市場ニュース

戻る

【特集】JBR Research Memo(5):保険事業では新商品の「スマホ保険」が好調な滑り出し

JBR <日足> 「株探」多機能チャートより

■ジャパンベストレスキューシステム<2453>の業績動向

2.事業セグメント別動向
(1) 駆けつけ事業
駆けつけ事業の売上高は前年同期比8.2%減の693百万円、営業利益は同98.2%減の0.4百万円と減収減益基調が続いた。作業件数ではガラス関連サービスが2千件(前年同期比横ばい)、水まわり関連サービスが12千件(同1千件減)、カギの交換関連サービスが15千件(同3千件減)となり、外出の機会が減少した影響もありカギの交換関連サービスの減少が目立った。作業単価の向上に加えてタウンページからの集客に回復が見えてきたものの、他社サイトからの集客を中心にWeb集客が減少した。コロナ禍における感染対策意識の高まりから、作業依頼マインドの冷え込みが続いていることも影響しているものと思われる。なお、前第4四半期に作業単価の低いPC関連のサービスを、業務提携先で持分法適用関連会社である日本PCサービス(株)に業務移管したことも減収要因となっている。

(2) 会員事業
会員事業の売上高は前年同期期比10.5%増の3,299百万円、営業利益は同4.8%増の788百万円と第2四半期累計として過去最高を2年ぶりに更新した。前年同期は不採算だった「dリビング」向けサービスを2019年5月に終了した影響で減収となったものの、当第2四半期累計ではその影響も一巡、主力の「安心入居サポート」「あんしん修理サポート」「学生生活110番」を中心に会員数が順調に増加し、2ケタ増収となった。営業利益率は出動費用の増加により前年同期の25.2%から23.9%に低下したものの引き続き高水準を維持している。出動費用の増加は依頼件数の増加によるもので、前年同期の396百万円から519百万円となり2年前の水準に戻った格好だ。

2021年9月期第2四半期末における会員数は前年同期比254千人増加の2,601千人と増加ペースが加速した。商品別の内訳を見ると、主力の「安心入居サポート」は同55千人増の964千人と順調に拡大した。不動産賃貸管理会社の販売ネットワークが拡大したことや、家賃等に会費を含めて提供するサブスク型の契約件数が増加(=継続率の上昇)していることが要因となっている。サブスク型の構成比率は前年同期の55%から60%に上昇しており、今後も上昇傾向が続く見通しとなっている。

「あんしん修理サポート」は同190千人増の1,036千人と大幅増が続き、会員数で「安心入居サポート」を上回る最大規模となった。主力販路であるホームセンターや家電量販店等を通じた会員数増加が続いていることに加えて、住宅メーカー経由での会員数も増加している。ただ、同商品は契約期間が5~10年と長期間にわたるため、当第2四半期累計での増収インパクトとしては「安心入居サポート」よりも若干小さく、将来の売上となる前受収益金として積み上がる格好となっている。

「学生生活110番」も同4千人増の318千人と着実に増加した。全国の大学生協を通じて取り扱う大学数は209大学と変わりなかったものの、学生の入会率が上昇したものと見られる。その他のサービスについては、不採算サービスの見直しを進めるなかで、同7千人増の282千人となった。

(3) 保険事業
保険事業の売上高は前年同期比14.2%増の2,400百万円、営業利益は同20.0%増の203百万円と好調に推移した。主力の家財保険「新すまいRoom保険」の被保険者数が順調に拡大したことに加えて、前下期からレスキュー損害保険で販売を開始した「スポーツクラブ傷害保険」や「スマホ保険」も売上増に貢献した。増収効果により利益率も前年同期の8.1%から8.5%に上昇した。

主要保険商品の被保険者数を見ると、主力の「新すまいRoom保険」は販売代理店拡大の効果もあって、前年同期比24千件増加の239千件となった。また、「スポーツクラブ傷害保険」は242千件、「スマホ保険」は46千件となった。「スポーツクラブ傷害保険」については契約件数こそ大きいものの、保険料が安く売上への貢献度は「スマホ保険」とほぼ同水準で軽微となっている。

(4) リペア事業
リペア事業の売上高は前年同期比10.6%減の134百万円、営業損失は39百万円(前年同期は37百万円の損失)となった。収益改善策として、施工技術を活かした高単価案件に注力し、低単価案件の整理を進めたため、売上高は減収となったものの、収益性は着実に向上した。共通費用控除前では既に黒字化しており、前年同期比でも増益となっている。提携先の不動産管理会社を通じた集合住宅向けの作業件数が順調に伸びているようだ。

(5) ライフテック事業
ライフテック事業の売上高は前年同期比452.3%増の120百万円、営業損失は159百万円(前年同期は75百万円の損失)となった。不動産賃貸入居者向けの電力販売契約件数の増加により売上高は伸長したものの、1月の電力調達価格高騰の影響で108百万円のコスト増となったことが損失拡大要因となった。第2四半期末の契約件数は3,600件となっている。

現在の電力調達価格は高騰前の水準に戻っているため、第3四半期以降に損失額がさらに膨らむ可能性は低くなっているが、リスク低減を最優先に新規契約の獲得は第2四半期途中から凍結している状況にある。今後についてはリスクを排した新スキームで事業を継続していくか、事業撤退を第3四半期中に決定する方針となっている。新スキームとは、販売代理店業務への移行で、小売事業者に顧客を紹介することで電力利用料の4~5%程度の手数料を得るビジネスモデルを想定している。同モデルであれば電力調達価格変動の影響は受けない。一方、事業撤退の場合、2021年9月期下期の業績への影響額は、会社計画に対して売上高で300百万円、営業利益で50百万円程度の減額要因となるが、同社では他の事業で十分に挽回可能な水準と考えている。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲)

《ST》

 提供:フィスコ

日経平均