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【市況】【杉村富生の短期相場観測】 ─利上げは来年早々に打ち止めか?

経済評論家 杉村富生

「利上げは来年早々に打ち止めか?」

●世界はコロナのパンデミックをほぼ克服!

 NY市場は波乱含み。FRB(米連邦準備制度理事会)は9月21日のFOMC(連邦公開市場委員会)において、0.75%の利上げを決めた。6月、7月に続く0.75%の大幅利上げだ。ただ、ここまでは株価に織り込まれていたと思う。問題は今後の金利見通しだろう。これは年内に4.375%、来年には4.625%(政策担当者)と引き上げられている。

 マーケットはこれを「想定外」と受け止めたようだ。21日のNYダウは522ドル(1.70%)安、ナスダック指数は204ポイント(1.79%)安と急落した。ドル指数は111.63と20年ぶりの高値になった。円・ドルは1ドル=141円前後の円高だ。22日、145円を突破された段階で当局が「円買い」介入を行った。今後も介入するという。

 原油価格(WTI)は1バレル=82ドル台に低下している。これは世界景気の減速、需要減を反映したものだろう。一方、金利見通しを前提にすると、利上げは「来年早々に打ち止め」(ピークアウト)ということになる。それに、新型コロナウイルスのパンデミック(世界的大流行)はほぼ収束した。むしろ、こちらを評価するべきではないか。

 実際、モデルナ<MRNA>、ファイザー<PFE>、ビオンテック<BNTX>などワクチンメーカーの株価が“崩れ足”になっている。半面、ラスベガス・サンズ<LVS>、ノルウェージャン・クルーズ・ライン・ホールディングス<NCLH>などカジノ、クルージングの株価が上昇している。これは大きな変化である。

●テクニカル的には売られ過ぎゾーンに突入!

 とはいえ、現状は各国中央銀行が利上げ、QT(量的金融引き締め)を継続、株式市場がベア(弱気)マーケットなのに変わりがない。ウクライナ情勢は不透明だ。ロシアは予備役30万人を動員するという。2月の侵攻以来、ロシア軍の死者は8万~10万人に達し、脱走が相次いでいるらしい。プーチン大統領のイライラは募るばかりだろう。

 いずれにせよ、この局面は個別銘柄対応が有効である。この基本戦術は不変だ。何を狙うか。コスモスイニシア <8844> [東証S]はマンション中堅だが、商業ビル「クロスシービル」、オーストラリアの住宅販売、 ホテル事業など多彩に展開している。筆頭株主は大和ハウス工業 <1925> [東証P]だ。発行済み株式数の63.19%を保有している。

 ホテル事業は「MIMARU」ブランドだ。ユニークなのは長期滞在型の都市型アパートメントタイプであること。家族連れ、グループの訪日客(インバウンド→特に、中国人?)を意識しているのは明らか。なにしろ、キッチン、調理器具、大型冷蔵庫、ホテル内にはコインランドリーがある。

 業績は好調に推移している。2023年3月期は16.4%増収、最終純益は29.1%増を見込んでいる。1株利益は65.6円となる。営業利益は35億円の予想だ。中期経営計画では27年3月期に「営業利益100億円」を目標にしている。これが達成できると、1株利益は何と、「約190円」になる。

 このほか、話題のLNG(液化天然ガス)関連(基地建設)のクリヤマホールディングス <3355> [東証S]、キッツ <6498> [東証P]、住友精密工業 <6355> [東証S]、明星工業 <1976> [東証P]などに注目できる。ヨーロッパはLNGの受け入れ、アメリカはLNGの輸出に向け、港湾設備の建設を急ピッチで進めている。

 さらに、日本電波工業 <6779> [東証P]、アドベンチャー <6030> [東証G]、M&A総合研究所 <9552> [東証G]は狙える。なお、全般相場はテクニカル的には売られ過ぎゾーンに突入している。ここはNEXT FUNDS 日経平均レバレッジ・インデックス連動型上場投信 <1570> [東証E]を買ってみるのはどうか。

2022年9月22日 記

株探ニュース


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