してきた実績がある。株価は7月下旬以降に調整色を強め、前日27日はザラ場に7500円台まで売られ、年初来安値をつけた5月12日以来の安値をつけていただけに、目先リバウンド狙いの買いも流入した。

■トピー <7231>  1,437円 (+125円、+9.5%)

 東証プライムの上昇率3位。トピー工業 <7231> [東証P]が5日ぶりに急反発。27日の取引終了後、非開示だった23年3月期上期(4-9月)の連結業績は売上高1600億円(前年同期比27.9%増)、経常損益23億円の黒字(前年同期は15億8800万円の赤字)になりそうだと発表。国内自動車生産台数の減少や石炭価格の上昇などの影響があるものの、原材料やエネルギーコストを反映した販売価格の適正化に加え、建設機械用足回り部品や鉱山向け超大型ホイールの堅調な需要の取り込みなどで吸収する。また、構造改革などによるコスト改善も利益回復につながるという。併せて、従来無配としていた上期配当を20円(前年同期は無配)実施し、下期配当は従来計画の70円から50円に修正することも発表している。

■Aバランス <3856>  2,131円 (+145円、+7.3%)

 Abalance <3856> [東証S]が急反発。28日午後2時20分に、24年6月期を最終年度とする中期経営計画の目標値を上方修正すると発表しており、これが好感されたようだ。世界的な再生エネルギー需要の拡大が追い風となり、22年6月期の連結売上高が前の期比3.4倍超に膨らんだことを踏まえ、24年6月期の売上高目標を1500億円(従来は590億円)へ、営業利益目標を45億円(従来は36億円)へそれぞれ引き上げた。

■ラサ商事 <3023>  1,004円 (+54円、+5.7%)

 ラサ商事 <3023> [東証S]が5日ぶりに急反発。同社は鉱物資源や機械を取り扱う専門商社だが、足もとの業績は会社側想定を上回って推移している。資源高に伴い、材料の販売価格が上昇し利益率向上をもたらしている。27日取引終了後、23年3月期通期業績予想の修正を発表、営業利益は従来予想の19億円から23億円(前期比10%減)に上方修正し、今期の年間配当も従来計画の50円から58円に大幅増額した。これにより、配当利回りは前日終値換算で6%強と高水準。収益見通しと配当計画の上乗せが好感される形で投資資金が流入した。

■オンワード <8016>  302円 (+15円、+5.2%)

 東証プライムの上昇率8位。オンワードホールディングス <8016> [東証P]が続急伸し300円台に復帰、1月14日につけた年初来高値320円を視界に入れる展開となった。27日取引終了後、同社は23年2月期業績予想の上方修正を発表した。営業利益は従来予想の21億円から41億円(前期実績は10億7900万円の赤字)にほぼ倍増する見通しとなった。値引き販売の抑制に加えて経費圧縮などの合理化努力が結実したほか、eコマースの成長やeコマース対象商品を含めた実店舗の商品ラインアップ拡充が収益押し上げに貢献している。足もとで業績の回復色が強まっていることを好感する買いを呼び込んだ。

■VIX短先物 <1552>  2,430円 (+108円、+4.7%)

 国際のETF VIX短期先物指数 <1552> [東証E]が大幅反発。同ETFは「恐怖指数」と称される米VIX指数とリンクしており、米国市場の波乱時には上昇する特性を持つ。27日の米VIX指数は前日27日に比べ0.34(1.05%)ポイント高の32.60に上昇した。一時34.14と6月中旬以来、約3ヵ月ぶりの水準まで値を上げた。同日の米国の10年債利回りが一時3.99%まで上昇したことが警戒されNYダウは6日続落し、年初来安値を更新した。こうしたなか、東京市場ではVIX短先物が値を上げた。

■グリー <3632>  892円 (+33円、+3.8%)

 グリー <3632> [東証P]が大幅反発。27日、子会社のREALITYを通じてブロックチェーンゲームの開発及びパブリッシングを目的にWeb3事業に参入すると発表しており、これを好感する買いが入った。今回のWeb3参入により、同社が持つノウハウや経験を生かし、 ブロックチェーンゲームの開発及びパブリッシング、有力ブロックチェーンのバリデーターノードの運営を行うほか、有力なWeb3プロジェクトへの出資や提携も視野に入れている。また、ブロックチェーンゲームの開発に向けて、Web3人材の採用を開始するという。

■ガーラ <4777>  614円 (+22円、+3.7%)

 ガーラ <4777> [東証S]が大幅続伸。同社は欧米向けを主軸にオンラインゲームの開発を主力とし、スマートフォンゲーム開発にも力を入れている。 メタバース分野への展開にも虎視眈々で、27日取引終了後には、韓国・淑明女子大学校の就職フェアでメタバースキャンパスプラットフォーム「Meta School」のβ版を提供することを発表しており、これを手掛かり材料に短期資金が集結する格好となった。

■レッド <3350>  58円 (+2円、+3.6%)

 レッド・プラネット・ジャパン <3350> [東証S]が大幅続伸。超低位株の強みを発揮して短期志向の個人投資家など投機性の強い資金を誘導、一時20%を超える上昇で68円まで上値を伸ばした。同社は音楽CD販売などから撤退し事業を再建中。東京と札幌などで訪日外国人観光客を対象とする格安ホテルを複数運営しており、インバウンド関連の一角として人気素地を開花させている。またメタバース関連分野への展開も図っており、前日27日取引終了後にはWeb3やブロックチェーン、NFTなどの先端技術を活用した事業を展開する子会社を2社設立することを発表、これが株価を強く刺激した。

■佐藤商 <8065>  1,168円 (+34円、+3.0%)

 佐藤商事 <8065> [東証P]が大幅続伸。28日午後2時ごろ、23年3月期の連結業績予想について、最終利益を42億円から56億円(前期比39.4%増)へ上方修正したことが好感された。賃貸用不動産を譲渡することに伴い固定資産譲渡益約21億円を特別利益として計上することが要因。同社では事業拡大を目的とした子会社における事業用地の取得予定に伴い、賃貸用不動産を譲渡することで資産の入れ替えを実施するとしている。なお、売上高2650億円(同12.2%増)、営業利益55億円(同4.1%減)は従来見通しを据え置いている。

■INC <7078>  1,140円 (+33円、+3.0%)

 INCLUSIVE <7078> [東証G]が大幅高で4日続伸。27日に、資本提携先であるロケット開発ベンチャーのインターステラテクノロジズ(北海道大樹町)が、全産業参加型の宇宙開発プログラム「みんなのロケットパートナーズ」に、東京海上ホールディングス <8766> [東証P]傘下の東京海上日動火災保険が新たに参画したと発表。これが刺激材料になったようだ。東京海上日動はインターステラが開発・製造する超小型人工衛星打ち上げロケット「ZERO」のグローバル展開などを支援するという。

■Aiming <3911>  296円 (+7円、+2.4%)

 Aiming <3911> [東証G]が続伸。28日寄り付き前、新作3DアニメーションRPG「陰の実力者になりたくて!マスターオブガーデン」について、公式サイト及びSNSなどを公開したと発表しており、これが好感された。「陰の実力者になりたくて!」は逢沢大介氏による人気ウェブ小説。シリーズ累計200万部超の主人公最強×圧倒的中二病×勘違いシリアスコメディーで、10月5日からテレビアニメの放送・配信を予定している。また、同社は同アニメーション政策委員会に出資したことも明らかにした。ゲームの配信時期は今年中を予定しており、10月以降の同件による業績予想への影響は今後開示するとしている。

■塩野義 <4507>  6,725円 (+72円、+1.1%)

 塩野義製薬 <4507> [東証P]が6日ぶりに反発。28日午前11時ごろ、新型コロナウイルス感染症の経口抗ウイルス薬として開発中のエンシトレルビル フマル酸について、第2/3相臨床試験のフェーズ3パートにおいて、主要目的を達成したと発表しており、今後の展開に期待する買いが流入した。同試験は、同薬を1日1回、5日間経口投与した際の臨床症状の改善効果を検証することが主目的で、その結果として軽症/中等症患者において、重症化リスク因子の有無にかかわらずオミクロン株に特徴的な5症状が消失するまでの時間をプラセボに対して有意に短縮した。また、投与4日目(3回投与後)におけるウイルスRNA量を有意に減少させ、優れた抗ウイルス効果を確認したとしている。なお、23年3月期の連結業績予想に与える影響は未定としている。

■サイボウズ <4776>  1,400円 (+15円、+1.1%)

 サイボウズ <4776> [東証P]が続伸。27日の取引終了後に発表した8月度の月次業績推移で、売上高が前年同月比23.7%増の18億7000万円、営業利益は同86.6%増の3億6700万円となったことが好感された。営業利益が前年実績を上回るのは3ヵ月ぶりとなる。主力のクラウド関連事業の売上高が同24.1%増の15億9600万円と引き続き好調だったことがけん引した。

※28日の上昇率が大きかった銘柄を株価変動要因となった材料とともに抜粋。

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