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【市況】【村瀬智一が斬る!深層マーケット】4月相場への期待が高まり、リスクテイクに向かうか?!

RAKAN RICERCA 代表取締役 会長 村瀬智一

「4月相場への期待が高まり、リスクテイクに向かうか?!」

●ショートカバーが強まり、日経平均は1月半ば以来の水準を回復

日経平均株価が足元でリバウンド基調を強めている。ウクライナ情勢の緊迫化に伴う原油先物相場の急騰、インフレ抑制に向けた米利上げが警戒され、3月9日には2万4681円まで下落したが、その後は原油相場の調整や米連邦準備制度理事会(FRB)が予想通り0.25%の利上げを実施したことで、アク抜けにつながった。また、期末特有の需給要因も下支えとなるなかショートカバーが強まり、連日の上昇で25日には一時2万8338円と1月半ば以来の水準を回復した。

月末・月初においても、需給面が下支えとなる構図は変わらないだろう。配当再投資の動きは一巡するが、年金基金による株式比率の修正に伴う買い需要が見込まれる。また、テクニカル面では、日経平均株価がボリンジャーバンドの+2σまで上昇したことで過熱感は意識されるものの、底堅い値動きによってバンドは拡大。週足の+2σ(2万9253円)を視野に捉え、52週移動平均線(2万8420円)まで上昇したことで、利益確定売りが入りやすい水準とはいえ、需給面を下支えに年初の高値水準を捉えてくる展開が期待できそうだ。

なお、4月4日からは現在の市場区分から「プライム市場」、「スタンダード市場」、「グロース市場」の3つの新しい区分に東京証券取引所が再編される。TOPIXの算出は現在の構成銘柄が基準となるが、今後、移行期間中に流通株式時価総額などによって除外される銘柄も表れることが想定される。除外されるとパッシブファンドなどによるクローズの動きが予想されるため、基準の達成に向けて企業側の意識も高まりそうである。

また、米国ではナスダック指数が月足ベースで24カ月線までの調整を経て、リバウンドを見せている。過去5年で24カ月線を下回ったのは2018年12月と2020年3月の2回である。いずれも翌月には長い陽線をつけてリバウンドを見せており、今回も4月相場の上昇が期待される。そのため、ハイテク株を中心に米国市場の影響を受けやすい東京市場の4月高への期待にもつながろう。足元ではショートカバーを中心としたリバウンドだったが、今後はリスクテイクの買いが一段と鮮明化する可能性がある。

●来週の活躍期待「注目5銘柄」

◆アスクル <2678>
3月15日に2022年5月期第3四半期累計(21年6月-22年2月)決算を発表。連結営業利益は前年同期比3.4%増の106億円に伸びたが、通期計画を据え置いたことや、新アスクルWebサイトへの追加投資などが嫌気され、翌16日に前日比6.6%安と急落。その後はリバウンド基調を強め、直近の高値水準をほぼ回復。今後はまん延防止等重点措置の解除によって、法人向け需要の拡大が期待されよう。株価は52週移動平均線に上値を抑えられる状況が2月以降続くが、信用買い残高はピーク時から3分の1ほどに減少し、需給整理は進捗しており、抵抗線突破からの一段高を想定。

◆フジミインコーポレーテッド <5384>
最先端半導体デバイス向けCMP製品(ロジック、メモリ向け)やシリコンウエハー向け製品の販売が好調。2月2日に発表した2022年3月期第3四半期累計(4-12月)の連結営業利益は前期比59.5%増の94億円で着地。併せて上方修正した通期計画(従来予想115億円→120億円)に対する進捗率は78.9%となった。株価は2021年12月9日に付けた8100円を高値に調整を続け、3月8日には5830円と21年10月以来の水準まで下落。その後は52週線を支持線として切り返し、足元では13週、26週線を捉えてきている。抵抗線突破からの一段高に期待したい。

◆新光電気工業 <6967>
同社が手掛けるフリップチップタイプパッケージはパソコン・サーバー向けの需要が想定を上回り、リードフレームも自動車向けに受注が増加している。為替レートの想定は1ドル=108円から110円に変更しているが、足元の円安基調により第4四半期(22年1-3月)の業績上振れが期待される。株価は1月4日に付けた5720円をピークに調整し、2月24日には4310円まで下落。ここから反発し、足元でリバウンドの勢いを強めて、今週末25日には1月4日高値5720円を上回っている。

◆DMG森精機<6141>
会社側では、ロシア事業の影響について、グローバル市場における 工作機械需要が好調であることから、他地域でカバーできるとの考えを示している。株価は、ロシアでの工作機械の生産中止が嫌気され、3月8日には1366円まで売られ昨年来安値を更新していた。その後はリバウンドを見せており、直近で25日線を上回ってきている。3%を超える配当の権利落ち後の押し目を狙うスタンスになりそうだ。

◆西松屋チェーン <7545>
2022年2月期の決算発表を3月30日に予定。22日に発表した3月度(2月21日~3月20日)の月次売上高速報は、春物衣料や夏物衣料の売上高が大きく伸びたほか、育児・服飾雑貨が好調に推移し、既存店売上高は前年同月比5.9%増と3カ月連続で前年実績を上回った。まん延防止等重点措置の解除によって外出機会の増加が見込まれるなか、23年2月期業績への期待につながりそうだ。株価は21年4月14日に付けた1864円をピークに、同年12月22日には1311円まで下落。その後は1300円~1500円のボトム圏での推移が続いており、ボックスレンジからの上放れに期待したい。

2022年3月25日 記


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