【市況】【杉村富生の短期相場観測】 ─東京市場はNY市場よりも強いぞッ!
経済評論家 杉村富生
「東京市場はNY市場よりも強いぞッ!」
●需給は全ての材料に優先する!
抜群に強い相場である。3月24日の日経平均株価の値動きがそれを象徴している。朝方は前日(23日)のNYダウの448ドル安を受け、2万7624円(415円安)まで売り込まれたものの、その後は猛烈に切り返し、大引けは70円高の2万8110円(高値引け)だった。市場関係者が「何だ、この買い気は?」とビックリするほど。
しかし、驚くことはない。再三指摘しているように、株式市場は「桜咲く春」を迎えつつある。日経平均株価の直近安値(ザラバベース)は3月9日の2万4681円だ。それが一気に3429円幅、13.9%(NYダウの2月24日安値からの上昇率は8.1%)の急騰劇を演じたことになる。3月初旬と現在とでは外部環境が激変したのだろうか。
実はひとつも変わっていない。需給要因の反発だ。ウクライナ情勢は相変わらずだし、FRB(米連邦準備制度理事会)は粛々と利上げ、そしてQT(量的金融引き締め)を行うだろう。国際商品市況は高止まり、インフレリスクが存在する。欧州では原油、天然ガス、石炭などの調達難がささやかれている。脱ロシアの動きである。
だが、VIX(恐怖)指数は21ポイント台に低下している。超悲観ムードが消えたのは確かだ。なにしろ、年初以来のマーケットは「最悪シナリオ」をハヤし、売り叩いた。この急騰劇はその反動との見方ができる。機関投資家はVIX指数、日経平均株価の水準などを基準に、機械的にリスクパリティ(リスク資産のウエイトを落とす)を執行する。
●この局面において狙える銘柄は?
いわゆる、悪材料に敏感に反応し、リスクオフの姿勢とともに、先物を売る。株価が上昇する局面では株式のウエイトを高め、ヘッジ売りの先物を買い戻すのだ。それが機械的に行われる。株価が下がれば下がる、逆に上がれば上がる、一方通行になるゆえんである。まさに、24日の値動きがそうだったと思う。
特に、貸し株を使った売り方は3月決算期末を控え、株券の返済を求められている。そこに、JPモルガン・チェースの「国際マネーはポートフォリオの再構築を進めており、買い余力は2300億ドル、約27兆円に達する」とのレポートが出た。国際マネーの現金比率は5.9%と、リーマン・ショック時(5.4%)よりも高い。買い余力はある。
物色面はどうか。やはり、時流に乗るINPEX <1605> 、住友金属鉱山 <5713> 、三井物産 <8031> 、三菱重工業 <7011> はポートフォリオに欠かせない。値動きではBEENOS <3328> 、大平洋金属 <5541> 、ユーグレナ <2931> 、グローバルセキュリティエキスパート <4417> [東証M]などに妙味があろう。
じっくり狙うのは企業のDX(デジタルトランスフォーメーション)投資が追い風になっているウイングアーク1st <4432> 、再生可能エネルギー(バイオマス発電、太陽光パネルの再資源化など)の切り口を有する産業廃棄物処理・リサイクルのTREホールディングス <9247>だ。好業績が継続する。
このほか、昨年11月15日の3745円を高値に半値以下に売り込まれている日本M&Aセンター <2127> は再発防止策を実施し"不祥事"が解決、戻りが期待できる。青山財産ネットワークス <8929> [東証2]は「ADVANTAGE CLUB」の販売が好調だ。1~3月では今12月期目標の300億円の3分の1を超える100億円超を売ったという。
2022年3月25日 記
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