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【市況】【北浜流一郎のズバリ株先見!】 ─苦境から這い上がる「危機克服」銘柄を見直す!

株式アドバイザー 北浜流一郎

「苦境から這い上がる『危機克服』銘柄を見直す!」

●9連騰のなぜ、環境は“最悪”だったのか?

 日経平均株価は週末25日まで実に9連騰している。約2年半ぶりとはいえ9連騰ぐらい珍しくない――こうした指摘もあろう。だが、ウクライナでは戦火が拡大し多くの人々が死の恐怖に震えており、米国で政策金利の0.25%引き上げが決まった、こんな状況を考えると、単に数日でなく9連騰もするのは、ただただ意外ではないだろうか。

 私は外部環境が最悪な局面でも、「自律反発は必ずあるので、いまはそれを待った方がよい。持ち株は持続」とひたすら繰りかえしてきた。実際にその通りになったので満足ではあるのだが、正直9連騰を予見できたわけではない。

 前述したような状況を考えると、こんなことなど普通はあり得ない。こう考えるのが自然であり、数日上がって反落、そしてまた反発と、この繰り返しになると見ていたのが、実際は9連騰で週明けには10連騰に挑戦する。しかも、9連騰の上げ幅は3000円に迫るものとなった。これだけ上がったら当然、利益確定売りが出ても不思議ではなく、週末は下げると見ていたのだが、実際には小幅高して9連騰を達成したのだ。

 だが、外部環境にじっくり考えを巡らすと、これは納得できる。ウクライナ情勢がどうなるかは読みづらいが、長期的な視点からはロシアの将来は最早なく、世界経済の枠組みから外れた国として扱われるからだ。

 そうなると、市場の関心は米国の金融政策に集中することになる。現状、政策金利は0.25%で引き上げ開始、年内あと6回の引き上げがあることになっている。

 ただ、上げ幅が問題だ。毎回0.25%とは限らず、0.5%もあり得ることになっており、早くも5月はそうなる可能性があることをパウエルFRB議長は示している。

 米国の金融政策については、議長もそうだが、地区連銀の総裁たちがしょっちゅう、あれこれ自説を表明する。そのため、マスコミがそれに飛びついて大々的に報じることで市場は大きく上下にブレてしまう。

 特に0.5%や0.75%引き上げの話が出てくると、下げてしまうことが多いのだが、大事なのはそこでの株価下落は押し目、買い場になるということだ。

 米国の利上げは日本経済にとっては必ずしもマイナスではないからだ。ドル高・円安要因となることで、輸出関連株、つまりハイテク、自動車設備投資関連株などを押し上げてくれる。

 加えて、銀行株も。こちらはドル高・円安とは直接リンクしないが、米国の金利が上昇するというだけで連動高するのが普通なので、手掛けやすいのも魅力だ。

●苦境を乗り越えていく企業は強い

 さて、こんな状況下での注目銘柄だが、前述したセクターの関連銘柄はすでにあれこれ取り上げてきたので、異なる分野に目を向けたい。

 それは苦境から這い上がりつつある銘柄群だ。具体的にはまずはコカ・コーラ ボトラーズジャパンホールディングス <2579> だ。この会社が苦境にあったといえば信じてもらえないかもしれない。しかし、実に19年12月期以降、最終損益は赤字続きなのだ。それがようやく赤字幅が縮小、そして23年12月期は黒字転換もあり得るのではと期待できそうなところまできている。株価は当面、今期の赤字縮小に期待して浮上が見込める。

 株価はすでに上昇中ながら、寿スピリッツ <2222> も苦境を脱しつつある。地域限定菓子に強い会社で、全国各地の観光地で需要は絶好調だったが、コロナ禍で苦境に陥った。しかし、国内観光客が戻りつつある上に、ネット通販で盛り返してきており、株価は続伸する確率が高いと見てよい。

 バーバリーとの契約が終了してしまって以来(15年6月)、存亡の危機が続いた三陽商会 <8011> も、何とか生き延び、ようやく22年2月期は最終黒字が見込めるようになっている。株価はすぐにどんどん上がるというわけにはいかないものの、2進1退高が見込める状況だ。

 同じくファッション業界では、カジュアル衣料品店「グローバルワーク」を展開しているアダストリア <2685> も現在の水準ならばリスクが低い。飲食業界へ進出するなど、積極経営は今後評価されそうだ。

 すでに株価は上昇中ながら、コニカミノルタ <4902>も20年3月期以降、赤字転落から浮上できずにいた。22年3月期もなお赤字が残ってしまう恐れがあるが、23年3月期は黒字転換の可能性が高い。複合機需要の回復が見込めるからで、株価は目先反落があってもすぐの回復続伸が見込める。

 最後に、以上のような観点を外れた銘柄を。中小企業のM&Aに強い日本M&Aセンターホールディングス <2127> になる。不正会計処理の発覚で株価は大きく売り込まれてしまったが、過年度決算は修正され、関与者80人以上が処分を受けたことで、早くも株価の見直しが始まっている。

2022年3月25日 記


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