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【特集】チノー Research Memo(7):脱炭素社会実現に向け、水素エネルギーを活用した水素サプライチェーンの構築に寄与

チノー <日足> 「株探」多機能チャートより

■CSRへの取り組み

地球温暖化ガスを発生させないエネルギー源として世界的に水素サプライチェーンの開発が進んでいる昨今だが、水素関連においてもチノー<6850>の計測・制御・監視の温度ループソリューションは強みを発揮している。同社では燃料電池車の開発が着手された1990年代から燃料電池の評価試験装置を供給し約30年で多数の実績がある。特に燃料電池の発電特性に大きな影響を与える燃料ガスの温度・湿度制御を得意としており、顧客の要望に沿った仕様での提供が可能となっている。その中で同社が提供する製品として、例えばセンシング・プロセス制御技術基盤が挙げられる。これは1)温度・湿度・圧力・流量・露点など高精度な制御を実現するプロセス制御技術、2)長年培った燃料電池の試験評価ノウハウと試験装置システムの構築技術、3)計測・制御・監視を一括管理する専用ソフトウェア技術、4)極低温から超高温まで幅広い温度センシング技術、の4点に強みを有している製品であり、今後の導入拡大にも期待していきたい。

また、水素に関わる計測技術の開発にも取り組んでおり、東北学院大学の木村光照教授と共同開発したMEMS水素センサは、インフラが整って現実となった水素社会の今後を見据えて「センサのチノー」としての快適で安心・安全な社会を実現する手段の1つと捉えている。

このほかにも同社では「計測・制御・監視」の技術を未来へ生かすために、生物環境の保全に配慮したCSRへの取り組みを積極的に行っている。地域に失われつつある自然を復元して自然豊かな里山を取り戻すためビオトープを整備する「チノービオトープフォレスト」事業をはじめ、山形事業所に太陽光発電設備を配置し、これを管理・運営することで新たな事業を創出する「太陽光発電」事業、計測技術を農業分野に生かしハウス栽培に適したセンサや環境制御装置の開発を進めるための「植物栽培実証ハウス」事業などが挙げられる。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 石津大希)

《ST》

 提供:フィスコ

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