【市況】【杉村富生の短期相場観測】 ─急騰銘柄の傾向を分析し、次に備える!
経済評論家 杉村富生
「急騰銘柄の傾向を分析し、次に備える!」
●好業績に加え、テーマ性&夢とロマン!
波乱の2021年の株式市場が幕を閉じようとしている。個人投資家の皆さんの投資成果はどうだっただろうか。意外に厳しい1年だったのではないか、と思う。先物に振り回され、基本的にインデックス(株価指標)主導の相場だった。ボラティリティ(株価変動率)が極端に高いマーケットだ。値動きの荒さに翻弄された人が多かったのではないか。
せめて、個人投資家の好きなジャスダック、マザーズ市場が元気ならばよかったが、ともに年間の値動きは日経平均株価やTOPIXよりも劣る。特に、マザーズ指数は12月20日に948ポイントの安値(終値ベース)をつけ、年間騰落率が一時マイナス20%を下回るなど、終始さえなかった。12月はIPOラッシュとあって、投げ売り商状になった。投資家不在の状況である。
こうした市場環境下、東京機械製作所 <6335> 、スノーピーク <7816> 、ミダックホールディングス <6564>、日本郵船 <9101> 、恵和 <4251> 、トレックス・セミコンダクター <6616> 、エンビプロ・ホールディングス <5698> などが大幅高を演じた。個人投資家が参戦可能な銘柄群だろう。
さらに、光陽社 <7946> [東証2]、テラプローブ <6627> [東証2]、玉井商船 <9127> [東証2]、タカトリ <6338> [東証2]、マーチャント・バンカーズ <3121> [東証2]が商いを集め急騰した。東京機械製作所、光陽社は思惑(仕手化?)人気だったが、他はテーマ性を有する好業績銘柄だ。筋は通っている。
●新春相場での活躍が期待できる銘柄群!
物色テーマとしては半導体、EV(電気自動車)、DX(デジタルトランスフォーメーション)、再生可能エネルギー(脱炭素)、リスキリング(学び直し)、スマートシティ、生物多様性、女性活躍推進、副業、男性育休、気候変動(自然災害)、ポストコロナ、 バイオなどが話題となった。これらのテーマは2022年に継続されることになろう。
新興市場は不振だった、と指摘したが、個別銘柄はそれなりににぎわった。具体的にはシンバイオ製薬 <4582> [JQG]、Mipox <5381> [JQ]、テセック <6337> [JQ]、シキノハイテック <6614> [JQ]、グローバルウェイ <3936> [東証M]、FRONTEO <2158> [東証M]、ENECHANGE <4169> [東証M]など。
要は銘柄選択が重要ということだ。この局面ではDX関連のSun Asterisk <4053> [東証M]、ラキール <4074> [東証M]、AI(人工知能)を使ったシステム開発、かつソニーグループ <6758> やトヨタ自動車 <7203> が主要顧客のソーバル <2186> [JQ]、業績絶好調のヤマシンフィルタ <6240> に妙味があろう。
さらに、2022年新春相場で大幅高が狙える銘柄としてステラファーマ <4888> [東証M]、グローバルキッズCOMPANY <6189> 、青山財産ネットワークス <8929> [東証2]、テックファームホールディングス <3625> [JQG]、そーせいグループ <4565> [東証M]、バリオセキュア <4494> [東証2]などをピックアップできる。
このほか、ペイロール <4489> [東証M]、アシロ <7378> [東証M]、日本電波工業 <6779> 、三和油化工業 <4125> [JQ]、ハイブリッドテクノロジーズ <4260> [東証M]、CS-C <9258> [東証M]なども面白い展開となろう。直近IPO銘柄には好業績に加え、さまざまな思惑がささやかれている。
2021年12月24日 記
株探ニュース