【市況】今週の【早わかり株式市況】3週ぶり上昇、米長期金利の上昇一服で週央から買い優勢
日経平均 <週足> 「株探」多機能チャートより
■今週の相場ポイント
1.日経平均は3週ぶりに上昇、週前半下げるも週央以降に急反騰するハイボラ相場
2.米インフレ懸念を背景に、ハイテク株など米長期金利の動向に神経質な地合い
3.中国の主要都市ロックダウンによる、世界経済への影響を警戒した売りも重荷
4.米CPI発表後の週央に相場展開は様変わり、日経平均は大幅高で切り返しへ
5.週末は手控えムードで軟調な値動きとなったが、2万7000円大台はキープ
■週間 市場概況
今週の東京株式市場で日経平均株価は前週末比107円(0.40%)高の2万7093円と3週ぶりに上昇した。
今週は米経済指標やFRB(米連邦準備理事会)高官の発言などに振り回され、日経平均は不安定な値動きとなったが、週央以降は空売り筋の買い戻しが顕在化し急速な戻り足に転じた。ただ、米国株市場では米長期金利の上昇を嫌気する形でハイテク株への売りが目立っており、東京市場でも日経平均2万7000円台では戻り売り圧力が意識され、週末は再び手控えムードに。
11日(月)は売り優勢に傾き日経平均が反落。前週末の米国株市場では米長期金利上昇を背景にハイテク株が売りに押され、ナスダック市場の弱さが目立ったことで、東京市場でも主力ハイテクセクター中心に逆風が強まった。途中プラス圏に浮上する場面もあったが、買いは続かず、後場は終始軟調な展開に。12日(火)はリスクオフの流れが加速し、日経平均は一時500円を超える下げをみせた。依然不透明なウクライナ情勢や、ゼロコロナ政策をとる中国での主要都市ロックダウンによる世界経済への影響も警戒された。日本時間の同日夜に発表が予定される3月の米CPI(消費者物価指数)の結果を見極めたいとの思惑も見送りムードに拍車をかけた。しかし、13日(水)はガラッと地合いが変わることに。米CPIの結果が予想の範囲内にとどまり、インフレ懸念がやや後退し米長期金利上昇が一服したことが好感された。また、中国で新型コロナ感染拡大に歯止めがかかり、一部でロックダウンが緩和されたことも市場のセンチメント改善に貢献した。日経平均は急反発し、取引終了時点で500円を超える上昇をみせた。そして14日(木)も先物主導でリスクオフの巻き戻しの動きが続いた。前日の米国株市場でNYダウなど主要株価指数が揃って上昇したことや、中国株や香港株が強い動きを示したことも投資家心理にプラスに働いた。週末15日(金)は週末で手仕舞い売りが出る形で日経平均は反落。同日夜の欧米株市場や週明けの欧州市場などが休場ということもあって手控え感を助長したが、2万7000円大台は維持した。
■来週のポイント
来週は決算発表の本格化を控えて様子見姿勢が強まり方向感に欠ける展開が想定される中、接近している75日移動平均線を上抜けるかが注目される。
重要イベントとしては、国内では20日朝に発表される3月貿易統計や22日朝に発表される3月全国消費者物価指数が注目される。海外では18日発表の中国1-3月期GDPや21日-22日に開催されるG7財務相・中央銀行総裁会合に注視が必要だろう。
■日々の動き(4月11日~4月15日)
【↓】 4月11日(月)―― 反落、米金利上昇とハイテク株安を受け売り優勢
日経平均 26821.52( -164.28) 売買高11億4889万株 売買代金 2兆5014億円
【↓】 4月12日(火)―― 大幅続落、米長期金利の上昇を警戒した売りが継続
日経平均 26334.98( -486.54) 売買高11億7586万株 売買代金 2兆6353億円
【↑】 4月13日(水)―― 急反発、米金利低下を好感し主力株中心に買い優勢
日経平均 26843.49( +508.51) 売買高11億6582万株 売買代金 2兆8239億円
【↑】 4月14日(木)―― 続伸、米株高やアジア株堅調で2万7000円台を回復
日経平均 27172.00( +328.51) 売買高10億1005万株 売買代金 2兆3422億円
【↓】 4月15日(金)―― 3日ぶり反落、ハイテク株軟調も売り一巡後は下げ渋る
日経平均 27093.19( -78.81) 売買高 8億8006万株 売買代金 2兆0448億円
■セクター・トレンド
(1)全33業種中、21業種が値上がり
(2)INPEX <1605> など鉱業が値上がり率トップ
(3)東電HD <9501> を中心に電力株が買われた
(4)金融株はかんぽ生命 <7181> など保険、みずほFG <8411> など銀行、クレセゾン <8253> などその他金融が上昇も
大和 <8601> など証券は下げた
(5)日本製鉄 <5401> など鉄鋼、三井金 <5706> など非鉄金属といった市況関連は堅調
(6)内需株は三井不 <8801> など不動産、JR東日本 <9020> など陸運、日揮HD <1963> など建設が高いも
イオン <8267> など小売り、リクルート <6098> などサービスは安い
(7)HOYA <7741> など精密機器、ソニーG <6758> など電機といったハイテク株は売られた
■【投資テーマ】週間ベスト5 (株探PC版におけるアクセス数)
1(1) メタバース
2(2) 円安メリット ── 20年ぶり水準で輸出関連株をマーク
3(13) 人工知能 ── 「AI関連株」爆速上昇ステージへ、上値期待膨らむ「特選6銘柄」
4(3) 半導体
5(10) 量子コンピューター
※カッコは前週の順位
株探ニュース