【材料】すららネット---2Qは2ケタ増収増益、学校マーケットの売上高が大幅に増加
すららネット <日足> 「株探」多機能チャートより
すららネット<3998>は7月30日、2021年12月期第2四半期(21年1月-6月)決算を発表した。売上高が前年同期比36.6%増の9.25億円、営業利益が同39.6%増の2.59億円、経常利益が同49.8%増の2.90億円、四半期純利益が同50.0%増の2.01億円となった。
学習塾マーケットの売上高は前年同期比10.6%増の3.69億円となった。「低学力に強い学力向上教材」というイメージに加え、先取り学習・反転授業など幅広い学力層での活用拡大、オンライン学習切り替えへの迅速な対応実績から「通塾でも自宅学習でもオンラインでシームレスに対応できるAI教材」として堅調に認知が拡大している。その一方で、新型コロナウイルス感染症拡大に伴う通塾の自粛要請により生徒数が減少し、当第2四半期末時点の導入校数は1,177校(前期末比61校増加)、ID数は23,979ID(前期末比1,301ID減少)となった。
学校マーケットの売上高は同86.5%増の3.70億円となった。私立学校における活用の拡大、通信制高校や海外の日本人学校における採用が増えるとともに、経済産業省の先端的教育用ソフトウェア導入実証事業費補助金(以下、EdTech導入補助金)により、自治体を通じて公立小中高校における「すらら」ならびに「すらら」姉妹版「すららドリル」の採用が進んだ。その一方で、2020年8月より開始したEdTech導入補助金が、2021年3月末に終了し、当第2四半期末時点の導入校数は671校(前期末比425校減少)、ID課金数(校舎課金を除く。)は125,498ID(前期末比209,068ID減少)となった。EdTech導入補助金は3月で終了したものの、 継続利用意向は4割、2021年度EdTech導入補助金については500校、16万IDを申請済である。
BtoCマーケットの売上高は同29.3%増の1.80億円となった。新型コロナウイルス感染症拡大による自宅学習需要の拡大と昨今社会問題として注目されつつある不登校生の自宅利用の増加により、当第2四半期末時点のID数は3,644ID(前期末比228ID増加)となった。
将来の成長の鍵として注力している海外マーケットでは、新型コロナウイルス感染症拡大に伴う現地の学校閉鎖が長期化しているが、徐々にオンラインによる家庭学習を導入する学校が増えていることと、「未来の教室」海外展開実証事業校が本契約に切替えたことにより、当第2四半期末時点のID数は2,201ID(前期末比265ID増加)となった。
また、同社全体の当第2四半期末時点における導入校数は1,903校(前期末比364校減少)、利用ID数は156,212ID(前期末比217,571ID減少)となった。
2021年12月期通期の業績予想については、売上高が前期比16.4%増の19.20億円、営業利益が同40.1%減の3.23億円、経常利益が同34.3%減の3.60億円、当期純利益が同36.8%減の2.39億円とする期初計画を据え置いている。ただ、弊社では2021年のEdTech導入補助金の申請状況次第では業績の上方修正の可能性もあるとみている。
《ST》
提供:フィスコ