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【市況】【北浜流一郎のズバリ株先見!】 ─連続増益銘柄への投資に徹する!

株式アドバイザー 北浜流一郎

「連続増益銘柄への投資に徹する!」

●日米株価指数のパフォーマンスに大きな乖離

 なんともショッキングなチャートを見ることになってしまった。といっても、珍しいチャートではない。株探や証券会社のサイトなどで簡単に見られるチャートだからだ。日経平均株価 S&P500の年初来のチャートである。

 年末になると、今年の日経平均株価はどれくらい上がったか、もしくは下がったのかをチャートで確認している。同じくS&P500についても。

 わざわざ両者を比較しなくても、S&P500の方が上昇しているだろうとは分かってはいたが、年末なのだから少し手間をかけて比較してみることにした。その結果は「う~ん、これは何かの間違いじゃないのか?」と感じるものだった。

 日経平均株価の今年のスタートは2万7575円。そして、この原稿を書いている24日の引け値は2万8782円。年初来の上昇率は4.4%だ。

 では、S&P500は? 年初の価格は3764ポイント。そして23日の引け値は4725ポイント。上昇率は25%にもなる。

 改めて書いておこう。

日経平均株価の年初来上昇率は4.4%。

 S&P500のそれは25%だ。

 日経平均株価の上昇率4.4%の前に、数字の「2」をつけるとほぼ肩を並べるので、私は計算違いしているのじゃないかと思い、数回計算してみたが、数字は変わらなかった。

 4.4%と25%の違い。これはもうショックを通り越し、呆然とするばかりだ。しかも驚くべきことに、米国の新型コロナウイルスの感染者数と死者数は圧倒的である一方、日本はG7諸国の中で感染者数、死者数ともに驚異的に少なかった。つまり、コロナ禍の抑制に最も成功した国と言ってよい。

 そんな国の株価がほとんど上がらず、世界で最もコロナ禍の被害を受け、いまなおそこから立ち直っているとは言えない国の株式市場が例年通り、いや、例年以上に上昇しているのだ。

●停滞する日本市場、投資家に打開策はあるのか?

 こんな違いがなぜ生じているのか。分析している余裕はないが、投資家として何らかの対応が求められるのはもちろんだ。現状を受け入れていては、日経平均株価とともに沈むことになる。では、どんな乗り切り策が?

 それは、営業利益の予想増加率(=予想成長率)が最低でも10%を超える銘柄に投資することだ。それも今期だけでなく、来期も。

 つまり、今来期2期連続で高い水準の増益(=成長)が見込める銘柄への投資に徹したい。

 具体的には、まずは半導体製造装置、特に枚葉式半導体ウエハ洗浄装置で世界首位の芝浦メカトロニクス <6590> になる。株価は高いが、今来期ともに増収増益を達成するとみられており、株価は目先一服あっても続伸が見込める。

 中古車販売に強いネクステージ <3186> も、新車の製造が停滞していることもあって販売を伸ばしており、今来期ともに増収増益路線を突っ走ると見てよい。

 目先株価は急落してしまったが、医療施設型ホスピス「医心館」を運営するアンビスホールディングス <7071> [JQ]も、今来期ともに増収増益が見込めるため、株価は次第に見直されて再浮上する確率が高い。

 最後にデクセリアルズ <4980> を。かつてソニーケミカルと呼ばれていた企業で、ソニーから分離独立したあと上場廃止になっていたが、2015年に再上場した。異方性導電膜(ACF)、光学弾性樹脂(SVR)、反射防止フィルム、表面実装型ヒューズなどニッチ製品に強いことで知られ、いまこれらほとんどの製品の需要が好調。収益も今来期伸びが見込めるだけに、株価も期待が持てる。ただ、目先は高値圏にあるため、浅い押し目を狙いたい。

2021年12月24日 記

株探ニュース

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