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【注目】話題株ピックアップ【昼刊】:東電HD、郵船、大塚HD

東電HD <日足> 「株探」多機能チャートより
■東電HD <9501>  509円  +32 円 (+6.7%)  11:30現在  東証プライム 上昇率6位
 東京電力ホールディングス<9501>が大幅高で5連騰と気を吐いている。きょうは約7%高で500円台に復帰し、5月9日につけた年初来高値を視野に入れている。今年は猛暑の影響もあって電力不足が警戒されているが、きょうの午後3時から午後6時の間、東京電力管内で初の需給逼迫注意報が発令され、これによる電力のスポット価格上昇に対する思惑が株価を強く刺激する格好となった。「電力需給逼迫問題は、近い将来の原発再稼働に対する思惑にもつながることで、株高期待が高まりやすい」(中堅証券ストラテジスト)という見方も出ている。

■日本郵船 <9101>  9,590円  +450 円 (+4.9%)  11:30現在
 日本郵船<9101>が一時460円高の9600円まで買われたほか、川崎汽船<9107>も610円高の8490円に買われるなど海運株への買いが顕著となっている。今月中旬以降、海運株は下値模索の動きを強めていたが、足もと売り一巡感からリバウンドに転じている。きょうは業種別指数でも「海運」は33業種中値上がり率トップに買われている。コンテナ船市況高騰による収益メリットの株価への織り込みが進んだ一方、ここ最近は、鉄鉱石や石炭、穀物などを運ぶばら積み船市況の総合的な値動きを表すバルチック海運指数の下落基調が目立っていたことから、中国景気減速に対する警戒感などが株価の上値を重くしていた。ただ、ファンダメンタルズ面からのアプローチで下値限界感も台頭。PERは2倍前後と超割安で、なおかつ23年3月期も高株主還元姿勢を維持、抜群の高配当利回りに着目した押し目買いの動きが足もとで顕在化している。

■ミスミグループ本社 <9962>  2,921円  +134 円 (+4.8%)  11:30現在
 ミスミグループ本社<9962>は3連騰。前週末24日の取引終了後に発表した5月の月別売上高が前年同月比5.9%増と3カ月ぶりに前年実績を上回っており、これが好感されている。流通事業であるVONA(ヴォーナ)事業が同5.4%増、FA事業が同5.7%増、金型部品事業が同7.2%増と全事業がそろって伸長した。

■大塚ホールディングス <4578>  4,747円  +195 円 (+4.3%)  11:30現在
 大塚ホールディングス<4578>が続伸し、連日で年初来高値を更新している。この日、子会社である大塚製薬がデンマークのH.ルンドベック社と共同開発した抗精神病薬「ブレクスピプラゾール」について、アルツハイマー型認知症に伴う行動障害を対象としたグローバルフェーズ3試験で主要評価項目を達成し有効性を確認したと発表しており、これが好感されている。試験結果速報によると、アルツハイマー型認知症に伴う行動障害症状を有する患者に対して、プラセボ投与群と比較して統計学的な有意差をもって有効性を示したという。また、全般的に良好な忍容性を示し、新たな安全性の懸念は認められなかったともしている。

■三菱重工業 <7011>  4,710円  +159 円 (+3.5%)  11:30現在
 三菱重工業<7011>が3日ぶりに反発。前週は大きく値を崩し、週間でプライム市場の大型株のなかで値下がり率首位となるなど、大口の売りに晒される展開となった。同社株は年初から一貫した上昇トレンドを形成しその強さが話題となっていただけに注目を浴びたが、中長期波動の分水嶺である75日移動平均線を下ヒゲで下回る水準まで売られたことで、目先は値ごろ感からの買い戻しや押し目買いが活発化している。世界的な防衛費増強の動きを背景に、日本でも岸田首相がバイデン米大統領との首脳会談後に防衛費の大幅増額について約束、これを受け防衛省との取引額で群を抜く同社株に追い風材料となっていた。また、クリーンエネルギー関連としても注目されており、直近では前週23日に、再生可能エネルギーから水素を製造する装置を手掛ける米新興企業に欧米5社と共同で出資することを発表、同分野での新たな展開に思惑が浮上している。

■日本マイクロニクス <6871>  1,316円  +40 円 (+3.1%)  11:30現在
 日本マイクロニクス<6871>が続伸している。前週末24日の取引終了後、青森工場(青森県平川市)に新棟を建設すると発表しており、業績への貢献を期待した買いが入っているようだ。青森工場では現在、主にメモリー半導体向けのアドバンストタイプ(MEMS技術)のプローブカードを製造しているが、フル生産の状況が継続していることや、データセンター関連投資の継続による更なる半導体需要の拡大が予想されることから新棟建設を決めたという。投資額は約110億円の予定で、23年5月に着工し、24年8月の竣工を予定している。

■日清紡ホールディングス <3105>  1,080円  +26 円 (+2.5%)  11:30現在
 日清紡ホールディングス<3105>が4日ぶりに反発している。26日付の日本経済新聞朝刊で、「100億円を投じ、2024年末に国内で燃料電池の基幹部品をつくる新工場を建てる」と報じられており、これが好材料視されている。記事によると、新工場は千葉市内の既存拠点に設け、燃料電池向けセパレーターを製造するという。脱炭素対応で成長が期待される燃料電池の需要を取り込むのが狙いで、拠点内の既存の生産設備も増強し、生産能力を年600万枚と現行の3倍に引き上げるとしており、将来的な業績への貢献が期待されている。

■浜松ホトニクス <6965>  5,530円  +110 円 (+2.0%)  11:30現在
 浜松ホトニクス<6965>が続伸している。同社は24日取引終了後に、欧州子会社を通じてデンマークのレーザー装置メーカー、NKTフォトニクスを買収すると発表。これによるシナジーなどが期待されているようだ。NKTフォトニクスは、超短パルスレーザー増幅用、ファイバー転送用の独自のフォトニック結晶ファイバー製造技術を持つファイバーレーザーメーカー。ホトニクスは化合物半導体製造技術をベースとしたレーザーダイオード事業を得意としており、NKTフォトニクスとは補完的な関係になるという。なお、取得価額は約295億円で、株式譲渡実行日は来年3月31日を予定している。

■東京エレクトロン <8035>  47,610円  +880 円 (+1.9%)  11:30現在
 東京エレクトロン<8035>、レーザーテック<6920>など半導体製造装置の主力株が揃って上昇している。前週末の米国株市場では、ハイテク株への買い戻しが加速したが、特に半導体関連セクターへの資金流入が顕著だった。半導体銘柄で構成されるフィラデルフィア半導体株指数(SOX指数)は4.4%高と大きく上昇しており、これを受けて東京市場でも同関連株への買い戻しが加速している。東エレクは今月7日から20日にかけて10営業日連続下落で、この間に約1万5000円も水準を切り下げていたが、前週は突っ込み警戒感からの買い戻しで戻り歩調に転じていた。週明けもその流れを引き継ぐ形となっている。

■サッポロHD <2501>  2,978円  +31 円 (+1.1%)  11:30現在
 サッポロホールディングス<2501>は一時5%超高に買われ、連日での年初来高値更新。不安定相場のなか買い安心感のあるディフェンシブ銘柄としての側面をはじめ、製品値上げによって収益力確保を図れるインフレ耐性セクターとしての位置づけから食品株の魅力が高まっている。なかでもビール株は、ここ猛暑への警戒が呼びかけされるなかにあってサマーストックとしての観点からも関心を集めており、サッポロHDも強い動きを続けてきた。前週末24日には米ビールメーカーの買収を発表しており、北米事業の拡大によるグローバル展開の加速を期待した買いも入っているようだ。

■三菱UFJ <8306>  736.8円  +0.4 円 (+0.1%)  11:30現在
 三菱UFJフィナンシャル・グループ<8306>などメガバンクや第一生命ホールディングス<8750>など大手生保株が揃って堅調な値動きをみせている。前週末の米国株市場ではゴールドマン・サックス<GS>が5.8%高に買われたのをはじめ大手金融株が軒並み大きく株価を上昇させた。FRBが公開したストレステストの結果は、すべての銀行が不況時にも最低限必要な自己資本を維持できるとの判断で、これが株式市場で好感される格好となった。米長期金利はひと頃と比べ上昇に歯止めがかかっているものの、先高期待は根強く、引き続き運用環境改善に向けた期待も株高を後押ししている。東京市場でも米国事業を手掛けるメガバンクや大手生保は、この流れに乗る銘柄として投資資金を引き寄せている。

■ザインエレクトロニクス <6769>  1,292円  +248 円 (+23.8%)  11:30現在
 ザインエレクトロニクス<6769>の上昇波鮮烈。一時ストップ高まであと6円に迫る294円高の1338円まで駆け上がり大発会でつけた年初来高値1229円を上抜いた。同社は特定用途向け半導体を自社ブランドで独自開発するファブレス半導体メーカーで、その技術力に定評がある。前週22日朝方に、同社のV-by-OneHS技術が、米画像処理半導体大手エヌビディア<NVDA>の業界最新最高機能のゲーミングモニターを駆動するG-SYNCプロセッサーに採用されたことを発表、これを材料視した投資資金が集中し、前週は22日と23日に2日連続ストップ高を演じる人気となった。きょうも、上値を見込んだ買いが流入している。市場では「同社の技術がエヌビディア最新商品に採用されたことは、直接的な収益メリット以上に、これが実績として評価されることが大きく、エレクトロニクス化が進む自動車などをはじめ多方面から引き合いが活発化する可能性がある」(中堅証券ストラテジスト)という声が聞かれた。

■シンワワイズ <2437>  1,477円  +246 円 (+20.0%) 一時ストップ高   11:30現在
 Shinwa Wise Holdings<2437>の上昇が止まらない。一時300円高はストップ高となる1531円まで上値を伸ばし、株式分割考慮で2007年12月以来、約14年半ぶりの1500円台乗せを果たした。美術品公開オークションの企画・運営で業界首位に位置するが、投資サロンやアートファンドの組成に積極的な構えをみせるほか、メタバース分野への展開にも注力姿勢を示している。特に、設立した子会社を通じて仮想空間における江戸の町「江戸バース」製作に経営資源を投下、今後の展開に期待が大きい。前週22日には、7月7日に販売する土地NFTの日本円で購入する方法を発表し、一部投資家の注目を呼んだ。

■ラストワンマイル <9252>  712円  +100 円 (+16.3%) ストップ高買い気配   11:30現在
 ラストワンマイル<9252>が寄り付き大量の買い注文に商いが成立せず、カイ気配スタートでそのまま株価水準を切り上げている。同社は電気やガスなどのライフラインの契約代行サービスを行っている。前週末24日取引終了後、コールセンター事業を展開するブロードバンドコネクション(札幌市中央区)の全株式を取得(取得金額は約3億円)し子会社化することを発表、これによる業容拡大期待から投資資金を呼び込む格好となっている。ブロードバンドコネクションはラストワンマイルの連結子会社となる予定で、22年8月期の業績に与える影響については現在精査中としている。

■アイスコ <7698>  1,786円  +192 円 (+12.1%)  11:30現在
 アイスコ<7698>が大幅続伸している。日本気象協会は24日、「2022年梅雨明け予想」で、今年の梅雨明けは異例の早さとなり、九州南部から東北南部にかけて「6月下旬」になると予想。また、梅雨明けのあとは危険な暑さに警戒してほしいとしており、アイス卸を手掛ける同社に思惑的な買いが入っているようだ。

●ストップ高銘柄
 ビーマップ <4316>  603円  +100 円 (+19.9%) ストップ高   11:30現在
 エムティジェネックス <9820>  3,270円  +503 円 (+18.2%) ストップ高買い気配   11:30現在
 PSS <7707>  543円  +80 円 (+17.3%) ストップ高   11:30現在
 など、4銘柄

●ストップ安銘柄
 なし

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