【特集】利益成長“青天井”銘柄リスト【総集編】第4弾 33社選出 <成長株特集>
ファルコHD <日足> 「株探」多機能チャートより
本特集では、10月下旬から11月中旬までの決算集中期間に配信した「利益成長“青天井"銘柄リスト」を、“全期間”を対象に再構成した総集編をお届けします。
最終回となる第4弾は、第1弾配信の16日時点で時価総額が100億円以上250億円未満の銘柄を対象に、21年7-9月期に四半期ベースの過去最高益を更新し、かつ今期も最高益を見込む、いわゆる利益が“青天井”状況になっている銘柄をリストアップした。
下表では、本決算月にかかわらず、21年7-9月期に経常利益が全四半期ベースの過去最高益を更新した銘柄をピックアップ。さらに、会社側が今期(通期計画)も過去最高益見通しを示している33社を選び出し、7-9月期実績の過去最高益に対する上振れ率が大きい順に記した。
上振れ率トップとなったのはグローバルウェイ <3936> [東証M]。21年7-9月期(第2四半期)は顧客の積極的なシステム投資を背景にプラットフォーム事業とセールスフォース事業が伸びたほか、リクルーティング事業では旺盛なデジタルトランスフォーメーション(DX)関連人材の採用ニーズを取り込んだ。また、暗号資産タイムコインの売却益を計上したことも利益拡大につながった。
2位に入ったホットリンク <3680> [東証M]の7-9月期(第3四半期)税引き前利益は5.1億円と過去最高益を91.1%も上回って着地。中国市場向けマーケティングを支援するクロスバウンド事業で越境ECプラットフォームの新サービスが大きく伸びた。また、SNSマーケティング支援サービスの好調が継続したことに加え、投資有価証券評価益の計上により金融収益が急増したことも利益を押し上げた。
3位のWDBココ <7079> [東証M]は主力の医薬品安全性情報管理サービスで前期から稼働した複数の新規案件や短期大型案件などが寄与し、7-9月期(第2四半期)は売上高、経常利益ともに過去最高を更新した。併せて、22年3月期通期の業績見通しを上方修正したことも好感され、株価は11月12日に上場来高値となる7800円をつけた。その後は利益確定売りに押されているが、足もとでは調整一巡感もみられる。
4位にリスト入りしたウェルス・マネジメント <3772> [東証2]の7-9月期(第2四半期)業績は、売上高146億円(前年同期比3.7倍)、経常利益48億円(同7.2倍)と業績高変化を遂げた。主力の不動産金融事業で遅れていた京都の大型ホテル案件の引き渡しが完了したうえ、他のプロジェクトの物件売却も順調に進んだ。また、運営する全ホテルでの通常営業再開や開発中のホテルに対するコンサルティング売上の計上が寄与し、ホテル運営事業が黒字転換したことも大幅増益に貢献した。
続く5位ギークス <7060> の7-9月期(第2四半期)経常利益は前年同期比4.2倍の5.9億円に急拡大して着地。ゲーム事業で新規運営タイトル「僕のヒーローアカデミア ULTRA IMPACT」がスマッシュヒットしたことが収益を大きく押し上げた。また、主力のIT人材事業は顧客からの強い需要やリモートワークを取り入れるフリーランスの増加を背景に2ケタ成長を遂げた。
7位の壽屋 <7809> [JQ]は国内で人気アニメ「鬼滅の刃」「呪術廻戦」のフィギュアや自社IP「メガミデバイス」シリーズのプラモデルなどの販売が好調だったほか、中国を中心とするアジアの旺盛な需要も追い風となり、7-9月期(第1四半期)は売上高、経常利益ともに過去最高を大きく塗り替えた。22年6月期通期の業績見通しと配当計画の上方修正を発表したことも評価され、株価は連日の急騰劇を演じ、今月16日には決算発表前の2.4倍にあたる7600円まで上値を伸ばしている。
8位に入った臨床検査受託大手ファルコホールディングス <4671> は、新型コロナウイルスの変異種デルタ株が猛威を振るった第5波の影響でコロナ関連検査の受託数が大幅に増加し、7-9月期(第2四半期)は5四半期連続となる最高益更新を果たした。株価は年初来高値圏を快走しているが、予想PERは8.3倍に過ぎず一段の上値が期待できそうだ。
ファルコHD同じく、予想PERが低位で株価が頑強な展開をみせる銘柄に目を向けてみたい。19位にリストアップされた学究社 <9769> の7-9月期(第2四半期)は、すべての部門で生徒数が増加したうえ、夏期合宿を例年通りに実施したことが寄与し、15四半期ぶりの最高益を達成した。指標面は予想PER11.0倍と同業他社と比べ割安感が強い。また、配当利回りが5%近辺と高水準で、これも株価を下支えする要因となっている。
22位のオカダアイヨン <6294> は展示会販促効果の継続や再開発・建て替え需要の回復を背景に、国内で圧砕機など解体環境機械が伸びたほか、北米や欧州向け販売も拡大し、7-9月期(第2四半期)の経常利益は5.9億円と過去最高を12.3%上回って着地。併せて、22年3月期通期業績と配当予想を上方修正している。今期配当は12期連続の増配を計画しており、意欲的な株主還元姿勢も注目したい。
●利益成長“青天井”銘柄リスト【総集編】シリーズ ─────
・〔第1弾〕 35社選出 (時価総額2000億円以上)
・〔第2弾〕 33社選出 (時価総額700億~4000億円)
・〔第3弾〕 33社選出 (時価総額250億~700億円)
も併せてご覧ください。
┌─ 四半期 経常利益 ─┐ ┌── 通期 経常利益 ──┐ 予想
コード 銘柄名 上振れ率 7-9月期 過去最高 上振れ率 今期予想 過去最高 PER
<3936> GW 864 212 22 89.6 400 211 41.8
<3680> ホットリンク 91.1 518 271 158 787 305 22.7
<7079> WDBココ 81.7 347 191 37.6 725 527 31.0
<3772> ウェルス 77.2 4805 2712 47.4 5500 3732 6.9
<7060> ギークス 72.3 598 347 68.3 1200 713 25.0
<7320> リビング保証 62.8 350 215 12.7 710 630 27.6
<7809> 寿屋 60.6 620 386 68.9 1670 989 14.1
<4671> ファルコHD 50.3 2007 1335 47.2 4200 2853 8.3
<4828> ビーエンジ 46.1 998 683 3.7 2100 2025 16.0
<9274> 国際紙パルプ 34.0 2408 1797 62.0 5000 3086 5.4
<3245> ディアライフ 31.9 3032 2298 21.5 5000 4114 6.3
<2185> シイエムシイ 30.1 1354 1041 11.5 2700 2421 10.2
<4495> i3 29.6 232 179 31.3 734 559 44.4
<3918> PCIHD 27.8 557 436 17.5 1420 1208 14.7
<7089> フォースタ 25.7 176 140 56.8 450 287 51.8
<4299> ハイマックス 23.5 458 371 9.6 1500 1369 12.3
<7192> 日本モゲジS 21.3 529 436 1.1 1500 1483 15.3
<5945> 天竜製鋸 18.3 847 716 38.1 2750 1991 8.1
<9769> 学究社 14.1 1334 1169 28.8 2300 1786 11.0
<6538> キャリインデ 13.9 262 230 15.7 900 778 35.8
<4595> ミズホメディ 13.1 2542 2248 426 6364 1211 5.0
<6294> オカアイヨン 12.3 594 529 19.0 1856 1560 10.1
<3934> ベネフィJ 11.8 447 400 16.1 1519 1308 14.5
<4496> コマースワン 10.9 204 184 10.0 647 588 25.6
<9384> 内外トランス 10.0 1005 914 131 3820 1656 7.9
<7228> デイトナ 6.8 598 560 48.5 1781 1199 6.9
<4462> 石原ケミ 5.6 730 691 27.3 2400 1885 11.2
<7570> 橋本総業HD 5.0 1076 1025 3.2 3400 3294 8.8
<6067> インパクト 4.1 355 341 258 1450 405 25.5
<5121> 藤コンポ 3.4 1262 1221 62.8 4400 2703 5.8
<3157> ジューテック 2.9 959 932 22.1 3050 2498 8.0
<6562> ジーニー 2.0 150 147 54.2 720 467 23.8
<7036> EMネットJ 0.8 125 124 21.0 404 334 56.2
※ 2020年10月以降に上場した企業と今期見通しを開示していない企業は除いた。四半期の過去最高益は原則、四半期決算の開示が本格化した2003年4-6月期以降の業績に基づいたものです。
株探ニュース